物理 特殊相対性理論  2017/9 Yuji.W

 ☆ 光のドップラー効果.2次元

光の縦ドップラー効果 横ドップラー効果 光行差 宇宙膨張 赤方偏移 ハッブルの法則 _物理定数

☆ ベクトル <A> 単位ベクトル <-u> 座標単位ベクトル <x>,<y>,<z> 内積 * 外積 # 10^x=Ten(x) exp(i*x)=expi(x) 微分 ; 時間微分 ' 積分 $

☆ 光速 c=@3*Ten(8)_m/sec @3=2.99792458{定義値} (@3)^2=@9

◇ 光子のエネルギーと運動量のローレンツ変換.2次元 ◇

◆ 2つの慣性系 x系,X系 X系のx系に対する速度(対光速比) <x>*b.

1光子xy平面上での運動 速度(対光速比) <bx by>,<Bx By>
 bx^2+by^2=Bx^2+By^2=1

エネルギー E,EK 運動量(光速倍) <pc>=E*<bx by> <pcK>=EK*<Bx By>

■ E/EK=Γ(b.)*(1+Bx*b.) bx=(EK/E)*Γ(b.)*(Bx+b.) by=(EK/E)*By

◇ 光のドップラー効果.2次元 ◇

◆ 2つの慣性系 x系,X系 X系で静止している光源から、y軸の正の方向に、光が発っせられる Bx=0 By=1

E/EK=Γ(b.)*(1+Bx*b.)=Γ(b.)*(1+0)=Γ(b.) _光のドップラー効果(光源が横に動いている場合)

 bx=(EK/E)*Γ(b.)*(Bx+b.)=[1/Γ(b.)]*Γ(b.)*(0+b.)=b.

 by=(EK/E)*By=[1/Γ(b.)]*1=1/Γ(b.)

 bx/by=Γ(b.)*b. _光行差

◇ ドップラー効果2次元-ローレンツ変換を使って

◎ 光を、エネルギーと運動量を持つ粒(光子)とみなし、その運動を、2つの慣性系で観測する。

◆ 2つの慣性系 光源が静止している慣性系(光源系) 観測者が静止している系(観測者系)
ふたつの系のx軸とxy平面とが一致している。光子の運動は、その平面上にある。光源系は、観測者系に対して、速さ(対光速比) b. で、x軸の正の方向に動く。

光源系で エネルギー E0 運動量(光速倍) <p0x p0y> E0=|<p0x p0y>|
光子の運動する方向とx軸との作る角 a0 p0x=E0*cos(a0) p0y=E0*sin(a0)

観測者系で エネルギー E 運動量(光速倍) <px py> E=|<px py>|
光子の運動する方向とx軸との作る角 a px=E*cos(a) py=E*sin(a)

■ ローレンツ変換して、

 E=Γ(b.)*E0+Γ(b.)*b.*p0x px=Γ(b.)*p0x+Γ(b.)*b.*E0 py=p0y .

光子の動く方向を示す a0,a について、考えてみよう。運動量の部分を、エネルギーと角で表すと、

 E=Γ(b.)*E0+Γ(b.)*b.*E0*cos(a0)=Γ(b.)*E0*[1+b.*cos(a0)]
 E*cos(a)=Γ(b.)*E0*cos(a0)+Γ(b.)*b.*E0=Γ(b.)*E0*[cos(a0)+b.]
 E*sin(a)=E0*sin(a0)

E,E0 を消去すると cos(a)=[cos(a0)+b.]/[1+b.*cos(a0)] .

この式を、cos(a0) について解くと、

 cos(a0)=[cos(a)-b.]/[1-b.*cos(a)] .

E を、観測者系の値で表せば、

 1+b.*cos(a0)
=1+b.*[cos(a)-b.]/[1-b.*cos(a)]
={[1-b.*cos(a)]+b.*[cos(a)-b.]}/[1-b.*cos(a)]
=(1-b.^2)/[1-b.*cos(a)]
=1/{Γ(b.)^2*[1-b.*cos(a)]}

 E/E0
=Γ(b.)/{Γ(b.)^2*[1-b.*cos(a)]}
=1/{Γ(b.)*[1-b.*cos(a)]} 

※ 観測者系とは、観測者がどこにいるかを特定しない。「その系で観測したら」という意味である。

※ b. の正負と、a0 の関係 次の4パターンがある。

@ 0<b.<1 & 0<.a0<.Pi/2 光源が、前方(x軸プラス方向)に光子を発する
A -1<b.<0 & Pi/2<.a0<.Pi 光源が、前方(x軸マイナス方向)に光子を発する
B 0<b.<1 & Pi/2<.a0<.Pi 光源が、後方に光子を発する
C -1<b.<0 & 0<.a0<.Pi/2 光源が、後方に光子を発する

