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◎ トラス構造 つり合い トルク 力のモーメント |
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〔表記2015/06/16〕ベクトル<> 座標単位ベクトル<xu>,<yu>,<zu> 内積* 外積# |
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■ トラス構造 truss 柱(部材)を組み合わせて構造物を作る。三角形が基本単位になる。 次のような「お約束」がある。 ・ 一般に、2次元平面上の構造物を考える。 ・柱の重さを考えない。 ・柱同士は、摩擦のない、ちょうつがいで繋がっていて、自由に角度を変える事ができる。(節点) ・柱は変形しない。ただし、縮めようとすれば、押し戻そうとする力が生まれ、引っ張ろうとすれば、引き戻そうとする力が生まれる。柱に対して横向きの力は生じない。柱をなじるような力も生じない。力の方向は、柱の方向と一致する。(軸力) ひとつの柱は、その両端にある節点を、等しい力で、その柱の方向に、引っ張るか、押し戻す。 ・ 構造物全体を支える力を、複数の節点に加える。(支点) ・トラス構造全体がつり合っている。水平方向のつり合い、鉛直方向のつり合い、トルクのつり合いの式が作れる。 ・ それぞれの接点でつり合っている。水平方向のつり合い、鉛直方向のつり合いの式が作れる。 ■ 複数の節点に力を加えたときに、それぞれの柱(部材)に、どういう引力または斥力が働くかを求めたい。 解く時のコツ @ 構造物全体の力のつり合いを考える。支点にかかる力を求める事ができる。 A それぞれの節点にかかる力のつり合いを考える。水平方向、鉛直方向があるから、節点の数の2倍の式ができる。その連立方程式を作れば解けるのだが、それは面倒であるので、次のようにする。 ジグゾーパズルを解く時のように、簡単に力の大きさを求められる節点を探す。支点になっている節点が求めやすいだろう。求められたら、隣にある節点のつり合いを考える。簡単に求められる事が多い。簡単に求められなくても、2元連立方程式を作れば求められるだろう。以上を繰り返して、順々に、それぞれの節点にかかる力を求める事ができる。 B 柱(部材)にかかる力の大きさは、トラス構造全体にかかる外力に比例するだろう。したがって、外力の大きさに対する比を求めればすむ。計算が楽になるように、外力の大きさを適当に定めて、支点にかかる力、柱にかかる力を求めて、最後に、比に直せばよい。 |
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◆ 7本の柱(部材)の長さはみな等しい。正三角形3つできている。 下向きにに外力 P を加える。構造物全体は、2つの支点 A , E で、支えられている。 P=0 のとき、柱の重さは考えていないから、どこにも力は働かない。 支点 E は、ローラーをつけるなどして、鉛直方向の抗力 N2 のみが発生するようにする。水平方向の力はない。したがって、構造物全体のつり合いを考えれば、外力 N1 も鉛直方向のみの力になる ★ {核心!} ◇ 柱(部材)@に生じる力の大きさ @ 以下、どの柱に生じる力も同じように表示する ■ 外力 P の大きさを適当に定める。分母の有理化をするのは面倒だから、有理化しないですむように P=4*root3 と定めることにする。答が出たら、比を求めればよい。 構造物全体を考え、支点にかかる力を求める。 N1 , N2 は鉛直方向のみであるから、鉛直方向のつり合いの式と、トルク(力のモーメント)の式より、 4*root3=P=N1+N2 N1:N2=1:3 ⇒ N1=root3 , N2=3*root3 支点 A で、 鉛直方向 @*roo3/2=N1=root3 ⇒ @=2 斥力 水平方向 A=@/2=1 引力 支点 B で、 鉛直方向 @*root3/2=B*root3/2 ⇒ B=@=2 引力 水平方向 C=@/2+B/2=2 斥力 以下、同様に求める。結果、 @=2 斥力 A=1 引力 B=2 引力 C=2 斥力 D=2 斥力 E=3 引力 F=6 斥力 {確かめ} 支点 E で、 水平方向 E-F/2=3-6/2=0 鉛直方向 N2-F*root3/2=3*root3-6*root3/2=0 つり合っている{!} 以上の値は、P=4*root3 と勝手に定めた場合の値だから、任意の値 P に対しては、 @/P=B/P=C/P=D/P=2/(4*root3)=root3/6 A/P=root3/12 E/P=root3/4 F/P=root3/2 ★ |
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◆ 3本の長さの等しい柱を組み合わせて、下図のような構造物を作る。かすがいCを入れて倒れないようにする。かすがいCは、柱Aと@のそれぞれの中点とくっついている。
