物理 力学 2018/9-2012/12 Yuji.W
完全弾性衝突.質量の中心系-2- ☆
完全弾性衝突 3次元 質量の中心系 一方が静止 _

◇ ベクトル <A> 内積 * 外積 # 10^x=Ten(x) 微分 ;x 時間微分 ' 積分 $
ネイピア数 e e^x=exp(x) i^2=-1 e^(i*x)=exp(i*x)=expi(x)
 物理定数

〓 2粒子の衝突 〓

◎ 質量の中心系を考えると便利

◆ 2粒子 質量 m1,m2 位置 <r1>,<r2>

運動量 衝突前 <p1>,<p2> 衝突後 <\p1>,<\p2>

質量の中心 <G> 質量の中心の速度 <Vc>

質量の中心系で 運動量 衝突前 <p1G>,<p2G> 衝突後 <\p1G>,<\p2G>

■ 等速直線運動をしている2粒子が衝突する。正面衝突でなくてよい。斜めに衝突してもよい。衝突前の2粒子の軌道は、交わる2直線であるから、一平面上にある。

 2粒子の質量の中心 <G>=(m1*<r1>+m2*<r2>)/(m1+m2)

 <Vc>=<G>'=(<p1>+<p2>)/(m1+m2)

質量の中心を原点とし、回転してない系を質量の中心系とする。

 <p1G>
=<p1>-m1*<Vc>
=<p1>-m1*(<p1>+<p2>)/(m1+m2)
=(<p1>*m2-<p2>*m1)/(m1+m2)

 <p2G>
=<p2>-m2*<Vc>
=<p2>-m2*(<p1>+<p2>)/(m1+m2)
=-(<p1>*m2-<p2>*m1)/(m1+m2)

 <p1G>+<p2G>=0 .

質量の中心系では、2粒子は、一直線上を動き、原点で衝突する。 .

衝突した2粒子は、瞬間的に力を及ぼしあったあと、また、等速直線運動をして原点から遠ざかる。衝突後の2粒子の軌道は、一平面上にある。

衝突前の軌道を含む平面と、衝突後の軌道を含む平面は、一般に同一でない。

〓 完全弾性衝突.3次元-質量の中心系で 〓

◎ 質量の中心系で扱う 速度ではなく運動量で扱うと便利

◆ 2粒子 質量 m1,m2 換算質量 m.=m1*m2/(m1+m2)

質量の中心系で 運動量 衝突前 <p1G>,<p2G> 衝突後 <\p1G>,<\p2G>

相対速度 <v12>=<p1>/m1-<p2>/m2=<p1G>/m1-<p2G>/m2

粒子@の速度単位ベクトル 衝突前 <1Gu> 衝突後 <\1Gu>

■ 質量の中心系で、全運動量は 0 であるから、

 <p1G>+<p2G>=<\p1G>+<\p2G>=0

 p1G=p2G & \p1G=\p2G

また、運動エネルギーの和が保存される場合を考えているから、運動エネルギーの2倍は、

 p1G^2/m1+p2G^2/m2=\p1G^2/m1+p2G^2/m2

以上の式から p1G=p2G=\p1G=\p2G .{なるほどね!}

■ <v12>
=<p1G>/m1-<p2G>/m2
=<p1G>/m1+<p1G>/m2
=<p1G>*(1/m1+1/m2)
=<p1G>/m.

 <p1G>=m.*<v12> p1G=m.*v12

 p1G=p2G=\p1G=\p2G=m.*v12 .

{おもしろい!よくできてるなあ!2014/7}

〓 完全弾性衝突.3次元-質量の中心系から元の系に戻す 〓

◎ ランダウ流 2粒子3次元完全弾性衝突 質量の中心系の量を使って表す

◆ 2粒子 質量 m1,m2

運動量 任意の慣性系で <p1>,<p2> 質量の中心系で <p1G>,<p2G>

任意の慣性系での質量の中心の速度 <Vc>=(<p1>+<p2>/(m1+m2)

衝突前 <p1>=<p1G>+m1*<Vc> <p2>=<p2G>+m2*<Vc>

衝突後 <\p1>=<\p1G>+m1*<Vc> <\p2>=<\p2G>+m2*<Vc>

※ 外力なしの場合を考えているから、<Vc> は、衝突前も衝突後も変化しない

■ <\p1>
=<\p1G>+m1*<Vc>
=<\1Gu>*m.*v12+(<p1>+<p2>)*m1/(m1+m2)

 <\p2>
=<\p2G>+m2*<Vc>
=-<\1Gu>*m.*v12+(<p1>+<p2>)*m2/(m1+m2) 
.