@Aは、光源が観測者に近づいていく場合、BCは、光源が観測者から遠ざかる場合になる。{まぎらわしい、でもここが核心!2015/3}

以下、b. がプラスの場合のみ書いていく。

光源も、光子も、x軸の正の方向に動くとき(光源が観測者に近づく)
0<b.<1 a0=0 p0x=E0 p0y=0

 cos(a)=(1+b.)/(1+b.)=1 a=0

 E/E0
=Γ(b.)*(1+b.)
=(1+b.)/root[(1-b.)*(1+b.)]
=root[(1+b.)/(1-b.)] >1 
.近づくときの縦ドップラー効果。エネルギーが大きくなる。振動数が大きくなる。波長が短くなる。可視光は、青い光に近づく。

 b.=[(E/E0)^2-1]/[(E/E0)^2+1]

★ b.=3/5 のとき E/E0=root[(1+3/5)/(1-3/5)]=root4=2

★ b.=12/13 のとき E/E0=root[(1+12/13)/(1-12/13)]=root(25)=5

★ 赤 70*Ten(-6)_m 緑 55*Ten(-6)_m 赤が緑に見える E/E0=70/55=14/11

 b.=[(14/11)^2-1]/[(14/11)^2+1]=(14^2-11^2)/(14^2+11^2)=135/287~0.47

光源はx軸の正の方向に、光子はx軸の負の方向にの動くとき(光源が観測者から遠ざかる)
0<b.<1 a0=Pi p0x=-E0 p0y=0 {p0x<0 盲点!2013/2}

 cos(a)=(-1+b.)/(1-b.)=-1 a=Pi

 E
=Γ(b.)*E0-Γ(b.)*b.*E0
=Γ(b.)*E0*(1-b.)
=E0*(1-b.)/root[(1-b.)*(1+b.)]
=E0*root[(1-b.)/(1+b.)]

 E/E0=root[(1-b.)/(1+b.)] .遠ざかるときの縦ドップラー効果。エネルギーが小さくなる。振動数が小さくなる。波長が伸びる。可視光は、赤い光に近づく(赤方偏移)。

 b.=[1-(E/E0)^2]/[1+(E/E0)^2]

★ b.=3/5 のとき E/E0=root[(1-3/5)/(1+3/5)]=root(1/4)=1/2

★ E/E0=121.6/364.8=1/3 b.=(1-1/9)/(1+1/9)=8/10=4/5

★ 光子ロケット 光子ロケットが出す光子のエネルギー E0 観測したその光子のエネルギー E ロケットの速さ(対光速比) b

「光子ロケット」 2015/3

◆ 光子ロケット 最初の質量 m0 途中の質量 m 最初の速さ 0 途中の速さ(対光速比) b

■ b=[1-(m/m0)^2]/[1+(m/m0)^2]

 1-b=1-[1-(m/m0)^2]/[1+(m/m0)^2]=2*(m/m0)^2/[1+(m/m0)^2]

 1+b=1+[1-(m/m0)^2]/[1+(m/m0)^2]=2/[1+(m/m0)^2]

光のドップラー効果 E/E0=root[(1-b)/(1+b)]

 E/E0=m/m0 .

光源から真横に光子が発っせられたとき
0<b.<1 a0=Pi/2 p0x=0 p0y=E0

 cos(a)=b. 0<a<Pi/2 E/E0=Γ(b.) .エネルギーは大きくなる。

光源は真横に光子を発したのに、観測者系では、斜め前方に光子を発したように観測される。 .光行差 ヘッッドライト効果

★ b.=3/5 のとき cos(a)=3/5 a~53_°

E/E0=1 になるとき 光源系の値で cos(a0)=-[Γ(b.)-1]/[Γ(b.)*b.] .

観測者系の値で cos(a)=[Γ(b.)-1]/[Γ(b.)*b.] .

 このとき cos(a0)+cos(a)=0 a0+a=180_° .

