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◎ 小さな粒子には不思議な事が起きる 量子力学的効果 電子の干渉 トンネル効果 |
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◇ ベクトル<A> 座標単位ベクトル<xu>,<yu>,<zu> 内積* 外積# 微分;x 時間微分' 積分$*dx 10^x=Ten(x) exp(i*x)=expi(x) 〔物理定数〕 ★. |
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■ 非常に小さな物質の世界では変な事が起きる。常識では考えられない事が起きる。小さい物質は「あいまいな存在、定まらない存在、フワフワした存在」なのである。 |
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◎ エネルギー、運動量の次元を考える ■ エネルギー E [質量*長さ^2/時間^2] 運動量 p [質量*長さ/時間] [エネルギー]=[運動量^2/質量] [運動量]=[root(質量*エネルギー)] ■ プランク定数 h [エネルギー*時間] 振動数 nu [1/時間] h*nu [エネルギー] ★. h/(2Pi)≡h. ディラック定数 [エネルギー*時間] 2Pi*nu≡w 角振動数 [1/時間] h.*w=h*nu [エネルギー] ★. ■ 波長 λ [長さ] 2Pi/λ≡k (角)波数 [1/長さ] h.*k
[(エネルギー*時間)/長さ]
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◎ 1924年 ド・ブロイ波(ルイ・ド・ブロイ が提唱 32才) 1925年 Heisenberg 不確定性原理 1926年 Schroedinger 波動方程式 ■ 小さな粒子 波と粒子の二面性を持つと仮定して、 波として 振動数(周波数) nu 角振動数 w≡2Pi*nu 波長 λ (角)波数 k≡2Pi/λ 粒子として エネルギー E 運動量 p 波と粒子を結びつける関係として @ E=h*nu=h.*w ★.アインシュタインの仮説 A p=h.*k λ≡2Pi/k=2Pi/(p/h.)=2Pi*h./p=h/p ★.ド・ブロイの仮説 ド・ブロイ波
※ 波の位相速度とか群速度とか考えない場合は、小さな粒子の振動数とか波の速さなどは考えない方がよい。 |
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◎ ド・ブロイの仮説により、電子を波と見なす事ができ、波長を想定できる ◆ 電子 質量 m 運動量 p m*c^2≡@m p*c≡pc 非相対論での運動エネルギー K=(1/2)*p^2/m=(1/2)*pc^2/@m ■ pc=root(2*@m*K) ド・ブロイ波の波長 λ≡2Pi/k=h/p=h*c/(p*c)=h*c/pc=h*c/root(2*@m*K) ★. ● h*c~(1.986 445 68)*Ten(-25)_J*m~(1.239 842)*Ten(-6)_eV*m ■ 電子 @m=0.510_MeV K=Ten(n)_eV のとき、 非相対論で、 p*c λ
▲ 結晶の構造を探るのに、X線や電子を使う。X線や電子を、結晶格子に当てると、その反射が干渉し、模様になる。電子も干渉する。その模様を解析して、結晶構造を探る事ができる。 入射粒子の波長~結晶格子の原子間距離 ★. 原子の直径~Ten(-10)_m であるから、電子を 100_eV 程度で加速すれば、干渉縞を得る事ができる。 ■ 小さな粒子 相対論(非相対論の場合も含む) v/c=b m*c^2=@m p*c=pc E=@m*Γ(b) pc=@m*Γ(b)*b E^2=@m^2+pc^2 運動エネルギー K を得た場合 E=@m+K pc^2=E^2-@m^2=(@m+K)^2-@m^2=2*@m*K+K^2 λ=h*c/pc=h*c/root(2*@m*K+K^2) ★. ※ 相対論は、非相対論の場合を含んでいる ★ 電子 @m=0.510_MeV K=10_keV のとき、 pc^2 pc~1.02*Ten(5) λ=[1.24*Ten(-6)]/[1.02*Ten(5)]~1.22*Ten(-11)_m b=pc/E=[1.02*Ten(5)]/[0.511*Ten(6)]=0.20 光速比 20% ★ 電子 @m=0.510_MeV K=200_keV のとき、 pc^2 pc~4.94*Ten(5) λ=[1.24*Ten(-6)]/[4.94*Ten(5)]~2.51*Ten(-12)_m 原子より小さな構造を探る事ができる b=[4.94*Ten(5)]/[0.71*Ten(6)]~0.70 光速比 70% {やっとわかってきた!わかってなかったなあ!2015/10} |
