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2016/3-2011 Yuji.W

慣性力

慣性力 inertial force 見かけの力 fictitious force

ベクトル<A> 縦ベクトル<A) 単位ベクトル<-u> 内積* 外積# 微分;x 時間微分' 10^x=Ten(x) exp(i*x)=expi(x) 共約複素数\z物理定数

☆力☆

◇ ニュートン力学 電磁気力、重力(万有引力)、慣性力

◇ 特殊相対性理論 電磁気力と慣性力 <注>重力がない場合だけを扱う

◇ 一般相対性理論 電磁気力だけ <注>重力や慣性力は、時空のゆがみとして取り入れる。

☆慣性力☆

慣性系 運動方程式が成り立つ。

◇ 加速度系 慣性系に対して、加速度 <a> で動く座標系。

物体には、見かけの力(慣性力) -m*<a> が働く。慣性力は、質量に比例するので、運動方程式は、質量によらない。【

力が慣性力だけならば、質量に関係なく、みんな同じ運動をすることになる。

☆自由落下☆

◇ 地上で、自由落下する物体を考えよう。空気の抵抗は考えない。

■ 静止系(t)で観測すると、

物体には重力が働く。質量m、重力定数g、時間t、加速度aとすれば、

 F=m*g

 m*g=m*a

したがって、 a=g

● 自由落下する動く運動系(T)で観測すると、

自由落下する物体は静止しているように見える。力が働いていないように見える。物体には、下向きに、重力が働いているので、それと大きさは等しく、方向は上向きである力が働いていることになる。加速度gで下向きに自由落下する座標系では、物体に上向きにm*gの見かけの力(fictitious force)が働いていると見なせることになる。これを、「慣性力」inertial forceと言う。

[慣性力]

加速度 <a> で運動をする座標系では、質量mの物体に、
慣性力(見かけの力) -m*<a> が働くと見なせる。

「見かけの力」と言う意味は、あくまで、観測する座標系そのものが加速度運動をしていることから、存在していると見なせる力であるということである。座標系が、加速度運動をしなければ、その力は存在しない。逆に、重力は、座標系の運動がどうであっても、働いている。「真の力」である。

☆スピードアップする電車、止まろうとする電車☆

◇ スピードアップする電車

速度は増している。電車の動いている方向に、加速度が生じている。電車の中の人(加速度運動をしている座標系)には、後ろ向きに慣性力(見かけの力)が働くと見なせる。すなわち、後ろ向きに倒れる力が働くように見なせる。

◇ 止まろうとする電車

速度は減っていく。電車の動いている方向とは逆の方向に、加速度が生じている。(電車を止めようとする力が、後ろ向きに働いている。)

電車の中の人(加速度運動をしている座標系)には、加速度とは逆の方向、すなわち、前向きに慣性力(見かけの力)が働くと見なせる。すなわち、前の方向に倒れる力が働くように見なせる。

☆円運動をする物体☆

◇ 物体にヒモをつけ、振り回し、水平な面の上で円運動をしているとする。そのときの、水平方向の運動を考えてみよう。上下方向の運動は考えない。

■ 静止系(t)で観測すると、

物体には、ヒモが引っ張る力が働く。常に、中心に向かう力である。速度の大きさは一定であっても、速度の方向は常に変化しているので、加速度運動である。加速度の方向は、中心に向かう方向である(力の方向と同じである。)

● 円運動をする加速度系で観測すると、

物体に働く真の力は、ヒモが引っ張る力である。物体は、加速度運動をしているので、慣性力(見かけの力)が、加速度とは逆の方向、すなわち、常に外側に向かう方向に働いているように見なせる。それが、「遠心力」と呼ばれるモノである。ヒモが引っ張る力と遠心力は、大きさが等しく、方向は逆なので、釣り合い、合わせると、力が働いていないように見なせる。すなわち、物体と共に回転する座標系では、静止しているように見える。

◇ 遠心力というのは、あくまで、観測する座標系が、回転という加速度運動をしていることから生じていると見なせる、見かけの力である。座標系がその回転運動を止めてしまえば、その力はたちまち消えてしまうのである。

真の力は、観測する座標系の動きに関係なく存在する力である。

☆ハンマー投げ☆

◇ ハンマーにワイヤーをつけ、上から見て、反時計回りに回す。3時の方向来た時に、ハンマーを離す。さて、ハンマーはどの方向に飛んで行くだろうか。3時の方向?

ハンマーには、ワイヤーが引っ張る力と、遠心力(見かけの力)が働いているように見なせる。2つの力は釣り合っている。突然ワイヤーを離す。遠心力があるから、ハンマーは、外側の方向(3時の方向)に飛んで行くのだろうか。

NO!違う!

遠心力と言うのは、あくまで、回転運動をしているという前提で考えられる、見かけの力である。ハンマーを離した時点で、回転運動は終わってしまうので、遠心力はなくなる。ハンマーには力は働いていないので、等速直線運動をする。(今、水平方向の運動だけを考えている。)

3時の方向に来た時の、運動の方向、すなわち、接線方向(半径とは垂直の方向、12時の方向)に向かって飛んで行くのである。

ハンマー投げは、12時の方向に飛ばそうと思ったら、3時の方向に来た時に、手を離すのである。

◇ 実験してみよう

50cm程度のひもに、少し水を入れたペットボトルなど、適当な物をつける。軽く回転させる。自分でイメージして、3時の方向に来た時にひもを離す。どの方向に飛んで行くだろうか?

◇ ユーチューブで見てみよう

ハンマー投げのビデオがある。スローモーションでのビデオもある。いつ手を離すか、見てみよう。

☆傘を回して、水滴を飛ばそう☆

◇ 水滴はどの方向に飛んで行くだろうか。外側に向かって飛んで行くのだろうか。

違う!

それぞれ、水滴は、傘の骨から離れる瞬間の、傘の接線方向(半径とは垂直の方向)に向かって飛んで行くのである。

傘から離れて見ていれば、全体としては、傘の外側に水滴は飛んでいるのではあるが…。

  慣性力  

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