☆お勉強しようUz☆ 物理.統計力学

2016/5-2012/10 Yuji.W

拡散

気体や液体では、粒子が衝突しあい、いろいろな方向に動き回っている。濃度の差があると、全体として平均的な動きとしては、濃度の高い所から、低い所へ移動(易動)していき、濃度が一定になろうとする。{ファインマンの本には、まずこういう事が書いてある。さすが!2013/8} fick の第1法則 Euler の連続方程式 拡散方程式 ☆diffision

◇ ベクトル<A> 縦ベクトル<A) 単位ベクトル<-u> 内積* 外積# 微分;x 時間微分' 10^x=Ten(x) exp(i*x)=expi(x) 共約複素数\z 物理定数.

☆拡散☆

■ Adolf Eugen Fick 1829-1901 ドイツ 1855年に気体の拡散の法則を導く{また江戸時代!} 熱伝導の考え方を転用した

■ いろいろな拡散現象

@ 粒子の拡散 Fick の法則 密度差が拡散を起こす
 粒子が発生する場合(中性子など) 発生しない場合
A 熱エネルギーの拡散 フーリエの熱伝導 温度差が拡散を起こす
B 電場中の電子の拡散 電場(電位差)が拡散を起こす

◆ 拡散はなぜ起きるのか 最も簡単なモデルで考える

左右に分かれた部屋に気体 左側の部屋の密度が、右側に比べて大きい

■ 気体は、あらゆる方向に動いては、衝突を繰り返している。

左右の部屋のしきりの一部を開ける。左の部屋から右の部屋へ、右の部屋から左の部屋へ移動する気体分子も出てくる。左の部屋の気体密度が大きい場合を考えているから、左から右へ移動する気体分子数の方が多くなる。 .

結果、密度の高い左の部屋から、密度の低い右の部屋へ、気体分子は移動する。最終的に、密度は同じになるであろう。

☆1次元拡散方程式☆

◎ 1次元方向のみの拡散

粒子の発生はない場合 粒子の数密度 n(x,t) 流速面密度(単位面積当たり、単位時間当たり) jx(x,t) 拡散係数 D=定数

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------>x

Fick の第1法則 密度差が拡散を起こし、比例するとして、

 jx=-D*[n;x] .Fick の第1法則(1855年) @ {なぜこの式が成り立つのかというより、この式が成り立つ場合を考えていこうに近いと思う!2016/1}

粒子の保存の法則 単位断面積、x~x+dx の微少直方体の粒子数の変化を考える

 流入数=jx(x) 流出数=jx(x+dx)

 その差(粒子の変化数)=jx(x)-jx(x+dx)=-[jx;x]*dx

また、粒子の変化数は、時間微分 ' として n'*dx とも表せるから、

 n'*dx=-[jx;x]*dx

 n(x)'=-jx;x A

@Aより n'=D*[n;;x] .1次元拡散方程式(粒子の発生がない場合)〔D:拡散係数〕

☆拡散係数.1次元☆

粒子の発生はない場合 粒子の数密度 n(x,t) 流速面密度(単位面積当たり、単位時間当たり) jx 粒子の(自由に動いているときの)速さ v そのx成分 vx=v/3 平均自由行程 l 拡散係数 D

■ 単位断面積当たりを考える。それぞれの位置で、

 [流束面密度(単位時間、単位面積当たり)]=(数密度)*(粒子の速さ)

壁から l/2 だけ離れた位置での値で近似して、〔0<k<<1〕

 (壁への流入量)=n(-l/2)*vx (壁からの流出量)=n(l/2)*vx

 jx=n(-l/2)*vx-n(l/2)*vx=-[n;x]*l*vx

Fick の第1法則と比較して D=l*vx=l*v/3 .

◇平均自由行程と衝突断面積◇

◎ 熱平衡にある気体の粒子の運動 平均自由行程も衝突断面積も確率と関係がある その2つの量の関係 ?

