☆お勉強しようUz☆ 物理.力学

2016/3-2012/11 Yuji.W

惑星の運動

◎ 惑星の運動 2体問題 ケプラー問題 ケプラーの法則 エネルギー ホーマン軌道 力学的相似 ☆ 通径 latus rectum 離心率 eccentricity

◇ ベクトル<A> 縦ベクトル<A) 単位ベクトル<-u> 内積* 外積# 微分;x 時間微分' 10^x=Ten(x) exp(i*x)=expi(x) 共約複素数\z 物理定数 .

{復習}楕円

『楕円』 2016/3

■ 円 x^2+y^2=1 x軸方向に A倍、y軸方向に B倍した楕円

 x^2/A^2+y^2/B^2=1

0<B<A の場合 長半径 A 短半径 B

F=root(A^2-B^2) 離心率 e=F/A 0≦e<1

焦点 F1(F,0),F2(-F,0) 楕円上の任意の点 P(x,y) PF1+PF2=一定

■ 円座標(r,a) x=r*cos(a)+F y=r*sin(a)

 r=(B^2/A)/[1+e*cos(a)] 

■ 楕円の面積=Pi*A*B

◇惑星の運動◇

◎ 惑星の運動 2体問題-重力

■ 太陽の重力による惑星の運動を考えたい。

各惑星には、他の惑星を始め、太陽系内にあるすべての重力源からの重力が働くし、さらに、太陽系外からの重力も働くわけだが、それらは一切無視し、太陽の重力だけを考える。

太陽とその惑星との2体問題になるのだが、太陽の質量は圧倒的に大きいので、次のように考える。

・太陽は原点に固定されている
・惑星は、原点に向かう中心力を受ける
・力は、原点からの距離の2乗に逆比例する
・換算質量を使って補正しない

中心力であるから、角運動量は保存され、それぞれの惑星の運動は一平面上に限られる。

全エネルギーが負のとき、必ず楕円運動になり、同じ軌道を繰り返し回る  _

以上の事は、ケプラー問題(距離の逆2乗に比例する中心力による運動。斥力であってもよい。)に応用することができる。 

水星

金星

地球

火星

木星

土星

天王星

海王星

ハレー彗星

離心率

0.206

0.007

0.017

0.093

0.049

0.056

0.046

0.095

0.967

■ ハレー彗星 長半径 17.8_AU 遠日点距離 35.1_AU 周期 75.3_year

■ 月の地球に対する軌道の離心率 0.055 r_min/r_max=(1-e)/(1+e)=0.90

地球から見た月の大きさは1割増減する

『2体問題』 2015/15

◆ 2質点 孤立系(外力なし) 内力は2質点間に働く重力のみ

相対座標 r 内力 f=-G*m1*m2/r^2

■ 運動方程式 r''=-G*(m1+m2)/r^2 質量の和{!}

◇惑星の運動の軌道◇

◆ 重力源 質量 M 原点  1質点 質量 m 原点からの距離 r

質点に働く力 <F>=-<ru>*G*M*m/r^2 位置エネルギー U(r)=-G*M*m/r

「円座標」 2015/6

◆ 質点 1平面上の運動 位置 (r,a)

方位角 a で 半径方向単位ベクトル <ru> 方位角方向単位ベクトル <au>

● デカルト座標で <r>=<xu>*x+<yu>*y

<r>'=<xu>*x'+<yu>*y' <r>''=<xu>*x''+<yu>*y''

■ <r>=<ru>*r <r>'=<ru>*r'+<au>*r*a'

 <r>''=<ru>*(r''-r*a'^2)+<au>*(r^2*a)'/r

■ 円運動で r'=0 <r>'=<au>*r*a' <r>''=-<ru>*r*a'^2+<au>*r*a''

■ 手始めに、円運動の場合を考えてみよう。r=R=一定

運動方程式 m*(-<ru>*R*a'^2+<au>*R*a'')=-<ru>*G*M*m/R^2

方位角方向 R*a''=0 a'=一定

半径方向 R*a'^2=G*M/R^2 a'=root(G*M/R^3) a'^2*R^3=一定

 L=m*root(G*M*R) 周期 T=2Pi*root[R^3/(G*M)]

