物理 力学

2016/1-2011 Yuji.W

歳差運動

◎ 回転軸が向きを変える ジャイロスコープ(ジャイロスコープ) 歳差運動 自転車 地球の歳差運動 precession nutation

◇ 累乗^ 10^x=Ten(x) exp(i*x)=expi(x) ベクトル<A> 単位ベクトル<-u> 内積* 外積# 微分;x 2階微分;;x 時間微分y' 定積分${f(x)*dx}[x:a~b]〔物理定数〕 _

●{復習}角運動量の変化の方向と力の方向の関係●

『角運動量の変化の方向と力の方向の関係』 2016/1

◆ 角運動量 <L> 角運動量の時間微分 <L>' 力 <F> 作用点 <r> トルク <N>

■ <L>'=<N>=<r>#<F>

<L>'⊥<r> <L>'⊥<F> <L>'⊥(<r>と<F>とが作る平面)

※ 角運動量の方向と回転軸とは、回転する物体の質量分布に依っては、一致しない事がある。ただし、車輪やコマや地球の自転などは、角運動量の方向と回転軸が一致しているとみなせるので、上記の議論で、<L> は回転軸の方向を示すと考えてよい。

★ バイクのハンドル操作

バイクが前に走っている。前輪の角運動量は、地面に水平で、左向きである。
右に曲がりたい。ハンドル左側を前に押し、右側を後に引っ張ればよいのだろうか。

力の作用点の方向と力の方向は水平である。角運動量の変化の方向は、水平面と垂直になって、この場合は下向きになる。左側を向いていた角運動量が下に方向を変えようとするのだから、前輪は左側に傾こうとする。

ハンドル左側を前に押し、右側を後に引っ張ると、前輪は左側に倒れようとする。右には曲がれない。

どうすればよいか。

ハンドル左側を上に引き上げように力を加え、右側を下に下がるように力を加える。角運動量の変化の方向は前向きになる。左を向いていた角運動量が前向きになろうとするのだから、前輪は右に向く事になる。右に曲がれる。

ハンドルに力を加える代わりに、車体を右に傾けても、同じ効果を得る事ができ、自然と前輪は右に方向を変えてくれる。これが、バイクで曲がるコツだ。

★ ジャイロスコープの歳差運動

ジャイロスコープの一方の端を支え、横向きにして、コマを回転させる。角運動量の方興雄は横向きである。

コマの重心に下向きに力がかかる。支点から見て、力の作用点は回転軸方向、力の方向は下向きである。角運動量の変化の方向は、その2つの方向に垂直である。すなわち、横向きになる。 _ジャイロスコープは下に倒れる事なく、横方向に徐々に方向を変えていく。歳差運動 

★ 地球の歳差運動

地球の自転軸が公転面に対して垂直でないとき、地球は赤道方向に少しだけ膨らんでいるので、太陽により近い側の赤道付近の引力が強くなる。自転軸が公転面に垂直になろうとする方向に力が働く(自転軸が起き上がろうとする)。力の方向は、自転軸と太陽を含む平面上にある。角運動量の変化の方向は、その平面と垂直になるから、地球の公転面上になる。 _

自転軸を起こそうとする力が働くのだが、自転軸が起きる事はなく、公転面の方向に方向を変えていくことになる。

◇自転車◇

◎ 自転車は車輪が回転している限り、特に人間がハンドルを操作しないで放っておいても、倒れることはない。なぜか?

■ 自転車が少し右に傾いたとしよう。車輪の回転軸の右側を下に倒そうとする力が働く。車輪が回転していれば、そのまま右側が下に倒れていく事はない。歳差運動を起こし、右側が手前に、左側が前方に動こうとする。(鉛直上方向に左周り)。すなわち、ハンドルが右に切れる。自転車は右にカーブする事になる。 _

右にカーブすれば、左側に遠心力が働き、車体を起こそうとし、自転車が倒れるのを防ぐようになる。

さらに倒れようとすると、さらに、急カーブで曲がるようにハンドルが切られ、左向きの遠心力はさらに大きくなる。

人間が特に操作しなくても、自転車が倒れにくくなるように、自動的にハンドルを切ってくれる。

◇ジャイロスコープの歳差運動◇

◎ 回転軸が真横になっているジャイロスコープの軸の両端を支える。片方の支えをとる。ジャイロスコープは落ちることない。水平方向にゆっくり方向を変えていく。

◆ 一様な重力場 ジャイロスコープ 回転軸:水平 片方の支点を支える 自転の角運動量 LG 全角運動量 L 歳差運動の角速度 wp ジャイロスコープにかかるトルク N

 N=(ジャイロスコープの質量)*g*(支点から重心までの距離)