◆ 熱平衡にある気体[衝突断面積(気体粒子の断面積) σ 数密度 n0] その中を特定の粒子が動く[粒子の速さ v 衝突の平均時間 Tau 平均自由行程 l]

■ 単位断面積の気体柱の中を粒子が進む

距離 Δx の間にある粒子の数 n0*Δx 

ある特定の粒子が距離 Δx 進む間に他の気体粒子に衝突する確率 (σ/1)*n0*Δx=σ*n0*Δx

その確率が 1 になるときの距離が 平均自由行程 l だから、

 σ*n0*l=1 .

◇押し流される速さ◇

◎ 一般粒子の中の特別粒子 特別粒子だけ、余分な力を受ける

◆ 一般粒子による衝突が繰り返しある 余分な力があることによって、特別粒子だけ、押し流される(drift)速さが生まれる その速さ Vd

衝突の平均時間 Tau 余分な力 F 特別粒子の質量 m

■ Vd=(余分な力による加速度)*(次の衝突までの時間)=(F/m)*Tau=F*Tau/m .

ここで 易動度 μ=Tau/m を使い Vd=μ*F .

※ 易動度は、一般粒子と特別粒子の両方の特性に関与している

◇イオン伝導率、オームの法則◇

◎ 電場中のイオンの動き ただし、多数の一般粒子が衝突を繰り返す

2種類が混じる気体または液体があって、一方だけの粒子にかかる力を掛ける。力を受けた粒子は移動するが、他の種類の粒子の衝突があるから、すぐ止まってしまう。力を受けて動き出すが、すぐまた止まる。その繰り返しである。

ジワジワと動く(ドリフト)速さ Vd ☆mobility conductivity

◆ イオンの電荷 q 数密度 ni 考えている範囲[断面積 A 電位差 V その距離 b]

イオンが押し流されることによる電流 I

■ イオンにかかる力 F=q*V/b Vd=μ*q*V/b

 I=ni*q*A*Vd=ni*q*A*μ*q*V/b=μ*q^2*ni*A*V/b .

 抵抗 R=V/I=μ*q^2*ni*(A/b) ただし μ=Tau/m .実験から Tau を求めることができる

{オームの法則が、こんな所から出てくるんだ!2014/9}

◇拡散係数と易動度、温度◇

◎ 拡散と、易動とは、別の現象であるが、関係がある

■ まず、拡散係数 D と、易動度 μ ,粒子の速さ v の関係式を作ろう

 l=v*Tau D=l*v/3 μ=Tau/m より D/μ=l*v*m/(3*Tau)=m*v^2/3

v は温度 T と関係があって (1/2)*m*v^2=(3/2)*k*T

 D/μ=kB*T .拡散係数と易動度の関係(byアインシュタイン)

{やはりアインシュタインは鋭い!2014/9}

{別解} 1次元(左右)

密度 左>右 ●→ 左から右へ拡散する

位置エネルギー 左<右 ←● 右から左へ易動する

平衡状態を考え、拡散の流束=易動の流束、温度は場所に依らずに一定だとすると、拡散係数と易動度の関係 D=μ*kB*T を導くことができる。

位置エネルギーと密度の関係 n(x)=n0*exp[-U(x)/(kB*T)]

両辺を x で微分すると、

 n;x=-n0*[(U;x)/(kB*T)]*exp[-U(x)/(kB*T)]=-n*(U;x)/(kB*T) @

拡散 jx=-D*(n;x)

易動 Vd=μ*F=-μ*(U;x) その流束 jd=n*Vd=n*μ*F=-n*μ*(U;x)

jx+jd=0 だから、

 D*(n;x)=-μ*n*(U;x) A

@Aより、D=μ*kB*T 』

◇Euler の連続方程式、拡散方程式◇

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-----x----x+dx->

■ x〜x+dx の中の粒子の数を考えると、

 粒子の変化数 n'*dx

 流入数=jx(x) 流出数=jx(x+dx) 発生数 s

 n'*dx=s+jx(x)-jx(x+dx)=s-(jx;x)*dx

 n'=s-jx;x

■ 3次元 n'=s-div<j> .Euler の連続方程式(単位体積,単位時間当たり)

■ <j>=-D*<grad(n)> Fick の第1法則

 n'=s-div<j> Euler の連続方程式

 n'=s+D*△n .拡散方程式

時間的に一様だと n=-s/D {また、ポアソン方程式!}

  拡散  

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