■ 質点が (r,a) にあるときの運動方程式

 m*[<ru>*(r''-r*a'^2)+<au>*(r^2*a)'/r]=-<ru>*G*M*m/r^2

半径方向 r''-r*a'^2=-G*M/r^2 方位角方向 (r^2*a)'=0

方位角方向の式から r^2*a'=一定=b

 角運動量 L=m*r*(r*a')=m*r^2*a'=m*b

■ 次に1つめの式をつかって、r と a の関係式(軌道の式)を作りたい。時間は消去したい。

次の量を定義する u=1/r _{核心!先人達が工夫した所!2014/3}

u と a の関係式を作ろう。

時間微分が出てきたら a'=b/r^2=b*u^2 を使って、u の式に直してしまう。そうすることによって、時間微分の項をなくし、 u と a だけの式にしてしまう。{核心!}

 u'=(u;a)*a'=(u;a)*b*u^2

まず、r',r'' を求めよう。

 r'=(1/u)'=-u'/u^2=-[(u;a)*b*u^2]/u^2=-b*(u;a)  bは定数

 r''=-b*(u;a)'=-b*(u;;a)*a'=-b*(u;;a)*[b*u^2]=-b^2*u^2*(u;;a)

以上2つの式を r''-r*a'^2=-G*M/r^2 に代入して、

 -b^2*u^2*(u;;a)-(1/u)*(b*u^2)^2=-G*M*u^2

 b^2*(u;;a)+b^2*u=G*M

 u;;a+u=G*M/b^2

ここで、通径 l=b^2/(G*M)=(r^2*a')^2/(G*M)=L^2/(G*M*m^2) を使って、

 u;;a+u=1/l _惑星の軌道を求める式 {ずいぶん簡単になった!2014/6}

■ 積分定数を e/l と置いて 解 u=[1+e*cos(a)]/l

{確かめ} u;a=-sin(a)*e/l u;;a=-cos(a)*e/l

 u;;a+u=-cos(a)*e/l+[1+e*cos(a)]/l=1/l

u を元に戻すと r*[1+e*cos(a)]=l _rとaの関係(軌道の式)

ここで b=r^2*a' l=b^2/(G*M)=(r^2*a')^2/(G*M)=L^2/(G*M*m^2)
e は積分定数

▲ 距離 r は、角度 a に依って、一意的に定まる量。距離の逆2乗の中心力を受ける質点は、螺旋運動とか、めちゃくちゃな形の軌道にはならない。定まった軌道を描く _{おもしろい!2012/12}

◇惑星の運動の軌道-2-◇

◎ 惑星の運動の軌道の式はわかった。見慣れた楕円の式に直そう。

◆ 1質点(質量 m 原点からの距離) 重力源(質量 M 原点にある)

中心力 <F>=-<ru>*G*M*m/r^2 円座標(r,a)

b=r^2*a'=一定 角運動量 L=m*b 通径 l=b^2/(G*M)=L^2/(G*M*m^2)

◎ r*[1+e*cos(a)]=l  rとaの関係(軌道の式) e=積分定数

この式から 楕円の式 x^2/A^2+y^2/B^2=1 を作りたい

■ x=r*cos(a)+F F=定数 y=r*sin(a) と置いて、

短半径 B を求めよう

 y=r*sin(a)=l*sin(a)/[1+e*cos(a)]

 (y/l);a
={cos(a)*[1+e*cos(a)]+e*sin(a)^2}/[1+e*cos(a)]^2
=[cos(a)+e]/[1+e*cos(a)]^2

 cos(a)=-e のとき (y/l);a=0 sin(a)=±root(1-e^2)

cos(a)=-e & sin(a)=+root(1-e^2) のとき

 y_max=l*root(1-e^2)/(1-e^2)=l/root(1-e^2)

この値が、短半径 B になる B=l/root(1-e^2)

長半径 A を求めよう

a=0 のとき r_min=l/(1+e) a=Pi のとき r_max=l/(1-e)

 2*A=r_min+r_max=l/(1+e)+l/(1-e)=2*l/(1-e^2)

 A=l/(1-e^2)

