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◎ 「地球の自転の角運動量が減り、その分だけ月の公転の角運動量が増え、月が遠ざかる」というのは、本当か? |
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〔表記2015/06/16〕ベクトル<> 座標単位ベクトル<xu>,<yu>,<zu> 内積* 外積# |
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■NASA が月面に置いてきた装置により、地球-月 間の距離が正確に測定できるようになった。それによると、年間 4 cm ほど、遠ざかっていることがわかった。なぜそうなるのか。 ■よくある説明 「潮に満ち干の摩擦により、地球の自転の角速度が遅くなっている。地球の自転の角運動量が減っている。角運動量は保存されるから、その分が、月の公転角運動量になる。すなわち、月が遠ざかる。」 |
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★ 「地球の角運動量が減ると、月の角運動量は増える。」、単純にそう言っていいのだろうか。 ■地球表面のあらゆる所に、ロケットを設置し、地球の自転を遅くする向きに、一斉に噴射してみよう。 地球の回転速度は遅くなる。角運動量は、減る。そうすると、月の角運動量は増えるのだろうか。 月は、地球の重力によって動いている。地球が自転していようが、していまいが、関係ない。(相対論ではないので。) 「地球の角運動量が減ると、月の角運動量は増える。」、単純にそうは言えない。 ★ ■地球の潮の満ち干により、月の公転角運動量が減るメカニズムを考えないといけない。(その上で、角運動量の増減を考えるのは意味がある。) 地球や月の質量分布が球対称でなく、角運動量を左右するメカニズムを考える必要がある。 よくある説明↓ |
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上図で、◎は地球、■は海水であるとする。 ■よくある説明 「海水が盛り上がる位置は、月に最も近い位置、または、正反対の位置ではなく、諸条件により、少し(2時間ほど、30度ほど)遅れる。
そして、より月に近い方の海水の重力が、月により大きな影響を与える。月の回転速度に影響を与え、角運動量を増やし、地球-月 間の距離を増やす。」 |
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■気象庁の実際のデータを調べると、満潮の時刻は、月に最も近づくか、最も遠ざかる時刻より、横浜で5時間ほど、銚子(太平洋に面している)で4時間ほど遅れる。図にすると、以下のような場合に近い。
前述の説明では、十分説明できないことがわかる。 ★ |
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★ 月が遠ざかる ★ |