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2013/5-2012  Yuji.W

☆同種粒子の衝突☆

◎2つの粒子を衝突させると、いろいろな方向に跳ね返る(散乱する)。散乱の確率分布は、次の3種類で、異なる。{不思議!}

  1. 異なる粒子  α粒子(ヘリウム原子核)と酸素など  干渉は起きない
 2. 同種の粒子  α粒子とα粒子  干渉が起きる{!}
 3. 電子と電子  陽子と陽子  干渉が起きる場合と起きない場合がある

表示のお約束 物理定数

☆2粒子の衝突☆

◆2粒子 A,B を衝突させる。質量の中心系で考える。運動量、速さ、散乱角など、すべて、質量の中心系での量である。

・総運動量は 0
・1平面内
・2つの散乱角は等しい
・速さは変化しない。

散乱角 a の所に計数管を置く。粒子の種類に依らずカウントする。

粒子が散乱角 a で散乱される振幅 f(a)  その確率 |f(a)|^2  0<a<Pi

散乱角 a の所に置いた計数管にカウントされる確率振幅 Pa(a)  その確率 P(a)

※本当は、Pa(a)*da、P(a)*da が正しい表現か。

■どちらかの粒子がカウントされるという1つの事象は、次の2つの過程で起きる。 

@散乱角 a で散乱される ⇒ その粒子がカウントされる

A散乱角 (Pi-a) で散乱される ⇒ もうひとつの粒子がカウントされる

また、次のように解釈もできる。  (粒子の入れ替え)

@一方の粒子が散乱角 a で散乱される

A粒子を入れ替える。他方の粒子が散乱角 a で散乱される

☆異なる2粒子の衝突☆

◆異なる2粒子 A,B

■P(a)=|f(a)|^2+|f(Pi-a)|^2  P(Pi/2)=2*|f(Pi/2)|^2  当たり前の結果

☆同種粒子の衝突☆

◆P(a)=|f(a)|^2+|f(Pi-a)|^2  P(Pi/2)=2*|f(Pi/2)|^2  にならない{!}

■2つの過程は区別できない。干渉する。確率の代わりに、確率振幅で計算する必要がある。

  Pa(a)=f(a)+f(Pi-a)  P(a)=|Pa|^2=|f(a)+f(Pi-a)|^2

  P(Pi/2)=4*|f(Pi/2)|^2 

▲質量の中心系で真横に散乱する確率は、同種の粒子同士衝突の場合が、異なる粒子同士の衝突の場合の2倍になる。{!} 

{具体的な確率振幅を求めなくても、簡単な議論で、量子力学の不思議さを表すことができている。素晴らしい!2013/5}

☆電子同士、陽子同士の衝突☆

◎電子同士、陽子同士の散乱  スピンがあるので、また違う事が起きる{!}

■2つの電子のスピンが  (↑)-> <-(↑)  or  (↓)-> <-(↓)  のとき、

2つの粒子の区別は着かないから、干渉を起こす。ただし、位相は逆になって

  Pa(a)=f(a)-f(Pi-a)  P(a)=|f(a)-f(Pi-a)|^2

■2つの電子のスピンが  (↑)-> <-(↓)  or  (↓)-> <-(↑)  のとき、

2つの粒子の区別は着くから、

  P(a)=|f(a)|^2+|f(Pi-a)|^2

■上の2つの場合は、同じ確率で起こるから、両方合わせた確率は、

  P(a)=(1/2)*|f(a)-f(Pi-a)|^2+(1/2)*[|f(a)|^2+|f(Pi-a)|^2]

  P(Pi/2)=(1/2)*0^2+(1/2)*2*|f(Pi/2)|^2=|f(Pi/2)|^2 

☆まとめ☆

■真横に計数管を置き、そこに粒子が到達する確率 P(Pi/2)

1. 異なる粒子  α粒子(ヘリウム原子核)と酸素など

  干渉は起きない  P(Pi/2)=2*|f(Pi/2)|^2

2. 同種の粒子  α粒子とα粒子

  干渉が起きる  P(Pi/2)=4*|f(Pi/2)|^2

3. 電子と電子  陽子と陽子

  干渉が起きる場合と起きない場合がある  P(Pi/2)=|f(Pi/2)|^2

{おもしろいなあ!2013/5}

☆  2013  Yuji.W  ☆

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