焦点 F

 F^2=A^2-B^2=l^2/(1-e^2)^2-l^2/(1-e^2)=l^2*e^2/(1-e^2)^2

 F=l*e/(1-e^2) F/A=[l*e/(1-e^2)]/[l/(1-e^2)]=e

----- まとめ -----

r*[1+e*cos(a)]=l A=l/(1-e^2) B=l/root(1-e^2) F=root(A^2-B^2) と定め、

 x=r*cos(a)+F y=r*sin(a) と置けば、

 x^2/A^2+y^2/B^2=1 となる。また e=F/A となり、離心率を表す。

☆惑星の運動の軌道-3-☆

◎ 楕円の円座標(極座標)表示を、xy座標表示に直す

◆ 円座標(r,a) 楕円 r*[1+e*cos(a)]=l  0≦e<1 l>0 r>0

a=0 のとき r_min=l/(1+e) a=Pi のとき r_max=l/(1-e)

3つの量を次のように定める。

 A=(r_min+r_max)/2=(l/2)*[1/(1+e)+1/(1-e)]=l/(1-e^2)

 F=A*e=l*e/(1-e^2) B=A*root(1-e^2)=l/root(1-e^2)

 A>0 , F≧0 , B>0

すると、次のような関係もある。

 F^2+B^2=A^2 e=F/A 1-e^2=B^2/A^2 l=B^2/A

■ x=r*cos(a) , y=r*sin(a) と置けば、

 root(x^2+y^2)+x*F/A=B^2/A これで、x,y,A,B,C で表現できてる{!}

 x^2+y^2=(B^2/A-x*F/A)^2=B^4/A2-2*x*F*B^2/A^2+x^2*F^2/A^2

 x^2*(1-F^2/A^2)+2*x*F*B^2/A^2+y^2=B^4/A2

 x^2*B^2/A^2+2*x*F*B^2/A^2+y^2=B^4/A2

 x^2+2*x*F+y^2*A^2/B^2=B^2

 (x+F)^2+y^2*A^2/B^2=B^2+F^2

 (x+F)^2+y^2*A^2/B^2=A^2

 (x+F)^2/A^2+y^2/B^2=1  楕円(中心 (-F,0) 長半径 A 短半径 B)

◇惑星の運動の軌道-計算例-◇

★ 長半径 A , 短半径 B と 離心率 e の関係の例

「長半径 A , 短半径 B と 離心率 e の関係の例」 2015/5

B/A

1

0.9

0.8

0.5

0.1

0

離心率 e=F/A

0

0.44

0.6

0.87

0.99

1

{楕円を書けと言われると、B/A=0.5 ぐらいを書くかな。そのとき、焦点は 長半径の 9/10 ほどの所にある。かなりずれた位置にある!2015/5}

★ 惑星の軌道

「惑星の軌道」 2015/5

a

0

Pi/4

Pi/2

3Pi/4

Pi

cos(a)

1

0.707

0

-0.707

-1

r/l

e=0.1 のとき

0.91

0.93

1

1.08

1.11

e=0.5 のとき

0.67

0.74

1

1.55

2

★ e=0.1 のとき

 A/l=1/(1-e^2)~1.010 B/l=1/root(1-e^2)~1.005 F/l~0.101

 r_min/l=0.91 r_max/l=1.11

★ e=0.5 のとき

 A/l=1/(1-e^2)~1.33 B/l=1/root(1-e^2)~1.15 F/l=0.67

 r_min/l=0.66 r_max/l=2

☆近日点と離心率の関係☆

◆ 角運動量 L 重力源の質量 M 質点の質量 m 通径 l=L^2/(G*M*m^2)

重力源からの距離 r r_min/l=1/(1+e) r_max/l=1/(1-e)

■ l を消去して (1-e)/(1+e)=r_min/r_max=k と置けば、

 1-e=k*(1+e) 1-e=k+k*e e=(1-k)/(1+k) 

