物理 電磁気 2018/5-2012/1 Yuji.W

☆ 接地していない導体球(鏡像法)

◎ 点電荷と導体球 接地していない導体球 鏡像法 鏡映法

{積分の計算から始めて全部まとめるのに、3週間ぐらいかかった!2018/5}

◇ ベクトル <A> 内積 * 外積 # 10^x=Ten(x) 微分 ;x 時間微分 ' 積分 $
 
ネイピア数 e e^x=exp(x) i^2=-1 e^(i*x)=exp(i*x)=expi(x) _ 00

◇ 電磁気.国際単位系 クーロン力定数 ke=1/(4Pi*ε0) 〔 物理定数
 磁場 <B> 磁場(光速倍) <cB> ベクトルポテンシャル <A>
CGS静電単位系 ke=1_無次元 <Bcgs>=<cB> <Acgs>=c*<A>
 
[国際単位系B=1_T]⇔[CGS静電単位系Bcgs=10000_G] 〔 電磁気単位

〓 等電位球面の電場 〓. ◇ クーロン力定数 ke=1/(4Pi*ε0)

◆ 球座標(r,a,b) 座標単位ベクトル <ru>,<a>,<b>

仮想的な球[半径 R]

z軸上に3つの点電荷 @[q z=R*k] A[-q/k z=R/k] B[q/k 原点] 〔 k:1より大きい定数 〕

3つの点電荷が球面上に作る電場 <E(a)>

<E(a)>=<ru>*ke*(q/R^2)*{1/k-(k^2-1)/[k^2+1-2*k*cos(a)]^(3/2)}

球[半径 R 中心:原点]の表面が等電位面

〓 接地していない導体球(鏡像法) 〓.

◎ 電荷と導体球(元々電荷は与えられていない)は引力を及ぼしあう

■ 正点電荷を、接地していない導体球(元々、電荷は与えられていない)の外部に置く。次のような現象が起きる。

@ 導体球の正点電荷に近い側に自由電子群が集まる。

A 遠い側に正電荷群が誘起される。

B |自由電子群の総電荷|=|正電荷群の総電荷|

C 導体内部の電場は 0

D 導体球全体が正の等電位

◆ 正点電荷 電荷 q 位置 A 接地していない導体球 半径 R 中心 O

正点電荷と、導体球の中心との距離 l l/R=k

  Aーーーー(ー-B-ーOーーーー)

導体球は等電位であり、総電荷は 0

導体球表面の電場 <E> 導体球表面に誘起される電荷面密度 σ(a)

■ 正点電荷 q に対して2つの電荷の大きさと位置をうまく配置すれば、半径 R の等電位面を作ることができる。導体球内部を除く領域で、同じ電場を作ることができる。導体球内部を除く領域で、同じ電気現象が起きることになる。

Aには正点電荷 q Bに負点電荷 -q/k Oに正点電荷 q/k とすればよい

初めの2つの電荷で、半径 R の球面が等電位面になる。球の中心に、任意の量の電荷を置いても、その等電位面は変わらない。また、導体内の総電荷は 0 になり、条件を満たす。

このとき AO/R=l/R=k BO/R=R/l=1/k AB/R=k-1/k _

導体球表面の電場は、上記の3つの点電荷が作る電場の球面上の電場と同じになるから、

 <E(a)>=<ru>*ke*(q/R^2)*{1/k-(k^2-1)/[k^2+1-2*k*cos(a)]^(3/2)} _

■ 導体球内部の電場は 0 であるから、ガウスの法則より、

 (<E>の動径成分)=4Pi*ke*σ(a)

 σ(a)
=(<E>の動径成分)/(4Pi*ke)
=[q/(4*Pi*R^2)]*{1/k-(k^2-1)/[k^2+1-2*k*cos(a)]^(3/2)}

k の代わりに R,l で表せば、k=l/R に注意して、

 σ(a)
=[q/(4Pi*R^2)]*{R/l-(l^2/R^2-1)/[l^2/R^2+1-2*(l/R)*cos(a)]^(3/2)}
=[q/(4Pi*R)]*{1/l-[(l^2-R^2)]/[l^2+R^2-2*l*R*cos(a)]^(3/2)}

》σ(a)
=[q/(4*Pi*R^2)]*{1/k-(k^2-1)/[k^2+1-2*k*cos(a)]^(3/2)}
=[q/(4Pi*R)]*{1/l-[(l^2-R^2)]/[l^2+R^2-2*l*R*cos(a)]^(3/2)} _

〓 接地していない導体球 〓.

