1質点円運動の回転半径と回転エネルギー 剛体 回転エネルギー _2018.1

【演算】積 * 商 / 10^x=Ten(x) ネイピア数 e 虚数単位 i e^(i*x)=expi(x)
【微積分】微分 ;x 時間微分 ;t 時間微分 ' 積分 $
【ベクトル】ベクトル <A> 
内積 * 外積 # |<A>|=A <A>/A=<Au>

【座標】デカルト座標単位ベクトル <xu>,<yu>,<zu>
円柱座標 (h,a,z)_C <Ah Aa Az>_C 座標単位ベクトル <hu>,<au>,<zu>
球座標 (r,a,b)_S <Ar Aa Ab>_S 座標単位ベクトル <ru>,<au>,<bu>

〓 1質点円運動の回転エネルギー 〓 .

◆ 質量 m 位置 <r> 角速度 <w>

<r>'=<w>#<r> 回転エネルギー Kr

● (<A>#<B>)^2=(<A>#<B>)*(<A>#<B>)=A^2*B^2-(<A>*<B>)^2

■ (<r>')^2=(<w>#<r>)^2=w^2*r^2-(<w>*<r>)^2

 Kr=(1/2)*m*[w^2*r^2-(<w>*<r>)^2]

■ <w>=<z>*wz <r>=<x y z> のとき、

 (<r>')^2=wz^2*(x^2+y^2+z^2)-wz^2*z^2=(x^2+y^2)*wz^2

 Kr=(1/2)*m*(x^2+y^2)*wz^2

〓 1質点円運動の回転エネルギー 〓 .

◆ 質量 m 円運動 角速度 <w>=<z>*wz 質点の、z軸からの距離 r.

z軸に対する慣性モーメント Iz=m*r.^2 回転エネルギー Kr

■ Kr=(1/2)*Iz*wz^2

〓 1質点の円運動の回転半径を変える 〓 .

◆ 1質点 質量 m xy平面上、z軸の周りを円運動

回転している質点を回転軸側に引っ張り、回転半径を小さくする

回転半径 r0,r 角速度 w0,w z軸に対する慣性モーメント I0,I

z軸に対する角運動量 L0,L 回転エネルギー K0,K

■ 初め I0=m*r0^2 L0=I0*w0 K0=(1/2)*I0*w0^2

途中および最後 I=m*r^2 L=I*w K=(1/2)*I*w^2

 I/I0=(m*r^2)/(m*r0^2)=(r/r0)^2

■ 加える力は回転軸を通るから、その回転軸に対するトルクは生じない。角運動量は保存される。

 1=L/L0=(I*w)/(I0*w0)=(m*r^2*w)/(m*r0^2*w0)=(r^2*w)/(r0^2*w0)

 w/w0=(r0/r)^2 _

回転半径が小さくなれば、角速度は大きくなる

■ K/K0
=[(1/2)*I*w^2]/[(1/2)*I0*w0^2]
=(I/I0)*(w/w0)^2
=(r/r0)^2*(r0/r)^4
=(r0/r)^2 _

----- まとめ -----

 I0=m*r0^2 L0=I0*w0 K0=(1/2)*I0*w0^2

 I/I0=(r/r0)^2 L/L0=1 w/w0=(r0/r)^2

 K/K0=(r0/r)^2 K-K0=K0*[(r0/r)^2-1]

〓 1質点の円運動の回転半径を変えるときの仕事 〓 .

質点を回転軸側に引っ張る力 F その力がする仕事 W

■ 回転する質点をゆっくり内側に引き寄せる。中心軸方向への速さが生じないようする。

 F=m*r*w^2=m*r*[w0*(r0/r)^2]^2=m*r0^4*w0^2/r^3

力の方向と半径の方向は逆であることに注意して、

 W
=-${F*dr}[r:r0~r]
=-m*r0^4*w0^2*${dr/r^3}[r:r0~r]
=-m*r0^4*w0^2*[-(1/2)/r^2][r:r0~r]
=-(1/2)*m*r0^4*w0^2*(1/r0^2-1/r^2)
=+(1/2)*m*r0^2*w0^2*[(r0/r)^2-1]

ここで K0=(1/2)*I0*w0^2=(1/2)*m*r0^2*w0^2 だから、

 W=K0*[(r0/r)^2-1] _

回転エネルギーの差 K-K0=K0*[(r0/r)^2-1] と一致している。 _

{素晴らしい!2018/1}

〓  〓 

▢ ◇回転半径を小さくすると◇
◎ 質点にひもをつけ、円運動をさせる。ひもを引っ張り、回転半径を半分にした場合のエネルギーの増減を考えよう。
▢ 等速円運動 質量 m 回転半径 r0 角速度 w0 運動エネルギー K0
 K0=(1/2)*m*r0^2*w0^2
回転半径 r のとき 角速度 w(r) 運動エネルギー K(r)=(1/2)*m*r^2*w(r)^2
ひもを中心に向け、ゆっくり引っ張る。
 力 F(r) ひもを引っ張るときにした仕事 W(r)
▷ ひもを引っ張る力は原点を通るから、原点に対するトルクは 0 ⇒
角運動量は保存される m*r0^2*w0=m*r^2*w(r) w(r)=w0*(r0/r)^2
回転半径を半分にすると、
 半径 1/2 角速度 4倍 ⇒ 運動エネルギー (1/2)^2*4^2=4_倍
運動エネルギーの増加量 ΔK
 ΔK=(1/2)*m*r0^2*w0^2*3=(3/2)*m*r0^2*w0^2〔★〕
▷ F(r)=m*r*w(r)^2=m*r*[w0*(r0/r)^2]^2=m*r0^4*w0^2/r^3
F(r) の向きと、r の向きは逆だから、
 W
=-${F(r)*dr}[r:r0~r0/2]
=-m*r0^4*w0^2*${(1/r^3)*dr}[r:r0~r]
=-m*r0^4*w0^2*[-(1/2)/r^2][r:r0~r]
=+(1/2)*m*r0^4*w0^2*(4-1)/r0^2
=(3/2)*m*r0^2*w0^2〔★〕
▲ ひもを引っ張ってした仕事が、運動エネルギーの増加になっている〔★〕
 運動エネルギー ∝ [(回転半径)*(角速度)]^2 だから、
回転半径が小さくなっているのに、運動エネルギーが増加したのは、角速度がより大きくなったからである。すなわち、
回転している質点を、その遠心力に逆らって、中心に引き寄せると、その分のエネルギーが運動エネルギーの増加になり、角速度が大きくなる。速く回転するようになる。〔★〕
▲ 「回転半径を小さくすると、速く回転するようになる。なぜか。角運動量が保存されるからだ。そして 角運動量 ∝ (回転半径)*(角速度) であるからだ。」という説明がよくある。そりゃそうなのだろうけど、いきなり、角運動量が出てきて納得できなかった。
エネルギーの増減を考えると、上記のように説明がつく。その方が分かりやすいと思う。エネルギーの方が、角運動量うんぬんより、まだ、イメージがわくと思う。
ただし、定量的に考えるときに、角運動量保存の式は使っている。{!2013/9}

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