★ k=0.9 e=0.1/1.9~0.05

★ k=0.5 e=0.5/1.5~0.33

★ 地球 太陽に対して r_min=1.471*Ten(11)_m r_max=1.521*Ten(11)_m

 k=1.471/1.521~0.9671 1/300 程度のずれ

 e=0.0329/1.9671~0.0167 B/A=root(1-e^2)~0.9999 10cm対9.999cm 0.01mm 短くする{!}

★ 月 地球に対して r_min=3.63*Ten(8)_m r_max=4.05*Ten(8)_m

 k=3.63/4.05~0.896 e=0.104/1.896~0.055 1/200 程度のずれ

★ ハレー彗星 r_min=0.586_au r_max=35.082_au

 k=r_min/r_max=0.586/35.082~0.0167 e=0.9833/1.0167~0.967

 A=(0.586+35.082)/2=35.668/2=17.834_au

☆楕円軌道の周期☆

円運動の場合 r=R=一定

運動方程式 R*a'^2=G*M/R^2 a'=root(G*M/R^3) 

 周期 T=2Pi/a'=2Pi*root[R^3/(G*M)]

{別解}  面積速度*2=R^2*a'=b=root(G*M*R)

円の面積=Pi*R^2

 周期 T=Pi*R^2/(b/2)=2*Pi*R^2/root(G*M*R)=2*Pi/root(G*M/R^3)

 T^2/R^3=4*Pi^2/(G*M)=一定 

楕円運動の場合 r_min と r_max がわかれば 長半径 A=(r_min+r_max)/2

k=r_min/r_max を求めて e=(1-k)/(1+k)

 通径 l=A*(1-e^2) 短半径 B=A*root(1-e^2)=l/root(1-e^2) 焦点 F=e*A

 面積速度*2=b=root(G*M*l)=root[G*M*A*(1-e^2)]

 周期 T
=2Pi*A*B/root(G*M*l)
=2Pi*A*[A*root(1-e^2)]/root[G*M*A*(1-e^2)]
=2Pi/root(G*M/A^3)  うまく、B や e が消去できた

重力源の質量 M 質点の軌道の長半径 A 周期 T

 T^2/A^3=4*Pi^2/(G*M)=一定  質点の質量や短半径に依らない(ケプラーの第3法則)

{なぜ、長半径だけに依るのか謎だった、わかった!2015/5}

● 地球 A=1_AU T=1_yea

● 月 A=384400_km T=27.322_day

★ 「かぐや」 r_max=3.844*Ten(5)_km r_min=7380_km

 A=(384400+7380)/2=391780/2=195890_km

 長半径の比=[3.844*Ten(5)/195800]=1.96 1.96^(3/2)=root(7.5295)~2.744

 T=27.322/2.744~9.96_day 

▲ 1つの重い重力源に対して、楕円運動をする、複数の軽い質量の質点で、 T^2/A^3 は、等しい値をとるという意味。

■ 実際の太陽系のデータで計算してみた。地球の半径、公転周期を1として、その比で示してある。本当は、円ではなく、楕円軌道なので、軌道長半径という量で計算してある。

 

