物理 力学  2018/2-2016/1 Yuji.W

☆ 角速度ベクトルの謎

角速度をベクトルとして扱っていいのか 空間上の回転 3次元の回転 _

【ベクトル】<A> 単位ベクトル <-u> 内積 * 外積 # 座標単位<x>,<y>,<z>
 円柱座標 <r.u>,<au>,<z> 球座標 <ru>,<au>,<bu>

【累乗】3^2=9 10^x=Ten(x) 【微積】xで微分 f(x);x 時間微分 ' 積分 $

ネイピア数ee^x=exp(x) 対数 log(a,x) log(e,x)=ln(x) log(10,x)=LOG(x)

虚数単位ii^2=-1 e^(i*x)=exp(i*x)=expi(x) 複素数zの共役複素数 \z

〓 角速度ベクトルはベクトルなのか? 〓 .

■ 角速度の大きさ=2Pi/回転周期 角速度の方向:回転軸の方向(回転が右回り)

角速度ベクトルをベクトルとして扱っていいのか?

ベクトルであれば <w1>+<w2>=<w2>+<w1> 和の順序を変えても同じ結果を生む。角速度ベクトルの和の順序を変えてもいいのか。

そもそも、回転軸の和とはどういう意味だろう?

■ 例えば 角速度 w=一定 として

 <w1>=<x>*w |<w1>|=w 回転軸:x軸 回転周期=2Pi/w

 <w2>=<y>*w |<w2>|=w 回転軸:y軸 回転周期=2Pi/w

和を考える。

 <w1>+<w2>=(<x>+<y>)*w |<w1>+<w2>|=root2*w

回転軸:x軸とy軸の二等分線 回転周期=2Pi/(root2*w)=root2*Pi/w 短くなる

本当にこうなるのだろうか?

回転軸が斜め45度になるのはわかる。回転周期は短くなるのだろうか?変わらない気もする{40年間ほど解けない謎だ!2016/1}

■ 無重力空間にバスケットボールを浮かせる。ボールの下側を突いて回転させる。

回転は <w1>=<x>*w と表す事ができるだろう。

ボールの右側を同じ力で突つくと <w2>=<y>*w

ボールの下側と右側を同時に突くと、

 <w1>+<w2>=(<x>+<y>)*w  |<w1>+<w2>|=root2*w

回転軸:x軸とy軸の二等分線 回転周期=2Pi/(root2*w)=root2*Pi/w 短くなる

{これでいいのだろうか!2017/10}

〓 空間上の回転 〓 .

{空間上の回転を考えるのは難しい。やっとわかってきた!2018/2}

■ 空間上の回転について、次の3種類の場合を区別して考える必要がある。

@ 自転軸の回転+自転軸が回転していく

A 空間上に固定された2つの回転軸での回転

例えば (x軸の周りに90°回転する)+(y軸の周りに90°回転する)

B 空間上に固定された2つの回転軸での回転、ただし、変位量が非常に小さい場合

〓 地球の回転 〓 .

@ (自転軸での回転)+(その自転軸が回転する)

◆ 体操競技の「1回転1ひねり」のように地球が回転したら、地球の表面はどのように動くだろうか。地球が自転軸の周りの1回転する間に、その自転軸が水平軸の周りを1回転する場合を考える。

北極が最初手前に来るように回転させ、順に、真下、真後ろ、元に戻るように回転する。そのときに、同じ角速度でひねりも加える、すなわち、普通の地球の自転も加える。1回転1ひねりである。45度ずつ、半回転させた図を作ってみた。北極、インドあたり、太平洋の真ん中が、どう移動するかを示した。

■ 各地点の動き

北極()は、手前、さらに真下に移動する。

インド()は、自転がなければ南極の位置にいくが、ひねりが加わるので、下右寄りに移動したあと、右横にいく。そのあと、やや上を通りながら、元に戻ってくる。(さらにこのあとは、左下を通り、左横に行き、戻って来る。全体として、8の字を描く。)

太平洋()は、単純に、円運動をするように動き、真上、左横へと移る。

■ (自転軸が水平軸の周りに90°回転)+(自転軸の周りに90°回転)

 太平洋 右-右-上 インド 手前-下-右 北極 上-手前-手前

回転の順番を変える。

 (自転軸の周りに90°回転)+(自転軸が水平軸の周りに90°回転)

 太平洋 右-奥-上 インド 手前-右-右 北極 上-上-手前

2つの回転の順番を変えても、変位した位置は同じ。(自転軸での回転) と (その自転軸が回転する) という操作は、ベクトルで表す事ができる。 _

■ 角速度ベクトルの動き

地球の自転軸()が、真上から徐々に手前に、さらに、下の方に移動する。その動きを表す角速度ベクトルは、である。方向も大きさも変わらない。

その動きをしつつ、自転軸()でも回転する。その角速度ベクトルは、↑←↓である。自転を示す角速度ベクトルは、その方向を変えていく。

■ 2つの角速度ベクトルを合成したのが、合成角速度ベクトルである。

始めは、右斜め45°を向いている。地表面で言えば、ハワイあたりか、そこが回転軸になる。そこは、最初は動かない。(動かないのは、最初だけ。)

