物理 電磁気 2018/6-2012/2 Yuji.W

平行平板コンデンサー ☆

◎ コンデンサー  静電容量 静電エネルギー 平行平板コンデンサー 円筒 球殻 condenser capacitor _ 00

◇ ベクトル <A> 内積 * 外積 # 10^x=Ten(x) 微分 ;x 時間微分 ' 積分 $
 
ネイピア数 e e^x=exp(x) i^2=-1 e^(i*x)=exp(i*x)=expi(x)

デカルト座標単位ベクトル <x>,<y>,<z> 球座標単位ベクトル <ru>,<a>,<b>

◇ 電磁気.国際単位系 クーロン力定数 ke=1/(4Pi*ε0) 〔 物理定数
 磁場 <B> 磁場(光速倍) <cB> ベクトルポテンシャル <A>
CGS静電単位系 ke=1_無次元 <Bcgs>=<cB> <Acgs>=c*<A>
 
[国際単位系B=1_T]⇔[CGS静電単位系Bcgs=10000_G] 〔 電磁気単位

〓 コンデンサー 〓 

■ コンデンサーは、電気を少し貯めておくのに使われる。

 静電容量 Ten(-9)~Ten(-3)_F 耐電圧 2.5V〜10000V

★ 静電容量 Ten(-3)_F 電圧 2_V 貯まる電荷=2*Ten(-3)_C {比較} 単三電池 2000_C

〓 平行平板コンデンサー 〓 

◆ 2枚の平行平板導体 電荷 Q,-Q 平板の面積 A 平行平板の間隔 s

s^2<<A 電場は平板間にだけでき、その方向は平板に垂直であるとみなす。

コンデンサー内の電場 E 電位差 V 静電容量 C

■ (+Qの平板が作る電場)=2Pi*ke*(Q/A) 平板に垂直

 (-Qの平板が作る電場)=-2Pi*ke*(Q/A) 平板に垂直

2つの電場の重ね合わせ、方向に注意して、

 (コンデンサー外の電場)=0 E=4Pi*ke*(Q/A)

 V=E*s=4Pi*ke*Q*s/A

 Q={[1/(4Pi*ke)]*A/s}

 静電容量 C=Q/V=[1/(4Pi*ke)]*A/s=ε0*A/s .

〓 {計算例}平行平板コンデンサー 〓 

◆ 2枚の平行平板導体 平行平板の間隔 s=0.8_cm 電位差 V=240_V 電場 E

電子に働く力 F 力を受ける時間 Δt=6.94*Ten(-9)_sec 力積 F*Δt

■ V=240_V=240/[\c*Ten(2)]~0.8_静電ボルト

 E=V/s=0.8/0.8=1_静電ボルト

 F=e*E=[4.80*Ten(-10)]*1=4.80*Ten(-10)_dyn

 F*Δt=[4.80*Ten(-10)]*[6.94*Ten(-9)]=3.33*Ten(-18)_dyn*sec

〓 {計算例2}平行平板コンデンサー 〓 

◆ 2枚の平行平板導体 C=100_pF s=1_cm V=10_V

充電した後、平板間を 1*Ten(-12)_A の電流が流れる 電位差が 0 になる時間 Δt

Δt

 Q=100*10=1*Ten(-9)_C

 Δt=1*Ten(-9)/1*Ten(-12)=1000_sec=16_min 20_sec

〓 コンデンサーが持つ静電エネルギー 〓

◆ コンデンサー 静電容量 C 電荷 q,-q 電位差 v 最終電荷 Q,-Q 最終電位差 V 静電エネルギー U コンデンサー内の電場 E

■ 電荷 +q,-q と貯まっているとき 電位差 v=q/C

その電位差に逆らって、微少電荷 dq を移動させるのに必要なエネルギー dU

 dU=v*dq=(q/C)*dq

 U=${(q/C)*dq}[q:0~Q]=(1/C)*[q^2/2][q:0~Q]=(1/2)*Q^2/C .

V と C で表せば U=(1/2)*C*V^2

E と C で表せば U=(1/2)*C*s^2*E^2

■ 平行平板コンデンサーで C=[1/(4Pi*ke)]*A/s

 U=(1/2)*{[1/(4Pi*ke)]*A/s}*s^2*E^2=[1/(8Pi*ke)]*E^2*(A*s)

平行平板コンデンサーの電場はコンデンサー内にしかない。エネルギーは電場にあるとすると、

 単位体積当たりのエネルギー=U/(A*s)=[1/(8Pi*ke)]*E^2 .