歳差運動による角運動量は小さいとする L~LG

■ 時間微分 '  L'=N

ここで 角運動量の変化量は、歳差運動によって、その方向を変えることによって得られる。自転軸は、単位時間に、方向を wp だけ変えるから、

 L'=LG*wp

以上の2式より LG*wp=N _

■ 一般に <L>'=<wp>#<LG>

 <wp>#<LG>=<N> _


★ ジャイロ m=100_g r=3_cm

慣性モーメント I=(1/2)*0.1*0.03^2=4.5*Ten(-5)_kg*m^2
自転の速さ 10_回/sec 自転角速度 w=2Pi*10=62.8_rad/sec
自転角運動量 LG=I*w=[4.5*Ten(-5)]*62.8=2.826*Ten(-3)_kg*m^2/sec

重力によるトルク N=0.1*9.81*0.03=2.943*Ten(-2)_N*m

 wp=[2.943*Ten(-2)]/[2.826*Ten(-3)]~10.4

 歳差運動の周期 T=2Pi/wp=2*3.14/10.4~0.6_sec _{こんなものかな!2015/7}

◇ジャイロスコープの歳差運動◇

■ 両端を支えているとき ジャイロスコープが回転する自転エネルギーはあるが、ジャイロスコープ全体が動く並進運動エネルギーはない。角運動量は回転軸方向(水平)。

片方の支点を取った瞬間 その支点側が少しだけ下がる。重力の位置エネルギーを得て、運動エネルギーに変わる。角運動量の変化の方向は、回転軸の方向と重力の方向に垂直だから、横向きに変化する。回転軸が横向きに変わろうとする。重力エネルギーが横向きに動くエネルギーになる。

回転軸は、下に落ちつつ横にも動く。斜め下に動くことになる。さらに、重力エネルギーを得て、横向きに動く速さは早くなる。ついには、横向きに動く速さは、歳差運動の平均の速さより速くなる。その後、運動エネルギーは減っていき、位置エネルギーが増える、すなわち、上に戻っていく。ついには、最初に落ち始めた位置まで戻る。また下向きに落ち始める。以下繰り返しになる。

まとめると、サイクロイド曲線を球面上に曲げた線を動く。

※歳差運動の平均の速さを超えて、横向きに動くと、上向きの力が働くように観測される。なぜなのだろう。細かいプロセスがよくわからない。{!2013/9}

■ 歳差運動の角速度に応じた一定の速さで動く座標で観測すると、ジャイロスコープのこちら側の端は、円を描くように観測される。動きは、真後ろ、左斜め下、下、右斜め下、最も低い点(真下)を通過し、右斜め上、上、左上、で、戻ってくる。その繰り返し。

歳差運動の平均の動きの周りに、小さな円運動をする。

 等速直線運動する系で観測した円運動は、静止系では、サイクロイド曲線になる。

■ ただし、実際のジャイロスコープでは、軸の部分での摩擦があるから、だんだん、サイクロイド曲線は小さくなり、ついには、水平に動くことになる。水平面は、初めの軸の位置よりは下がっている。下がった分の位置エネルギーが、歳差運動エネルギーになる。

★ z軸に対する慣性モーメント Iz=m*r^2+(1/4)*m*r^2=(5/4)*m*r^2

歳差運動をする分のエネルギー K
=(1/2)*I*W^2=(1/2)*(5/4)*m*r^2*W^2=(5/8)*m*r^2*W^2

そのエネルギーは、ジャイロスコープの重心が h だけ下がったことで得たとすると、

 m*g*h=K

 h=(5/8)*r^2*W^2/g~(5/8)*0.03^2*1^2/9.8
~6*Ten(-5)_m~0.06_mm

☆地球の歳差運動☆

■ 地球の自転軸は、おおよそ、宇宙空間に対してある一定の方向を向いているのだが、わずかな歳差運動があり、その方向を少しずつ変えていく。

地球の公転面(太陽と地球を含む面):水平 鉛直上方向:北 鉛直上方向:南 とする。

地球の歳差運動の原因は、以下の2つである。

@ 地球は球体ではなく、赤道面が膨らんでいる 赤道半径 6378_km 極半径 6357_km 扁平率 1/298

A 地球の自転軸が公転面(太陽と地球を含む面)に対して傾いている。

太陽に近い側の引力が大きいから、@Aより、地球の自転軸を鉛直方向に近づけようとする偶力が働く。ただし、春分、秋分の頃は、そのトルクは働かない。夏至、冬至の頃にそのトルクは最大になる。{トルクの大きさが変化することに触れている一般向けの文献は見つからない!2013/10}

地球は自転しているので、その方向に自転軸を変える事はなく、歳差運動を起こし、自転軸が水平方向に少しずつ方向を変える事になる。自転は東向き、自転軸を鉛直方向にしようとするトルクだと、その自転軸が西側にずれていく事になる。 

自転方向:北に対して右回り(東向き) 歳差運動:北に対して左回り(西向き)

歳差運動 周期 26000年 360/26000_°/年=360*60*60/26000~50_''/年

紀元前150年頃 ギリシャ ヒッパルコスが発見{すごいなあ!2013/10}

章動 平均的な歳差運動からのずれ 1728年 イギリス ブラッドリーが発見

複数の周期がある 周期1 18.6年 月の軌道の変化による

  歳差運動  

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