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■ 壁に、2つの隙間(slit)を作る。壁に向かって、パチンコ玉を打つ。壁にぶつかる玉もあるが、隙間を抜けていく玉もあるだろう(隙間の方が大きいとして)。壁の先にスクリーンを置けば、玉はスクリーンの2つの場所にその跡を残す。
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スリット1だけの場合の確率分布
P1 P12=P1+P2 ■
同様な実験を波で行う。水の波、空気の音波、真空中の光、どれでも同じである。 ■
スリット1だけの場合の波の強度の分布
I1 強度を複素数で表せば、{ ^}は複素数を表す、 (スリット1だけの場合の波の高さ)={h1^}*expi(wt) I1=|{h1^}|^2 I2=|{h2^}|^2 I12=|{h1^}+{h2^}|^2 {注}2つの複素数は、平面上のベクトルと見なすことができ、内積を求めると、cos(位相差)が出てくる。 ■ 同様な実験を電子で行う。電子を壁に向かって、1個1個時間間隔をあけて打つ。スクリーンには、どんな痕跡を残すだろうか。2つの場所だけにその跡を残すのだろうか。たくさんの電子を時間をかけて打ち込むと、縞模様を作る。電子がよりたくさん届く場所、普通に届く場所、来ない場所が、順々に並び、縞模様を作る! 電子1個1個が、スリットが2つあるのを知っているかのように、振る舞う。 電子は、「あいまいな存在、定まらない存在、フワフワした存在」であって、2つのスリットを通り抜け、スクリーンにぶつかる時には、1個の粒子としての1つの痕跡を1つの場所に残すのだ。電子の大きさの目安 [Ten(-15)]m ■
スリット1だけの場合の電子の確率分布
P1 確率振幅 {Φ1^} P1=|{Φ1^}|^2 P2=|{Φ2^}|^2 P12=|{Φ1^}+{Φ2^}|^2 ■ 同様な実験を、炭素60個が結合し、正六角形と正五角形でできたサッカーボールのようになっているフラーレン(fullerene)という分子で行った。大きさは、 [Ten(-9)]m=1nm (ナノメートル)であって、電子の100万倍も大きい。縞模様を作った!(1999年ザイリンガー) ■ 2002年にフラーレンを多重スリットに向けて打ち込むという実験が行われた。 フラーレン 大きさ
1nm〜電子の100万倍 質量 1.2*[Ten(-24)]kg〜電子の100万倍 スリットの幅 100nm〜フラーレンの100倍 スクリーンまでの距離 1.25m スクリーンに届いたフラーレンの第1ピークから第2ピークまでの距離 3000nm 電子の100万倍の大きさの粒子が、自分自身の大きさの100倍も広い間隔のスリットの存在を感知して、干渉を起こしていることになる! ■ 最小の生物ウイルスは、20nm〜100nmである。炭素60個のフラーレンの20倍〜100倍である。ウイルスを同様に2つのスリットに向かって打ち込むと、どうなるのだろう。1匹のウイルスは2つのスリットを通り抜け、スクリーンには縞模様を作るのだろうか? |
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◇ディラック定数 h. ■ ある粒子で、 (位置の不確定さ)*(運動量の不確定さ)>=h./2 (エネルギーの不確定さ)*(時間の不確定さ)>=h./2 ■ 現在の位置と運動量(質量*速度)がわかれば、ニュートンの運動方程式により、過去や未来の運動の様子がわかる。ところが、小さな粒子では、両方いっぺんに値がわかることはなくなるので、過去や未来の運動の様子が求めることができない。 ■ 単なる測定の誤差ではなく、(そういう風に書いてあるモノもよくある)、小さな物質の本質的な、「あいまいな存在、定まらない存在、フワフワした存在」という性質を示すものである。その例、 エネルギー0の状態から、非常に短い時間ならば、質量(エネルギー)を持つ粒子が生まれるということが起きる。 ヘリウムなどを絶対0度近くまで冷やす。ヘリウムの運動量は0に近づく。そうすると、(位置の不確かさ)は、ある程度の大きさを持つ。ある特定の場所に留まらず振動することになる。 ■ 質量mの粒子を、ある範囲 Δx に閉じ込めることを考える。例えば、原子とか原子核に閉じ込めたい。Δx をある値より小さくするためには、不確定性原理より、運動量が大きくなくてはならない。閉じ込めるために必要な運動量PとエネルギーE は、 P*Δx=h
とすれば、 E=[h/(Δx)]^2/(2m)] ◎電子(0.5MeV)を原子(Δx=0.4nm=4*[Ten(-10)]m)に閉じ込めるために必要なエネルギーE E〜10eV ◎電子(質量0.5MeV)を原子核(Δx=2*[Ten(-14)m]=原子の1/20000)に閉じ込めるために必要なエネルギーE E〜10eV*(20000)^2=4*[10^9]eV=4GeV -> 大きすぎて、電子は原子核に閉じ込めることができない! ◎陽子(質量1000MeV=電子の2000倍)を原子核(Δx=2*[Ten(-14)]m)に閉じ込めるために必要なエネルギーE E〜4*[10^9]eV/2000=2MeV <=> 実験値とほぼ一致する |