{まとまりました!2014/5}

〓 速度ベクトル空間上で 〓

◎ 速度ベクトル空間を考える 普通の位置を表す座標ではない{!}

◆ 図示しよう。

質量の中心系の原点を O そこで、2粒子が衝突する

 <AB>=<p1>+<p2>=<\p1>+<\p2>=(m1+m2)*<Vc>

 <AO>=<AB>*m1/(m1+m2)=m1*<Vc>

 <OB>=<AB>*m2/(m1+m2)=m2*<Vc>

 <OC>=<\p1G>=-<\p2G> OC=p1G=p2G=\p1G=\p2G

<OC> は、空間的に任意の方向をとることができる。点C は、球面上にある。円ではない。

※ この図には、衝突前の個々の粒子の運動量は反映されていない。運動量の和が反映されているだけである。

■ <AC>=<AO>+<OC>=m1*<Vc>+<\p1G>=<\p1>

 <CB>=<OB>-<OC>=m2*<Vc>+<\p2G>=<\p2>

{うまくできてるなあ!2016/4}

『2粒子の完全弾性衝突』 2016/4

◆ 運動量 任意の慣性系で <p1>,<p2> 質量の中心系で <p1G>,<p2G>

その慣性系での質量の中心系の速度 <Vc>

完全質量 m. 相対速度 v12

質量の中心系の原点を O そこで、2粒子が衝突する

 <AB>=<p1>+<p2>=<\p1>+<\p2>=(m1+m2)*<Vc>

 <AO>=<AB>*m1/(m1+m2)=m1*<Vc>

 <OB>=<AB>*m2/(m1+m2)=m2*<Vc>

 <OC>=<\p1G>=-<\p2G> OC=p1G=p2G=\p1G=\p2G=m.*v12

<OC> は、空間的に任意の方向をとることができる。
点C は、球面上にある。円ではない。

■ <AC>=<\p1> & <CB>=<\p2>

〓 {復習}完全弾性衝突.1次元.一方が静止 〓

『完全弾性衝突.1次元』 2016/4

◆ 完全弾性衝突.1次元 運動量も運動エネルギーも保存される場合

■ v2=0 のとき、

 \v1/v1=(m1-m2)/(m1+m2) & \v2/v1=2*m1/(m1+m2)

★ v2=0 m1/m2<<1 のとき、

 \v1/v1=-(1-m1/m2)^2=-1+2*m1/m2

 \v2/v1=2*(m1/m2)/(1+m1/m2)=2*m1/m2

〓 完全弾性衝突.3次元.一方が静止 〓

◎ 質量の中心系の量を使って表す

◆ 運動量 <p1>,<p2>=0 質量の中心系で <p1G>,<p2G>

その慣性系での質量の中心系の速度 <Vc>=<p1>/(m1+m2)

質量の中心系の原点を O そこで、2粒子が衝突する

 <AB>=<p1>=<\p1>+<\p2>=(m1+m2)*<Vc>

 <AO>=<AB>*m1/(m1+m2)=m1*<Vc>

 <OB>=<AB>*m2/(m1+m2)=m2*<Vc>

 <OC>=<\p1G>=-<\p2G> OC=p1G=p2G=\p1G=\p2G=m.*v12

<OC> は、空間的に任意の方向をとることができる。点C は、球面上にある。円ではない。

粒子@の全運動量 <p1> に対する角 質量の中心系で aG 任意の慣性系で a1  「散乱角」と言うことができる

粒子Aの全運動量に対する角 質量の中心系で aG 任意の慣性系で a2

■【 a1 と aG 】

△OAC で、

 tan(a1)=OC*sin(aG)/[AO+OC*cos(aG)]=sin(aG)/[AO/OC+cos(aG)]

ここで AO/OC=AO/OB=m1/m2 だから、

 tan(a1)=OC*sin(aG)/[AO+OC*cos(aG)]=sin(aG)/[m1/m2+cos(aG)] .

