お勉強しようUz 物理定数物理.統計力学

2016/2-2012/10 Yuji.W

大気の分布

◎ 一様な重力場 空気はどのように分布するか {こんな事が理論的に分かるんだなあ!} 気体の重さの謎 地表にその上にある分の気体の重さがかかる? 気体なのに重さが下にかかる?

◇ ベクトル<A> 座標単位ベクトル<xu>,<yu>,<zu> 内積* 外積#
微分;x 
時間微分' 積分${f(x)*dx} 10^x=Ten(x) exp(i*x)=expi(x) .

◇大気を構成する分子◇

■【 分子の質量 】原子質量単位 u 1_u=(1.660 538 921)*Ten(-27)_kg

窒素分子の質量=28_u 酸素分子の質量=32_u 水素分子の質量=2_u

■ ボルツマン定数 kB=(1.380 6488)*Ten(-23)_J/K

T=300_K で kB*T=4.14*Ten(-21)_J

さらに m=1_u で、

 kB*T/(m*g)
=[4.14*Ten(-21)]/{[1.66*Ten(-27)]*9.81}
=2.54*Ten(5)_m
=254_km

{kB*T/(m*g) の次元は長さなんだ!2016/2}

☆地球大気はどこまで上がることができるか☆

◎ 地表面を動いている大気分子は、重力に逆らって、どの高さまで上がっていく事ができるか ?

■【 気体分子の重さ 】

窒素分子= 酸素分子= 水素分子=

■【 気体分子の運動エネルギーと重力エネルギー 】

高さ h まで上がるとすると m*g*h=(1/2)*m*v^2 @

■【 気体分子の運動エネルギーと温度 】

 (1/2)*m*v^2=(3/2)*kB*T A

■【 上がっていける高さ 】

質量 m の分子が、地球の重力に逆らって上がっていける高さ H

@Aより m*g*H=(3/2)*kB*T

 H=(3/2)*kB*T/(m*g) .

■ T=300_K m=1_u のとき H=(3/2)*254=381_km

★ 窒素分子 分子量 28 H=381/28~14_km .

★ 酸素分子 分子量 32 H=381/32~12_km .

★ 水素分子 分子量 2 H=381/2=190_km .

☆大気の分布☆

◎ 地球大気の標高差分布を考える 一様な重力場 温度一定 位置エネルギーと温度の関数になる

◆ 重力加速度 g=一定 温度 T=一定 理想気体 気体分子1個の質量 m

単位断面積の気体の柱を考える 高さ z そこでの気体数密度 n(z) 圧力 P(z)

微少量 dz に対して z~z+dz にある気体のブロックを考える

■【 圧力と数密度 】P(z)=n(z)*kB*T @

■【 つり合い 】

高さ z~z+dz の気体中のつり合いを考えて、
 ※ 空中を飛び回る気体の質量がすべて下にかかるとする

 P(z+dz)+m*g*n(z)*dz=P(z)

ここで P(z+dz)-P(z)=[P(z);z]*dz だから、

 P(z);z=-m*g*n(z) A

■【 数密度の分布 】

@Aより [n(z);z]*kB*T=-m*g*n(z)

 [n(z);z]/n(z)=-m*g/(kB*T)

 n(z)=n(0)*exp{-[m*g/(kB*T)]*z}

ここで z0=kB*T/(m*g) と置くと、

 n(z)=n(0)*exp(-z/z0) .大気分布(数密度と高さ)

■ T=300_K のとき、

窒素分子で z0=254/28~9.07_km

酸素分子で z0=254/32~7.94_km

■ |z/z0|<<1 のとき n(z)=n(0)*(1-z/z0)

T=300_K & z=1_km 酸素で n(z)/n(0)=1-1/7.94=0.87 .

登山で、標高1000m上がると、気圧は地表の9割ほどになる

■ n(z)/n(0)=1/2 になる高さを z2. とすると、

 ln[n(z2.)/n(0)]=ln(1/2)

 左辺=-z2./z0 右辺=ln(1)-ln(2)~0-0.693=-0.693

 z2.=0.693*z0

T=300_K 酸素で z2.=0.693*7.94=5.50_km .実際の地球大気の観測値 5~6_km

☆大気の密度と圧力☆

◎ 前項では、気温 T=一定 として、式を作ったが、

地表にある気体が断熱膨張して、圧力がさがり、温度も下がるとして、

高さと温度の関係を求めよう。

● 断熱過程 P*V^Γ=一定 T*V^(Γ-1)=一定 T^Γ/P^(Γ-1)=一定

2原子分子で Γ=7/5

◆ 数密度 n(z) 理想気体の圧力 P(z)=n(z)*kB*T

断熱過程 P*V^Γ=一定 T*V^(Γ-1)=一定 2原子分子で Γ=7/5

■ P,n,T : 高さ z の関数  P;z/P=-(m*g/k)/T

 T^Γ/P^(Γ-1)=T0^Γ/P0^(Γ-1)=一定 ※ 0 は z=0 のときの値

断熱過程の式を z で微分すると、{核心、ちょっとおしゃれ!2014/1}

 Γ*T^(Γ-1)*T;z/P^(Γ-1)-(Γ-1)*T^Γ*P;z/P^Γ=0

 Γ*P*T;z-(Γ-1)*T*P;z=0

 T;z/T=[(Γ-1)/Γ]*P;z/P だから、

 T;z/T=-[(Γ-1)/Γ]*(m*g/k)/T

 T;z=-[(Γ-1)/Γ]*(m*g/k)