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■ 1つの箱に2匹の動物を入れ、自由に動けるようにする。部屋の真ん中にラインを引き、2匹の動物が、部屋の左右のどちらにいるのかを考える。2匹が特に関係なく、仲がよいとか悪いとかがなく、自由に動くとする。 2匹が部屋の左右のどちらにいるかという確率は次のようになる。 左側に2匹ともいる 1/4 左右に分かれ、1匹ずついる 1/2 右側に2匹ともいる 1/4 動物を1匹ずつ区別して勘定しなくてはいけない。2枚のコインを振り、何枚表が出るのかという確率を求める問題と同じである。 ■ 1つの箱に2個の小さな粒子(電子など)を入れ、自由に動けるようにする。部屋の真ん中にラインを引き、2個の粒子が部屋の左右のどちらにあるのかを考える。粒子同士は、反発しあうことも引き合うこともなく、自由に動くとする。 2個が部屋の左右のどちらにあるかという確率は次のようになる。 左側に2個 1/3 左右に1個ずつ 1/3 右側に2個 1/3 2個の小さな粒子(電子など)は「あいまいな存在、定まらない存在、フワフワした存在」で、1個1個区別することができない。2個がいっしょになって、入り交じって存在するのである。 |
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■ 電子は、核の周りを回っているイメージがある。電荷を帯びた物質が、等速直線運動(止まっている場合を含む)をしていないと、光を出し、その物質が持つエネルギーは減っていく。電子が核の周りを回転しているとすると、それは等速直線運動ではないから、光を出し、速さは遅くなり、しまいには、核と合体することになる。しかし、そんなことは起こらない。電子は、地球が太陽の周りを回るように、核の周りを回っているわけではない。電子は、核の周りにあるが、「あいまいな存在、定まらない存在、フワフワした存在」であって、その位置も、動きもあいまいなモノである。 |
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■ 原子核は中央にプラス電荷の核があり、その周りにマイナス電荷の電子がある。電子がどこにあるかは、観測すればわかる。どこにどの確率であるかは、計算で求めることができる。数多く観測すれば、理論通りの場所に電子が存在する。 しかし、1個の電子が今どこにあるか?は、わからない。そして、それは、我々の測定の精度が悪いからわからないのではなく、電子そのものの存在が、「あいまいな存在、定まらない存在、フワフワした存在」であるからなのである。電子は、核の周りを覆うように存在するのだ。 |
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■ 運動エネルギー+位置エネルギー=一定 の状態で運動している粒子を考える。 位置エネルギーが大きい場所では、運動エネルギーは小さくなる。位置エネルギーがさらに大きくなり、運動エネルギーが 0 になってしまう場所に粒子が来ると、粒子は止まってしまい、それより位置エネルギーが大きい場所には行けない。 ところが、小さな粒子(電子など)では、 その先の、位置エネルギーが高い場所まで進むことができるのだ。もちろん、確率は小さいのだが、0 ではなく、粒子が位置エネルギーの壁を乗り越えることが起きる。「トンネル効果」と言う。 ■ アルファ崩壊(Alpha decay) ウランなどの重い原子核が、アルファ粒子(陽子2個と中性子2個でできているヘリウム)を放出し、より軽い原子になる。 アルファ粒子は、原子核内の核力を振り切るだけのエネルギーを持つわけではない。トンネル効果により、低い確率ではあるが、核の外にしみ出すことができる。 半減期は、ウラン238が45億年、ウラン234が24万年、ラジウム226は1600年。 |
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■ 物質は、6種類のクォークと6種類のレプトンからできている。 我々の身近にある原子を作る陽子や中性子は、3つのクォークからできている。 核力を担う中間子は、2つのクォークからできている。 レプトンは、軽い順に、電子、ミュー粒子、タウ粒子の3種類がある。それぞれの粒子に対応する、ニュートリノがある。ニュートリノの質量は理論上0であるが、0ではないという実験結果が得られている。 ■
基本的な力は4種類しかないので、その力を伝える粒子も4種類ある。 |
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★ 小さな粒子の不思議 ★ |