★ aG=Pi/2 のとき tan(a1)=m2/m1

■【 a2 と aG 】

△OBC は二等辺三角形だから a2=(Pi-aG)/2 .

★ aG=Pi/2 のとき a2=Pi/4

〓 完全弾性衝突.3次元.一方が静止.運動量 〓

■【 aG と \p1 】

△OAC で \p1*sin(a1)=OC*sin(aG)

ここで OC/p1=OC/AB=m2/(m1+m2)

 \p1/p1=[sin(aG)/sin(a1)]/(1+m1/m2)

a1 と aG の関係は、

 tan(a1)=OC*sin(aG)/[AO+OC*cos(aG)]=sin(aG)/[m1/m2+cos(aG)]

 1/cos(a1)^2
=1+tan(a1)^2
=1+sin(aG)^1/[m1/m2+cos(aG)]^2
=[(m1/m2)^2+2*(m1/m2)*cos(aG)+1]/[m1/m2+cos(aG)]^2

 cos(a1)=[m1/m2+cos(aG)]/root[(m1/m2)^2+2*(m1/m2)*cos(aG)+1]

 sin(a1)
=tan(a1)*cos(a1)
=sin(aG)/root[(m1/m2)^2+2*(m1/m2)*cos(aG)+1]

 \p1/p1=root[(m1/m2)^2+2*(m1/m2)*cos(aG)+1]/(1+m1/m2) .

速さで表せば、

 |\v1/v1|=root[(m1/m2)^2+2*(m1/m2)*cos(aG)+1]/(1+m1/m2) .

{だいぶこういう計算に慣れてきたぞ!2014/6}

■【 aG と \p2 】

二等辺三角形△OBC で \p2=2*OB*sin(aG/2)

ここで OB=p1*m2/(m1+m2)=p1/(1+m1/m2) だから、

 \p2/p1=2*sin(aG/2)/(1+m1/m2) .

速さで表せば、

 \v2/v1
=(\p2/m2)/(p1/m1)
=(\p2/p1)*(m1/m2)
=[2*sin(aG/2)/(1+m1/m2)]*(m1/m2)
=2*sin(aG/2)/(1+m2/m1) 
.

※ 質量比が逆数になっている{!}

{まとめ}

 \p1/p1=|\v1/v1|=root[(m1/m2)^2+2*(m1/m2)*cos(aG)+1]/(1+m1/m2)

 \p2/p1=2*sin(aG/2)/(1+m1/m2)

 \v2/v1=2*sin(aG/2)/(1+m2/m1)

〔0<aG≦Pi -1≦cos(aG)<1 0≦sin(aG/2)〕

▲ aG=0 のとき、

 \p1/p1=1 \p2/p1=0 通り過ぎている場合(衝突とは言えない)

▲ aG=Pi のとき、

 \p1/p1=|\v1/v1|=|1-m1/m2|/(1+m1/m2) \p2/p1=2/(1+m1/m2)

 \v2/v1=2/(1+m2/m1) .1次元.正面衝突

さらに m1=m2 ならば \p1/p1=0 \p2/p1=1 \v2/v1=1

{aG=Pi のときが正面衝突!2016/4}

▲ aG=Pi/2 のとき、

 \p1/p1=root[1+(m1/m2)^2]/(1+m1/m2)

 \p2/p1=root2/(1+m1/m2) \v2/v1=root2/(1+m2/m1)

さらに m1=m2 ならば \p1/p1=\p2/p1=root2/2

▲ aG=Pi/2 & m1/m2=1/2 のとき、

 \p1/p1=(root5/2)/(3/2)=root5/3~0.75

 \p2/p1=root2/(3/2)=2*root2/3~0.94

{やっとまとまった!2016/4}

〓 完全弾性衝突.3次元.一方が静止 〓

『三角形.2辺挟角』 2016/4

■【 a,x ⇒ y 】y=cos(a)±root[x^2-sin(a)^2]

■【 a1 と \p1 】

△OAC で AC=\p1 OC=OB=AB*m2/(m1+m2)=p1*m2/(m1+m2)

 OA=AB*m1/(m1+m2)=p1*m1/(m1+m2)

 OC/OA=m2/m1

 AC/OA=cos(a1)±root[(m2/m1)^2-sin(a1)^2]

 \p1
=AC
=OA*{cos(a1)±root[(m2/m1)^2-sin(a1)^2]}
=p1*[m1/(m1+m2)]*{cos(a1)±root[(m2/m1)^2-sin(a1)^2]} 

 \p1/p1={cos(a1)±root[(m2/m1)^2-sin(a1)^2]}*m1/(m1+m2) .