 T=-[(Γ-1)/Γ]*(m*g/k)*z+T0 .温度は標高の1次関数
{へー、おもしろい!2014/1}

{別解} P;z/P=-(m*g/k)/T

 T^Γ/P^(Γ-1)=T0^Γ/P0^(Γ-1)=一定 ※ 0 は z=0 のときの値

 (P/P0)^(Γ-1)=(T/T0)^Γ

 P=P0*(T/T0)^[Γ/(Γ-1)] {基本的な解き方!}

 P;z=P0*[Γ/(Γ-1)]*(T/T0)^[1/(Γ-1)]*T;z/T0 だから、

 P;z/P=-(m*g/k)/T の、

 左辺
={P0*[Γ/(Γ-1)]*(T/T0)^[1/(Γ-1)]*T;z/T0}/{P0*(T/T0)^[Γ/(Γ-1)]}
=[Γ/(Γ-1)]*T;z/T だから、

 [Γ/(Γ-1)]*T;z/T=-(m*g/k)/T

 T;z=-[(Γ-1)/Γ]*(m*g/k) 以下同じ {素晴らしい!2014/1}

★ 空気 m*g/k=0.029*9.8/8.31=0.034_K Γ=7/5

 温度の変化の割合=-[(Γ-1)/Γ]*(m*g/k)=-(2/7)*0.034=-0.01

1mで 0.01°、100mで 1°下がる

登山界の常識で、100mで 0.6°下がると言われている。空気が上昇し、温度が下がり、水蒸気が水や氷になり、熱が放出され、温度が少し上がるということらしい。

☆空気の重さの謎☆

◆ 大気分布  n(z)=n(0)*exp(-z/z0)〔z0=kB*T/(m*g)〕

大気分子総数(単位面積当たり) N 地表での大気圧 P(0)

■【 地表での大気圧 】

 N
=${n(z)*dz}[z:0~∞]
=n(0)*${exp(-z/z0)*dz}[z:0~∞]
=-n(0)*z0*[exp(-z/z0)][z:0~∞]
=+n(0)*z0

 N=n(0)*z0=n(0)*[kB*T/(m*g)]=P(0)/(m*g)

 P(0)=N*m*g .地表の大気圧=単位面積の上にある全大気の質量

☆空気の重さの謎☆

◎ 大気圧とは、その上にある大気の重さになると習ったが、大気は固体ではなく、空中を飛び回っているのに、重さが順繰りに下にかかっていくのか ? {中学校以来の謎だ!}

◆ 大気分子総数(単位面積当たり) N

大気分布 n(z)=n0*exp[-m*g*z/(kB*T)] P(z)=(n0*kB*T)*exp[-m*g*z/(kB*T)]

■ N
=n0*${exp[-m*g*z/(kB*T)]*dz}[z:0~∞]
=-[n0*kB*T/(m*g)]*[exp[-m*g*z/(kB*T)][z:0~∞]
=+n0*kB*T/(m*g)

 P(0)=n0*kB*T=m*N*g .地表面の大気圧=その上にある大気の総重量

☆スーパーボール(一様な重力場での衝突)☆

◎ 一様な重力場で、スーパーボールが上下方向に地面と完全弾性衝突を繰り返す。地面は、ぶつかった時だけ力を受ける。スーパーボールが空中にある時は、地面は力を受けない。十分に長い時間を考え、力を時間平均したものを考える。

◆ 重力加速度 g  ボールの質量 m  地面にぶつかるときの速さ v

最高到達点から地面まで落ちてくるのにかかる時間 T  周期=2*T

■ v=g*T

  衝突1回で地面が受ける力=運動量の変化量=2*m*v

  力の時間平均=2*m*v/(2*T)=2*m*v/(2*v/g)=m*g

  力の時間平均=地面に置かれたボールの重さ

☆箱の中のスーパーボール☆

◎ 一様な重力場がある箱の中で、スーパーボールを上下に完全弾性衝突を繰り返させる。天井には上向きの力がかかる。床には下向きの力がかかる。

◆ 天井にかかる力 F0  床にかかる力 F1  箱にかかる力 F=F1-F0

天井にぶつかる速さ v0  床にぶつかる速さ v1

天井から床まで落ちてくる時間 T  周期=2*T

■ v1-v0=g*T

  F0=2*m*v0  F1=2*m*v1  F1-F0=2*m*(v1-v0)

  @F=(F1-F0)/(2*T)=2*m*(v1-v0)/[2*(v1-v0)/g]=m*g

箱には、ボールを床に置いたときと同じ力がかかる

☆ボール2個☆

◎ 一様な重力場、同質量のボール2個、鉛直方向の衝突

● 同質量の2粒子が衝突すると、速さが入れ替わる。

◆ 鉛直方向に無限に繰り返す衝突を考える。上のボールは下のボールと衝突を繰り返す。下のボールは、上のボールとの衝突と、地面と衝突を繰り返す。

上のボールと下のボールが衝突するときの速さ(両方等しいとする) v1

下のボールが地面と衝突するときの速さ v2

両方の衝突の周期は同じとする(そうでないと、無限の繰り返しにならないから)その周期 2*T

ボールの質量 m  重力加速度 g

■ v1=g*T  v2-v1=g*T  だから  v2=2*g*T

  地面が受ける衝撃力=2*m*v2

  地面が受ける力の時間平均=2*m*v2/(2*T)=2*m*g

地面は、ボール2個を地面に置いたおいたときと同じ力を受ける

{へー、おもしろいなあ。面倒な計算になると思っていたが、簡単!2013/5}

  地球大気の分布  

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