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◎ 一様な重力場 空気はどのように分布するか {こんな事が理論的に分かるんだなあ!} 気体の重さの謎 地表にその上にある分の気体の重さがかかる? 気体なのに重さが下にかかる? |
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ベクトル<A> 座標単位ベクトル<xu>,<yu>,<zu> 内積* 外積# |
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■【 分子の質量 】原子質量単位 u 1_u=(1.660 538 921)*Ten(-27)_kg 窒素分子の質量=28_u 酸素分子の質量=32_u 水素分子の質量=2_u ■ ボルツマン定数 kB=(1.380 6488)*Ten(-23)_J/K T=300_K で kB*T=4.14*Ten(-21)_J さらに m=1_u で、 kB*T/(m*g) {kB*T/(m*g) の次元は長さなんだ!2016/2} |
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◎ 地表面を動いている大気分子は、重力に逆らって、どの高さまで上がっていく事ができるか ? ■【 気体分子の重さ 】 窒素分子= 酸素分子= 水素分子= ■【 気体分子の運動エネルギーと重力エネルギー 】 高さ h まで上がるとすると m*g*h=(1/2)*m*v^2 @ ■【 気体分子の運動エネルギーと温度 】 (1/2)*m*v^2=(3/2)*kB*T A ■【 上がっていける高さ 】 質量 m の分子が、地球の重力に逆らって上がっていける高さ H @Aより m*g*H=(3/2)*kB*T H=(3/2)*kB*T/(m*g) ★. ■ T=300_K m=1_u のとき H=(3/2)*254=381_km ★ 窒素分子 分子量 28 H=381/28~14_km ★. ★ 酸素分子 分子量 32 H=381/32~12_km ★. ★ 水素分子 分子量 2 H=381/2=190_km ★. |
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◎ 地球大気の標高差分布を考える 一様な重力場 温度一定 位置エネルギーと温度の関数になる ◆ 重力加速度 g=一定 温度 T=一定 理想気体 気体分子1個の質量 m 単位断面積の気体の柱を考える 高さ z そこでの気体数密度 n(z) 圧力 P(z) 微少量 dz に対して z~z+dz にある気体のブロックを考える ■【 圧力と数密度 】P(z)=n(z)*kB*T @ ■【 つり合い 】 高さ
z~z+dz の気体中のつり合いを考えて、 P(z+dz)+m*g*n(z)*dz=P(z) ここで P(z+dz)-P(z)=[P(z);z]*dz だから、 P(z);z=-m*g*n(z) A ■【 数密度の分布 】 @Aより [n(z);z]*kB*T=-m*g*n(z) [n(z);z]/n(z)=-m*g/(kB*T) n(z)=n(0)*exp{-[m*g/(kB*T)]*z} ここで z0=kB*T/(m*g) と置くと、 n(z)=n(0)*exp(-z/z0) ★.大気分布(数密度と高さ) ■ T=300_K のとき、 窒素分子で z0=254/28~9.07_km 酸素分子で z0=254/32~7.94_km ■ |z/z0|<<1 のとき n(z)=n(0)*(1-z/z0) T=300_K & z=1_km 酸素で n(z)/n(0)=1-1/7.94=0.87 ★. 登山で、標高1000m上がると、気圧は地表の9割ほどになる ■ n(z)/n(0)=1/2 になる高さを z2. とすると、 ln[n(z2.)/n(0)]=ln(1/2) 左辺=-z2./z0 右辺=ln(1)-ln(2)~0-0.693=-0.693 z2.=0.693*z0 T=300_K 酸素で z2.=0.693*7.94=5.50_km ★.実際の地球大気の観測値 5~6_km |
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◎ 前項では、気温 T=一定 として、式を作ったが、 地表にある気体が断熱膨張して、圧力がさがり、温度も下がるとして、 高さと温度の関係を求めよう。 ● 断熱過程 P*V^Γ=一定 T*V^(Γ-1)=一定 T^Γ/P^(Γ-1)=一定 2原子分子で Γ=7/5 ◆ 数密度 n(z) 理想気体の圧力 P(z)=n(z)*kB*T 断熱過程 P*V^Γ=一定 T*V^(Γ-1)=一定 2原子分子で Γ=7/5 ■ P,n,T : 高さ z の関数 P;z/P=-(m*g/k)/T T^Γ/P^(Γ-1)=T0^Γ/P0^(Γ-1)=一定 ※ 0 は z=0 のときの値 断熱過程の式を z で微分すると、{核心、ちょっとおしゃれ!2014/1} Γ*T^(Γ-1)*T;z/P^(Γ-1)-(Γ-1)*T^Γ*P;z/P^Γ=0 Γ*P*T;z-(Γ-1)*T*P;z=0 T;z/T=[(Γ-1)/Γ]*P;z/P だから、 T;z/T=-[(Γ-1)/Γ]*(m*g/k)/T T;z=-[(Γ-1)/Γ]*(m*g/k) T=-[(Γ-1)/Γ]*(m*g/k)*z+T0