◆ 球座標(r,a,b) 座標単位ベクトル <ru>,<a>,<b>

正点電荷 q 接地していない導体球[総電荷量 0 半径 R 中心:原点]

正点電荷と、導体球の中心との距離 l l/R=k

鏡像法 負点電荷 -q/k を R/k の所に 正点電荷 q/k を原点に

導体球表面の電場 <E> 導体球表面に誘起される電荷面密度 σ(a)

<E(a)>=<ru>*ke*(q/R^2)*{1/k-(k^2-1)/[k^2+1-2*k*cos(a)]^(3/2)}

σ(a)
=[q/(4*Pi*R^2)]*{1/k-(k^2-1)/[k^2+1-2*k*cos(a)]^(3/2)}
=[q/(4Pi*R)]*{1/l-[(l^2-R^2)]/[l^2+R^2-2*l*R*cos(a)]^(3/2)}

〓 電位 〓.

◆ 接地していない(元々電荷を持たない)導体球の電位 V ※ 無限遠で 0

■ 鏡像法より、次の2つの電場は、導体球の内部を除く領域で同じになる。

@ 正点電荷と導体球とが作る電場

A 鏡映法での3つの点電荷が作る電場

したがって、@の導体球の電位と、Aの半径Rの球面上の電位は等しくなる。

 V=ke*q*[1/(l-R)-(1/k)/(R-R/k)+(1/k)/R]

ここで [~]=1/(l-R)-1/(R*k-R)+1/(R*k)=1/(l-R)-1/(l-R)+1/l=1/l

 V=ke*q/l=[1/(4Pi*ε0)]*q/l _

正点電荷のみの場合の、正電荷の位置における電位と同じ

〓 総電荷量 〓.

◆ 導体球に誘起される総電荷量 Q=0 ※ そのような仮定であったから

電荷分布の式から確認する。

Q
=2Pi*R^2*${σ(a)*sin(a)*da}[a:0~Pi]
=(q/2)*(1/k)*${sin(a)*da}[a:0~Pi]
-(q/2)*(k^2-1)*${sin(a)*da/[k^2+1-2*k*cos(a)]^(3/2)}}[a:0~Pi]

■ ${sin(a)*da}[a:0~Pi]=[-cos(a)][a:0~Pi]=2

■ ${sin(a)*da/[A-B*cos(a)]^(3/2)}=-(2/B)/root[A-B*cos(a)]+積分定数 だから、

A=k^2+1 B=2*k として、k>1 であることにも注意して、

 ${sin(a)*da/[k^2+1-2*k*cos(a)]^(3/2)}}
=-(1/k)/root[k^2+1-2*k*cos(a)]+積分定数

 ${sin(a)*da/[k^2+1-2*k*cos(a)]^(3/2)}}[a:0~Pi]
=(1/k)*[1/(k-1)-1/(k+1)]
=2/[k*(k^2-1)]

■ Q=(q/2)*(1/k)*2-(q/2)*(k^2-1)*2/[k*(k^2-1)]=q/k-q/k=0 _

{素晴らしい!ちゃんとなった!2018/5}

〓 引力 〓.

◆ 正点電荷が導体球から受ける引力 F

■ 次の4つの電場を考える。

@ 正電荷と導体球が作る電場

A 鏡映法での、3つの点電荷が作る電場

B 導体球が作る電場(@から、元々の正電荷が作る電場を除く)

C 鏡映法で、元々の正電荷が作る電場を除いた電場

@とAは、導体球内部を除く領域で同じになることがわかっている。

正点電荷が導体球から受ける引力を考えるときには、自分自身が作る電場を除かないといけないから、@を使うのではなく、Bを考えなければならない。BとCは、@とAの同じ電場から、元々の正点電荷が作る電場を取り除いたものだから、導体球内部を除く領域で同じになる。

正点電荷が導体球から受ける引力は、Cで、正点電荷が、残りの2つから受ける力を考えればよい。

  Aーーーー(ー-B-ーOーーーー)

 引力 F=ke*q*(q/k)*[1/AB^2-1/AO^2]=ke*(q^2*R/l)*[1/AB^2-1/AO^2]

ここで AO=l AB=AO-BO=l-R^2/l=(l^2-R^2)/l

 1/AB^2-1/AO^2=l^2/(l^2-R^2)^2-1/l^2 だから、

 F
=ke*(q^2*R/l)*l^2/(l^2-R^2)^2-ke*(q^2*R/l)/l^2
=ke*q^2*l*R/(l^2-R^2)^2-ke*q^2*R/l^3

》引力 F=ke*q^2*[l*R/(l^2-R^2)^2-R/l^3_

■ 導体球の電位 V=ke*q/l を使って書き直せば、

 F
=ke*q^2*l*R/(l^2-R^2)^2-q*V*R/l^2
=[1/(4Pi*ε0)]*q^2*l*R/(l^2-R^2)^2-q*V*R/l^2 _

★ l=2*R のとき、

 l*R/(l^2-R^2)^2=2*R^2/(9*R^4)=(2/9)/R^2

 R/l^3=(1/8)/R^2

 l*R/(l^2-R^2)^2-R/l^3=(1/R^2)*(2/9-1/8)=(7/72)/R^2

 F=(7/72)*ke*q^2/R^2

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