〓 {計算例}平行平板コンデンサー 〓 

★ A=1_cm^2 s=1_mm 静電容量 C

国際単位系で C=ε0*A/s=[8.854*Ten(-12)]*Ten(-4)/Ten(-3)=0.885_pF

CGS静電単位系で C=[1/(4Pi)]*1/0.1=0.796_cm

★ 円板コンデンサー 直径 15_cm 距離 0.04_mm

国際単位系で C
=[Ten(-9)/(4*\c^2)]*0.075^2/[4*Ten(-5)]
=3.91*Ten(-9)_F

CGS静電単位系で C=(1/4)*7.5^2/0.004=3.52*Ten(3)_cm

★ 円板コンデンサー R=0.10_m V=2_V Q=2.5*Ten(-11)_C

 C=Q/V=2.5*Ten(-11)/2=12.5_pF

 σ=Q/(Pi*R^2)=2.5*Ten(-11)/(Pi*0.01)=7.96*Ten(-10)_C/m^2

 E
=4Pi*ke*σ
=σ/ε0
=7.96*Ten(-10)/[8.854*Ten(-12)]
=89.9_V/m

 s=V/E=2/89.9=0.022_m

 ΔU=(1/2)*C*V^2=(1/2)*[12.5*Ten(-12)]*2^2=25*Ten(-12)_J

〓 {復習}円板電荷の静電エネルギー 〓 

◆ 円板電荷 半径 R 電荷面密度 σ=一定 全電荷 Q=Pi*R^2*σ 静電エネルギー(こういう状態を作るのに必要なエネルギー) U

■ U=(8Pi/3)*ke*σ^2*R^3=[8/(3*Pi)]*ke*Q^2/R~0.849*ke*Q^2/R

〓 コンデンサーに働く力 〓 

. 任意の形のコンデンサーに働く力

◆ コンデンサー 全電荷 Q=一定 静電容量はある長さの関数だとする C(s)

静電エネルギー U(s) コンデンサーに働く力 F(s)

■ U(s)=(1/2)*Q^2/C(s)

 F(s)=U(s);s=(1/2)*Q^2*{[1/C(s)];s} .

★ 平行平板コンデンサー 2枚の導体の間隔 s C(s)=[1/(4Pi*ke)]*A/s

 [1/C(s)];s=(4Pi*ke/A)*(s;s)=4Pi*ke/A

※ F(s)=U(s);s を使うときには 他からエネルギーが供給されない場合を考えなくてはいけない。したがって、電位差を維持する装置(電池など)は、外す場合を考える必要がある。

〓 平行平面コンデンサーにかかる力、Q=一定 〓 

. コンデンサーは正電荷と負電荷が向き合っているのだから、つぶれようとする。

ーー+++++ Q
|
V   ↓E
|
ーー-------- -Q

◎ Q=一定 の場合 つぶれようとする力を求める

◆ 平行平板コンデンサー 電位差 V 電荷 Q,-Q 平板の面積 A=一定 平行平板の間隔 s

 E=(4Pi*ke/A)*Q V=(4Pi*ke/A)*Q*s C=[A/(4Pi*ke)]/s

 U=(2Pi*ke/A)*Q^2*s 平板間の引力 F

電位差を維持するもの(電池など)をはずし Q=一定 の場合を考える。

■ 一方の平板が他方の平板の位置に作る電場=2Pi*ke*Q/A

 引力 F=Q*(2Pi*ke*Q/A)=2Pi*ke*Q^2/A .

■{別解} 静電エネルギーの増減を考える。

電位差を維持するもの(電池など)をはずし Q=一定 の場合を考える。

 U=(2Pi*ke*Q^2/A)*s

 s を s+Δs とすると ΔU=(2Pi*ke*Q^2/A)*Δs

コンデンサーの間隔を広げると、静電エネルギーは増える。したがって、コンデンサーは間隔を狭めようとする。

 引力 F=ΔU/Δs=2Pi*ke*Q^2/A .

★ V=3000_V=10_静電ボルト A=400_cm^2 s=3_cm

 C=[1/(4Pi*ke)]*A/s=[1/(4Pi*1)]*400/3=100/(3Pi)_cm~Ten(-9)_F

 Q=C*V=[100/(3Pi)]*10=1000/(3Pi)_esu

 F
=2*Pi*ke*Q^2/A
=2*Pi*1*[1000/(3Pi)]^2/400
=2*Pi*1*1000000/(9*Pi^2*400)
=10000/(18*Pi)
=177_dyn
~0.002_N
~0.2_g重