★.温度は標高の1次関数 {別解} P;z/P=-(m*g/k)/T T^Γ/P^(Γ-1)=T0^Γ/P0^(Γ-1)=一定 ※ 0 は z=0 のときの値 (P/P0)^(Γ-1)=(T/T0)^Γ P=P0*(T/T0)^[Γ/(Γ-1)] {基本的な解き方!} P;z=P0*[Γ/(Γ-1)]*(T/T0)^[1/(Γ-1)]*T;z/T0 だから、 P;z/P=-(m*g/k)/T の、 左辺 [Γ/(Γ-1)]*T;z/T=-(m*g/k)/T T;z=-[(Γ-1)/Γ]*(m*g/k) 以下同じ {素晴らしい!2014/1} ★ 空気 m*g/k=0.029*9.8/8.31=0.034_K Γ=7/5 温度の変化の割合=-[(Γ-1)/Γ]*(m*g/k)=-(2/7)*0.034=-0.01 1mで 0.01°、100mで 1°下がる 登山界の常識で、100mで 0.6°下がると言われている。空気が上昇し、温度が下がり、水蒸気が水や氷になり、熱が放出され、温度が少し上がるということらしい。 |
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◆ 大気分布 n(z)=n(0)*exp(-z/z0)〔z0=kB*T/(m*g)〕 大気分子総数(単位面積当たり) N 地表での大気圧 P(0) ■【 地表での大気圧 】 N N=n(0)*z0=n(0)*[kB*T/(m*g)]=P(0)/(m*g) P(0)=N*m*g ★.地表の大気圧=単位面積の上にある全大気の質量 |
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◎ 大気圧とは、その上にある大気の重さになると習ったが、大気は固体ではなく、空中を飛び回っているのに、重さが順繰りに下にかかっていくのか ? {中学校以来の謎だ!} ◆ 大気分子総数(単位面積当たり) N 大気分布 n(z)=n0*exp[-m*g*z/(kB*T)] P(z)=(n0*kB*T)*exp[-m*g*z/(kB*T)] ■
N P(0)=n0*kB*T=m*N*g ★.地表面の大気圧=その上にある大気の総重量 |
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◎ 一様な重力場で、スーパーボールが上下方向に地面と完全弾性衝突を繰り返す。地面は、ぶつかった時だけ力を受ける。スーパーボールが空中にある時は、地面は力を受けない。十分に長い時間を考え、力を時間平均したものを考える。 ◆ 重力加速度 g ボールの質量 m 地面にぶつかるときの速さ v 最高到達点から地面まで落ちてくるのにかかる時間 T 周期=2*T ■ v=g*T 衝突1回で地面が受ける力=運動量の変化量=2*m*v 力の時間平均=2*m*v/(2*T)=2*m*v/(2*v/g)=m*g 力の時間平均=地面に置かれたボールの重さ ★ |
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◎ 一様な重力場がある箱の中で、スーパーボールを上下に完全弾性衝突を繰り返させる。天井には上向きの力がかかる。床には下向きの力がかかる。 ◆ 天井にかかる力 F0 床にかかる力 F1 箱にかかる力 F=F1-F0 天井にぶつかる速さ v0 床にぶつかる速さ v1 天井から床まで落ちてくる時間 T 周期=2*T ■ v1-v0=g*T F0=2*m*v0 F1=2*m*v1 F1-F0=2*m*(v1-v0) @F=(F1-F0)/(2*T)=2*m*(v1-v0)/[2*(v1-v0)/g]=m*g 箱には、ボールを床に置いたときと同じ力がかかる ★ |
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◎ 一様な重力場、同質量のボール2個、鉛直方向の衝突 ● 同質量の2粒子が衝突すると、速さが入れ替わる。 ◆ 鉛直方向に無限に繰り返す衝突を考える。上のボールは下のボールと衝突を繰り返す。下のボールは、上のボールとの衝突と、地面と衝突を繰り返す。 上のボールと下のボールが衝突するときの速さ(両方等しいとする) v1 下のボールが地面と衝突するときの速さ v2 両方の衝突の周期は同じとする(そうでないと、無限の繰り返しにならないから)その周期 2*T ボールの質量 m 重力加速度 g ■ v1=g*T v2-v1=g*T だから v2=2*g*T 地面が受ける衝撃力=2*m*v2 地面が受ける力の時間平均=2*m*v2/(2*T)=2*m*g 地面は、ボール2個を地面に置いたおいたときと同じ力を受ける ★ {へー、おもしろいなあ。面倒な計算になると思っていたが、簡単!2013/5} |
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★ 地球大気の分布 ★ |