■【 a2 と \v2 】

aG=Pi-2*a2 aG/2=Pi/2-a2 ※ 0<aG<Pi 0<a2<Pi/2

 \v2/v1=2*sin(Pi/2-a2)*m1/(m1+m2)=2*cos(a2)*m1/(m1+m2) .

〓 衝突後の2粒子が作る角 〓

■ 衝突後の2つの粒子進む方向の作る角 a1+a2

IF{ m1<m2 } 点A は、半径OBの円の内部にある。

 aG が任意の角をとるとき、全運動量に対する角 a1 も任意の角をとることができる

 a1+a2>Pi/2

IF{ m1>m2 } 点A は、半径OBの円の外部にある。

 aG が任意の角をとっても、全運動量に対する角 a1 の範囲は限られる。

 a1+a2<Pi/2

a1 が最大になるのは、<AC>⊥<OC> のときだから、

 [<v1>*m1^2/(m1+m2)+<\1Gu>*m.*v1]*(<\1Gu>*m.*v1)=0

 <v1>*<\1Gu>*m1+m2*v1=0

 cos(aG)=-m2/m1

このとき sin(a1_max)=OC/AO=m2/m1 <1

IF{ m1=m2 } a1+a2=Pi/2

■ 正面衝突のとき <\1Gu>=-<v1>/v1

 <\v1>=<v1>*(m1-m2)/(m1+m2)
 <\v2>=<v1>*2*m1/(m1+m2)

このとき \K2
=(1/2)*m2*<\v2>^2
=2*v1^2*m2*m1^2/(m1+m2)^2
=K1*4*m1*m2/(m1+m2)^2 粒子2が得る運動エネルギーの最大値

{ランダウの本は、このあたりの式がバンバン書いてあっておもしろい!2014/5}

〓 完全弾性衝突3次元-コンプトン効果- 〓

◎ コンプトン効果(光子と電子の衝突)を2粒子の衝突で考えてみる

● 光子のエネルギーの逆数の、衝突後と衝突前の差 1/\Ep-1/Ep
=[1-cos(全運動量に対する角)]/(m2*c^2) 電子の質量(衝突される方の質量) m2

◆ 2粒子完全弾性衝突 <v2>=0 m1<<m2 a1+2*a2=Pi

■ K1=(1/2)*m1*v1^2

 \K1
=(1/2)*m1*\v1^2
=(1/2)*m1*v1^2*[m1^2+m2^2+2*m1*m2*cos(aG)]/(m1+m2)^2

 1/\K1-1/K1
=[2/(m1*v1^2)]*{(m1+m2)^2/[m1^2+m2^2+2*m1*m2*cos(aG)]-1}
=[2/(m1*v1^2)]*2*m1*m2*[1-cos(aG)]
/[m1^2+m2^2+2*m1*m2*cos(aG)]
=[1-cos(aG)]*(4*m2/v1^2)/[m1^2+m2^2+2*m1*m2*cos(aG)]

 (4*m2/v1^2)/[m1^2+m2^2+2*m1*m2*cos(aG)]
=[4/(m2*v1^2)]/[(m1/m2)^2+1+2*(m1/m2)*cos(aG)]

m1/m2<<1 のとき aG=a1 だから

 (4*m2/v1^2)/[m1^2+m2^2+2*m1*m2*cos(aG)]=[4/(m2*v1^2)]

 1/\K1-1/K1=[4/(m2*v1^2)]*[1-cos(a1)] ∝ 1-cos(全運動量に対する角) 

{コンプトン効果らしき公式ができた!2014/5}

お勉強しよう 2018-2011 Yuji W. ☆

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