 U=177*3=531_erg

★ 静電容量 C=Ten(-3)_F 電圧 V=2_V s=1_mm=Ten(-3)_m

 F=2_N~200_g重

〓 平行平面コンデンサーにかかる力、V=一定 〓 

◎ V=一定 の場合 引力 F ? 電荷が移動するので、その分のエネルギーの増減を考える必要がある。

◆ 平行平板コンデンサー 電位差 V 電荷 Q,-Q 平板の面積 A=一定 平行平板の間隔 s

電位差を維持する装置(電池など)はつけたまま V=一定 の場合を考える。

■ V=(4Pi*ke/A)*Q*s より Q=[V*A/(4Pi*ke)]/s

 U
=(2Pi*ke/A)*Q^2*s
=(2Pi*ke/A)*{[V*A/(4Pi*ke)]^2/s^2}*s
=[V^2*A/(8Pi*ke)]/s

s を s+Δs とすると、

 Δ(1/s)=1/(s+Δs)-1/s=1/[s*(1+Δs/s)]-1/s=(1-Δs/s)/s-1/s=-Δs/s^2

 ΔU=[V^2*A/(8Pi*ke)]*Δ(1/s)=-[V^2*A/(8Pi*ke)]*Δs/s^2

コンデンサーの間隔が広がると、静電エネルギーは減る。ここで考えないといけないのは、電荷の量が変化することである。

 ΔQ=[V*A/(4Pi*ke)]*Δ(1/s)=-[V*A/(4Pi*ke)]*Δs/s^2

 (電圧 V=一定 のまま、ΔQ の変化を起こすのに必要なエネルギー)
=V*ΔQ
=-[V^2*A/(4Pi*ke)]*Δs/s^2

 (電荷の移動によって、系に与えられるエネルギー)=+[V^2*A/(4Pi*ke)]*Δs/s^2

 (系全体のエネルギーの変化量)
=+[V^2*A/(4Pi*ke)]*Δs/s^2-[V^2*A/(8Pi*ke)]*Δs/s^2
=+[V^2*A/(8Pi*ke)]*Δs/s^2

コンデンサーの間隔が広がると、系全体のエネルギー量は増える。したがって、コンデンサーは間隔を狭めようとする。

 引力 F=(系全体のエネルギーの変化量)/Δs=[V^2*A/(8Pi*ke)]/s^2

V=(4Pi*ke/A)*Q*s だったから、

 引力 F=[(4Pi*ke/A)*Q*s]^2*[A/(8Pi*ke)]/s^2=2Pi*ke*Q^2/A .Q=一定 として考えた場合、V=一定 として考えた場合と、結論は一致する。{すばらしい!2016/11}

〓 摩擦電気 〓 

◎ 摩擦電気の電位差はなぜ大きいのか

■ 例えば、絹とガラスをこすり摩擦電気を作る。いったんできた電荷は、ある程度の時間、保存される。保存されている状態で、絹とガラスを離す。

 E=4Pi*ke*Q/A V=4Pi*ke*Q*s/A

電荷一定のまま、平行平板コンデンサーの間隔を広げることに近似できる。電場 E は変化しないまま、平行平板の距離が大きくなる。電位差が大きくなる。最初の間隔は、非常に小さいから、電位差は非常に大きくなる。

■ 電圧を一定に保ったまま(例えば、電池につないだまま)、間隔を広げる場合

 V=4Pi*ke*Q*s/A

s:増加 V=一定 だから 電荷:減少 電荷は電池に戻っていく

 E=4Pi*ke*Q/A

電場:減少 エネルギー:減少 減った分のエネルギーは、電池に戻る

〓 平行3平面コンデンサーにかかる力 〓 

◎ 「バークレー電磁気」問題3.18

◆ 「コ」の字型の導体の間に、正電荷を持つ長方形の導体を入れる。

       ++
|ーー---
|
|  
++ーーー
|
|ーー
---
       ++

静電気による力を考える。重力は考えない。上図で、長方形導体には、上下方向のみ力が働くように思える。ところが、長方形導体には、左向きに、コの字の中に引き込む力が生じる。なぜか ? 力の大きさ ?

コの字導体と平板導体が上下に重なっている部分の長さ a 導体の幅(紙面に対して奥行き) b 間隔 s と s

電荷は、3枚の平板導体が重なっている部分にだけ誘起されるとする。長方形には +Q、コの字型の内側には、-Q と -Q が誘起されるとみなす。

導体と絶縁体の間の電場 E 電位差 V=E*s 静電エネルギー U(a) 導体と絶縁体の間に働く引力 F(a)=-U(a);a

■【 F(a) 】

  E=4Pi*ke*(Q/b)/a

 U(a)
=[1/(8Pi*ke)]*E^2*(電場の体積)
=[1/(8Pi*ke)]*[4Pi*ke*(Q/b)/a]^2*(2*s*a*b)
=4Pi*ke*(Q^2*s/b)/a

 U(a)=4Pi*ke*(Q^2*s/b)/a .

a が大きくなると、静電エネルギーは小さくなる。平板導体に働く力は引力になる。

 F(a)=-U(a);a=4Pi*ke*(Q^2*s/b)/a^2

≫ F(a)=4Pi*ke*(Q^2*s/b)/a^2 .