力 P を水平方向に加える。かすがいは伸ばされるので、それを引き戻そうとする力が生まれる。それを N とする。N の水平方向成分を Nx とする。 P=0 のとき、どこにも力は生まれない。力 P を加えると、かすがいに働く力 N はどうなるか? ■ 以下のように仮定する。 ・柱やかすがいの重さはない。 ・柱やかすがいは変形しない。ただし、縮めようとすれば、押し戻そうとする力が生まれ、引っ張ろうとすれば、引き戻そうとする力が生まれる。 ・柱同士は、摩擦のない、ちょうつがいで繋がっていて、自由に角度を変える事ができる。 ・それぞれの柱やかすがいで、つり合いの式が成り立つ。今の問題では、水平方向のつり合い、鉛直方向のつり合い、力のモーメントのつり合いの式が作れる。 ■ 以下、水平方向に働く力のみを考える。 柱@ 力のモーメントより Nx=2*F 柱A 水平方向のつり合いより P+F=Nx かすがいC N=root2*Nx @ABより Nx=2*P N=2*root2*P~2.818*P ★ 3倍近い力がかかる {やっと理解できた!2015/5} ■ 仮想仕事の原理を使って求めよう。 力 P を加える事により、かすがいは伸びるように力が働き、かすがいの中には、縮もうとする力が生じる。 柱Aが右へ 微少量 Δx だけ移動したとして、 P が柱Aにした仕事=P*Δx Nx が柱Aにした仕事=-Nx*Δx 力の方向と動きの方向が逆 Nx が柱@にした仕事=Nx*Δx/2 仮想仕事の原理より P*Δx-Nx*Δx+Nx*Δx/2=0 Nx=2*P N=root2*Nx だったから N=2*root2*P ★ |
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◎ ファインマンの問題 ◆ 柱(部材)11本を組み合わせて、次の構造物を作る。 柱の長さ 水平な柱 6m 斜めの柱 5m 節点 E に外力 W 支点 A,G 支点 G は、支える土台との間にローラーを設け、鉛直方向の抗力のみが働くとする。 ■ 斜めの柱の軸力 1 とすると、その水平成分 3/5 その鉛直成分 4/5 となる。 それぞれの柱の軸力は、外力 W に比例するから、W の大きさを適当に定め、最後に、それとの比を求めればよい。ここでは W=12 とする。(分数にならないようにしている) 構造物全体のつり合いを考える 外力 W と、支点 G にかかる外力は、鉛直方向だけだから、支点 A にかかる外力も鉛直方向のみになる。{核心!} 鉛直方向 N1+N2=W=12 トルク(力のモーメント) N1:N2=1:2 N1=4 , N2=8 次に、7個の節点でのつり合いを考えるのだが、最も簡単な所から順に考えて、 節点 G で 鉛直方向 J*4/5=N2=8 ⇒ J=10 斥力 水平方向 I=J*3/5=10*3/5=6 引力 節点 F で 鉛直方向 H*4/5=J*4/5 ⇒ H=J=10 引力 水平方向 G=H*3/5+J*3/5=10*3/5+10*3/5=12 斥力 節点 E で 鉛直方向 F*4/5=W-H*4/5=12-10*4/5=4 ⇒ F=5 引力 水平方向 E=I+H*3/5-F*3/5=6+10*3/5-5*3/5=6+6-3=9 引力 以下、同様に考えていって、 D=5 斥力 C=6 斥力 B=4 引力 A=3 引力 @=5 斥力 {確かめ} 節点
A で 水平方向 A-@*3/5=3-5*3/5=0 ----- まとめ ----- @=5 斥力 A=3 引力 B=4 引力 C=6 斥力 D=5 斥力 E=9 引力 F=5 引力 G=12 斥力 H=10 引力 I=6 引力 J=10 斥力 水平方向下部の柱AEIは、伸ばされるように外力が働くから、引力が生じている。 以上の値は、W=12 としたときの値だから、その比は次のようになる。 @/W=5/12 A/W=1/4 B/W=1/3 C/W=1/2 D/W=5/12 E/W=3/4 F/W=5/12 G/W=1 H/W=5/6 I/W=1/2 J/W=5/12 柱Gには、外力 W と同じ大きさの力が働く{!} {解けた!最初はちんぷんかんぷんだったけど、トラスの原理を理解したら、うまく解けていった!2015/5} |
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◎ ファインマンの問題 ◆ 柱(部材)11本を組み合わせて、次の構造物を作る。 全重量 W=3*root3/2 すべての柱の長さは等しいとする ※ 図の数字は間違っている 支点A,Gには、鉛直方向のみに抗力が働くとする 例えば、柱Eに働く力を Eと表す 水平方向:x軸 鉛直方向:y軸 ■ N2=root3 J=2 斥力 H=2 引力 G=2 斥力 G/W=2/(3*root3/2)=4*root3/9 |
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★ トラス構造のつり合い ★ |