★ b.=3/5 のとき Γ(3/5)=5/4 Γ(3/5)*(3/5)=3/4

 cos(a0)=-(5/4-1)/(3/4)=-1/3 a0~109_° a~71_°

★ b.=4/5 のとき Γ(4/5)=5/3 Γ(4/5)*(4/5)=4/3

 cos(a0)=-(5/3-1)/(4/3)=-1/2 a0=120_° a=60_°

観測者系で真横に動く光子 0<b.<1 a=Pi/2

 cos(a0)=-b. Pi/2<a0<Pi E/E0=1/Γ(b.) .光の横ドップラー効果。光源と観測者の距離は、ほぼ変わらないのに、ドップラー効果が起きる。特殊相対論効果で、動いている系の時間の進み方は遅くなる。振動数は小さくなる。エネルギーは小さくなる。

★ b.=3/5 のとき cos(a0)=-3/5 a~127_° 光源から斜め後方に発せられた光子が、観測者系では横向きの光子になる。

■ ロケットから見える宇宙

景色が前方に集まるように見える。前方にある星からの光の波長は、より短くなる。b.=3/5 のとき、前方にある星からの光の波長は半分になる。エネルギーは2倍になる。可視光は紫外線になり、赤外線が可視光になる。後方にある星からの光の波長は、より長くなる。

■ 光源が真っ直ぐにゆっくり観測者に近づくとき 0<b.<<1

 E/E0=root[(1+b.)/(1-b.)]=(1+b./2)^2=1+b.

エネルギーのずれ ΔE=E-E0

 ΔE/E0=E/E0-1=(1+b.)-1=b. .レーダーの原理

◇ 光のドップラー効果.2次元

◆ 2つの慣性系 光源が静止している慣性系(光源系) 観測者が静止している系(観測者系)
ふたつの系のx軸とxy平面とが一致している。光子の運動は、その平面上にある。光源系は、観測者系に対して、速さ(対光速比) b. で、x軸の正の方向に動く。

光源系で エネルギー E0 運動量(光速倍) <p0x p0y> E0=|<p0x p0y>|
光子の運動する方向とx軸との作る角 a0 p0x=E0*cos(a0) p0y=E0*sin(a0)

観測者系で エネルギー E 運動量(光速倍) <px py> E=|<px py>|
光子の運動する方向とx軸との作る角 a px=E*cos(a) py=E*sin(a)

■ 光源系の値で表せば、

 cos(a)=[cos(a0)+b.]/[1+b.*cos(a0)] E/E0=Γ(b.)+Γ(b.)*b.*cos(a0)

観測者系の値で表せば、

 cos(a0)=[cos(a)-b.]/[1-b.*cos(a)] E/E0=1/[Γ(b.)-Γ(b.)*b.*cos(a)]

光源が観測者に近づく E/E0=root[(1+b.)/(1-b.)] 光の縦ドップラー効果

 b.=[(E/E0)^2-1]/[(E/E0)^2+1]

光源が観測者から遠ざかる E/E0=root[(1-b.)/(1+b.)]

 b.=[1-(E/E0)^2]/[1+(E/E0)^2]

光源から真横に光子が発っせられたとき cos(a)=b. 光行差 E/E0=Γ(b.)

観測者系で真横に動く光子 cos(a0)=-b. E/E0=1/Γ(b.) 光の横ドップラー効果

■ 光源が真っ直ぐにゆっくり観測者に近づくとき E/E0=1+b. ΔE/E0=b.

◇ 平面波

◎ 平面波をローレンツ変換して、光のドップラー効果を導出しよう。 

◆ X系で、X軸の負の方向に進む平面波 H(X,T)/H0=sin(W*T+K*X)

c=W/K だから H(X,T)/H0=sin[W*(T+X/c)]

ローレンツ変換して、x系の t,x で、どのように表されるかを考える。

■ x系の値 <t|x) にローレンツ変換する。

 T=Γ*(t-v.*x/c^2)  X=Γ*(x-v.*t)

 T+X/c
=Γ*[(t-v.*x/c^2)+(x-v.*t)/c]
=Γ*(t+x/c)*(1-v./c)=root[(1-v./c)/(1+v./c)]*(t+x/c)

 W*(T+X/c)=W*root[(1-v./c)/(1+v./c)]*(t+x/c) 負の方向に進む波

 x系の角振動数 w=W*root[(1-v./c)/(1+v./c)]

振動数の変化 nu/nu0=w/W=root[(1-v./c)/(1+v./c)] .
光の縦ドップラー効果(光源が速さ v. で遠ざかるとき)

※ 光源が遠ざかる v.>0 nu/nu0<1 赤方偏移

◇ 正方形はどう見えるか

横に動く正方形 □ -> は実際どう見えるか。進行方向に短くなって、長方形に見えるのだろうか。実は、正方形が向きを斜めにして ◇ -> 、横に動いていくように見える。

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