■【 V を F,s,a,b で表す 】

 F(a)=4Pi*ke*(Q^2*s/b)/a^2 & V=E*s=4Pi*ke*(Q*s/b)/a

Q を消去して、

 F
=4Pi*ke*[V*a*b/(4Pi*ke*s)]^2*(s/b)/a^2
=V^2*b/(4Pi*ke*s)

 V^2=4Pi*ke*F*s/b

 V=2*root(Pi*ke*F*s/b) .

〓 コンデンサーの放電 〓 

「放射性崩壊.ランダム現象」 2015/7

◆ 粒子の崩壊 時刻 t の粒子数 N(t) N(0)=N0

崩壊しない確率 N/N0 崩壊する確率=1-N/N0

■ 3つの定数

@ 崩壊定数(単位時間(1秒)に崩壊する確率) λ

A 半減期 T2. 元々ある原子の半分が放射性崩壊するのにかかる時間

B 平均時間 Tau 崩壊を起こさずに生き残る時間の平均

 (λ_1/sec)*(Tau_sec)=1 (λ_1/sec)*(Tau_年)=3.169*Ten(-8)_年/sec

 Tau=1.443*T2. T2.=0.693*Tau

■ N(t)'=-λ*N(t)

 N(t)/N0=(1/e)^(λ*t) N(t)/N0=(1/e)^(t/Tau) N(t)/N0=(1/2)^(t/T2.)

※ λ,Tau,T2. は 時間 t の単位と同じものを使う必要がある

放射能 Ra 放射性物質が1秒間に崩壊する原子の個数 [Bq]=[_sec]=[ベクレル]

 Ra=N0*λ

◎ コンデンサーに電荷が貯まっている。回路を繋ぎ、放電させる。回路に抵抗があれば、時間がかかる。

◆ コンデンサの電気容量 C コンデンサーの電荷 +Q(t),-Q(t)

コンデンサー間の電圧 V(t) 回路の抵抗 R 流れる電流 I(t)

時刻 t=0 で Q(0)=Q0 V(0)=V0 I(0)=I0

■ Q(t+dt)-Q(t)=-I(t)*dt Q(t)=C*V(t) V(t)=I(t)*R

以上3つの式から Q(t+dt)-Q(t)=-Q(t)*dt/(R*C)

 Q(t)'=-Q(t)/(R*C)

放射性崩壊の場合と同様になって、

 平均時間 Tau=R*C 半減期 T2.=ln(2)*Tau Q0=C*V0 V0=I0*R

 Q(t)/Q0=V(t)/V0=I(t)/I0=(1/e)^(t/Tau) 

 Q(t)/Q0=V(t)/V0=I(t)/I0=(1/2)^(t/T2.) 

「コンデンサーの放電」 2015/7 ◎ 放射性崩壊と同様に扱える

◆ コンデンサの電気容量 C コンデンサーの電荷 +Q(t),-Q(t)

コンデンサー間の電圧 V(t) 回路の抵抗 R

t=0 で Q0,V0,I0

■ Q(t)'=-Q(t)/(R*C) 平均時間 Tau=R*C 半減期 T2.=ln(2)*Tau

 Q(t)/Q0=V(t)/V0=I(t)/I0=(1/e)^(t/Tau)

 Q(t)/Q0=V(t)/V0=I(t)/I0=(1/2)^(t/T2.)

★ C=1_μF Tau=1_msec

 R=[1*Ten(-3)]/[1*Ten(-6)]=Ten(3)_Ω

★ 1/10=Q(t)/Q0=(1/e)^(t/Tau)

10 を底とする対数をとると、

 -LOG(10)=-(t/Tau)*LOG(e)=-(t/Tau)*ln(e)/ln(10)

 1=(t/Tau)/ln(10)

 t/Tau=ln(10)~2.303

★ I0=1_μA V0=5_V R=V0/I0=5*Ten(6)_Ω 1000_sec で V(1000)=5*0.9_V

 0.9=V(1000)/V0=(1/e)^[1000/(R*C)]

対数をとると ln(0.9)=-1000/(R*C)

 R*C=-1000/ln(0.9)~-1000/-0.1=+Ten(4)

 C=+Ten(4)/[5*Ten(6)]=2*Ten(-3)_F

★ C=0.01_F V0=6_V R=6000_Ω

 Q=0.01*6=0.06_C I0=6/6000=0.001_A 10秒で約 0.01_C

 R*C=6000*0.01=60_sec

 E=(1/2)*C*V^2=(1/2)*0.01*36=0.18_J

6_V で 1_W I=1/6_A R=6/(1/6)=36_Ω Tau=R*C=36*0.01=0.36_sec

お勉強しよう 2018-2011 Yuji Watanabe ☆

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