角速度ベクトルは、は変化しないが、自転を表す角速度ベクトルは、その向きを変えるので、合成ベクトルも、右斜め上手前、右横手前、右斜め下手前、右斜め下45°と向きを変える。

地球の回転&ひねりは、この動いていく合成ベクトルの周りの回転で表されている。

合成角速度ベクトルは、円錐を描きぐるっと1周する。

■「回転&ひねり」という複雑な動きも、1つの、角速度ベクトルで表すことができるのがわかった。ただし、その角速度ベクトル自身も、回転するというわけだ。円錐運動をする角速度ベクトルが表す運動が、歳差運動。

{球を実際に手に持って、表面に印をつけ、回転&ひねりを何回も繰り返しやらないと、本当にはわからない。大雪の中、1日中試してみたら、わかってきた。最初に気がついたのは、最初、ハワイあたりが全然動かないという事だった。でも、どんどん動かすと、そのハワイも動いてしまう。しばらくしたら、動かない点(合成ベクトルの軸になる点)が、順々に動いていく、そして、円を描くのだと、わかっった。!2013/1/14}

〓 空間上に固定された回転軸 〓 .

@ 空間上に固定された2つの回転軸での回転

◆ x軸:水平方向(右へ) y軸:紙面に垂直(奥へ) z軸:鉛直方向(上へ)

球上の3点 P 右 Q 手前 R 上

(x軸の周りに90°回転する) P 右(変わらない) Q 下 R 手前

さらに (y軸の周りに90°回転する) P 下 Q 左 R 手前(変わらない)

{まとめ} P 右-右-下 Q 手前-下-左 R 上-手前-手前

■ 回転する順番を変える。

(y軸の周りに90°回転する) P 下 Q 手前 R 右

さらに (x軸の周りに90°回転する) P 奥 Q 下 R 右

{まとめ} P 右-下-奥 Q 手前-手前-下 R 上-右-右

■ 空間上に固定された回転軸での回転は、回転の順番を変えると、別の位置に変位する。したがって、空間上に固定された回転軸での回転をベクトルで表すことはできない。 _

〓 空間上に固定された回転軸、変位量が小さい 〓 .

◆ 直行した2つの回転軸で球面上を移動する。ただし、移動量が非常に小さい場合。

■ 球面上は曲面であるが、移動量が非常に小さい場合は、平面とみなす事ができる。直行した2つの回転軸で球面上を移動するのは、小さな長方形の辺上を移動すると見なせる。回転の順番を変えるのは、

 縦に移動してから横に移動する または 横に移動してから縦に移動する

という違いだけであるから、移動した先は同じになる。 したがって、移動量が非常に小さい場合は、回転による移動をベクトルを使って表す事ができる。 _

〓 角速度ベクトルはベクトルなのか?-2- 〓 .

■ 空間上の回転について、次の3種類の場合を区別して考える必要がある。

@ 自転軸の回転+自転軸が回転していく

A 空間上に固定された2つの回転軸での回転

例えば (x軸の周りに90°回転する)+(y軸の周りに90°回転する)

B 空間上に固定された2つの回転軸での回転、ただし、変位量が非常に小さい場合

A は、回転の順番を変えると結果が変わるから、ベクトルとして扱えない。

@とBは、回転の順番を変えても結果は同じになるから、ベクトルとして扱える。

角速度は、変位した量ではなく、ある瞬間における微小量であるから、Bの場合になる。回転の順番を変えても結果は同じになり、ベクトルとして扱える。 _

同様の理由で、角運動量もある瞬間における微小量であるから、ベクトルとして扱える。 _

〓 {例}角速度ベクトルの合成 〓 .

◆ 1質点の運動 質量 m 位置 <r>=<1 1 0>

x軸の周り右回りの回転 角速度ベクトル <w1>=<x>*w 速度 <v1>

y軸の周り左回りの回転 角速度ベクトル <w2>=-<y>*w 速度 <v2>

2つの回転を合成する。

■ <v1>=<w1>#<r>=(<x>*w)#<1 1 0>=<z>*w

 <v2>=<w2>#<r>=(-<y>*w)#<1 1 0>=<z>*w

速度の合成 <v1>+<v2>=<z>*2*w @

■ 角速度の合成 <w1>+<w2>=<1 -1 0>*w

 |<w1>+<w2>|=|<1 -1 0>|*w=root2*w

角速度の大きさ=root2*w 回転軸の方向:x軸正の方向とy軸負の方向の二等分線

 (<w1>+<w2>)#<r>=(<1 -1 0>*w)#<1 1 0>=<z>*2*w A

@Aより、角速度の合成が矛盾なくできている事がわかる。 _

{やっと角速度の謎が解けた!2018/2}

inserted by FC2 system