軌道
長半径

公転
周期

半径の3乗

周期の2乗

水星

0.3871

0.2409

0.05801

0.058

0.9995

金星

0.7233

0.6152

0.3784

0.3785

0.9998

地球

1

1

1

1

1

火星

1.5237

1.8809

3.53752

3.5378

0.9999

木星

5.2026

11.862

140.819

140.71

1.0008

土星

9.5549

29.458

872.325

867.77

1.0052

天王星

19.2184

84.022

7098.26

7059.7

1.0055

海王星

30.1104

164.774

27299.2

27150

1.0055

冥王星

39.5404

247.796

61819.2

61403

1.0068

  ケプラーの第3法則は、かなりの精度(誤差0.5%程度)で成り立っていることがわかる。

★ 地球 A=1_au 周期 T=1_year

ハレー彗星 A=17.834_AU 周期 T=root(17.834^3)=75.3_year {!}

★ 月 地球に対して r_min=363300_km r_max=405500_km

 A=(363300+405500)/2=768800/2=384400_km 周期 27.322_day~656_hour

人工衛星 地球に対して r_min=225+6378=6603_km r_max=710+6378=7088_km

 A=(6603+7088)/2=13691/2=6245.5 周期 T

 長半径の比=384400/6245.5~61.55

ケプラーの法則より

 T=656/61.55^(3/2)=656/483~1.36_hour

☆楕円軌道の周期-2-☆

◆ 重い重力源(質量 M) その周りを楕円運動する質点の、周期 T、長半径 A

ケプラーの第3法則 M*T^2/A^3=4*Pi^2/G=宇宙のどこでも同じ値 

質量が未知の重力源に対して、その周りを楕円運動をする星の周期と長半径がわかれば、求める事ができる  {素晴らしい!}

ある重力源(質量 M1) その周りを楕円運動をする天体の周期 T1 長半径 A1

別の重力源(質量 M2) その周りを楕円運動をする天体の周期 T2 長半径 A2

■ M1*T1^2/A1^3=M2*T2^2/A2^3

 M1/M2=(T1/T2)^2/(A1/A2)^3 

★ 地球 周期 365_day 公転半径 1.496*Ten(11)_m

月 周期 27.322_day 公転半径 3.844*Ten(8)_m

地球の質量 Me 太陽の質量 Ms Ms/Me ?

{解} 周期の比=365/27.322~13.36 13.36^2~178.5

 公転半径の比=[1.496*Ten(11)]/[3.844*Ten(8)]~389.2 389.2^3~5.895*Ten(7)

 Ms/Me=5.895*Ten(7)/178.5~3.30*Ten(5) 

 実際の値 Ms/Me
=[1.9891*Ten(30)]/[5.972*Ten(24)]
=[1.9891*Ten(30)]/[5.972*Ten(24)]
~3.333*Ten(5)

★ 木星の衛星イオ 木星に対する公転周期 1.769_day 公転半径 4.218*Ten(8)_m

月 周期 27.322_day 公転半径 3.844*Ten(8)_m

木星の質量 Mj

{解} 周期の比=27.322/1.769~15.44 15.44^2~238.4

 公転半径の比=[3.844*Ten(8)]/[4.218*Ten(8)]~0.9113 0.9113^3~0.7568

 Mj/Me=238.4/0.7568~315 

☆軌道上の速さ☆

◆ 地球 楕円軌道 離心率 e=0.0167 太陽からの距離 r 最小値 r_min 最大値 r_max

そこでの速さ v_max , v_min

■ 面積速度一定の法則より r_min*v_max=r_max*v_min 

軌道の式より r_max/r_min=(1+e)/(1-e)=1.0167/0.9833~1.034

 v_max/v_min=r_max/r_min=1.034 

◆ ハレー彗星 周期 T=75.3_year A=17.834_au

最小値 r_min=0.6_au 最大値 r_max そこでの速さ v_max , v_min

■ r_max=2*A-r_min=2*17.834-0.6~35.1

 v_max/v_min=r_max/r_min=38.1/0.6~63.5

☆重力加速度☆

◆ 重力加速度(単位質量に働く重力) G*M/R^2 地球で g=9.807_m/sec^2 月で gm

■ gm/g=(Mm/Me)/(Rm/Re)=(1/81.3)/(1738/6378)^2~0.166 

 gm=g*0.166=9.807*0.166~1.628_m/sec^2

◆ 月が、地球の表面上にある単位質量の物体に及ぼす大きさ \g

月-地球 Dm=384400_km Dm/Re=384400/6378~60.27

 \g/g=(Mm/Me)/(Dm/Re)=(1/81.3)/60.27^2~3.39*Ten(-6) 

◇離心率 e と、エネルギー E の関係◇

■ x'=(r*cos(a))'=r'*cos(a)-r*sin(a)*a' y'=(r*sin(a))'=r'*sin(a)+r*cos(a)*a'

 x'^2+y'^2=r'^2+r^2*a'^2=r'^2+(L/m)^2/r^2

 運動エネルギー K
=(1/2)*m*(r'^2+r^2*a'^2)
=(1/2)*m*[r'^2+(L/m)^2/r^2]

 位置エネルギー U=-G*M*m/r

 エネルギー E=(1/2)*m*[r'^2+(L/m)^2/r^2]-G*M*m/r 

{確かめ} If{円運動 r=一定=R} R^3*a'^2=G*M

 K=(1/2)*m*(L/m)^2/R^2=(1/2)*m*R^2*a'^2=(1/2)*G*M*m/R

 位置エネルギー U=-G*M*m/R ※ 2*K+U=0 ビリアル定理

 エネルギー E=-(1/2)*G*M*m/R

■ 離心率 e と、エネルギー E の関係を求めよう。E を表す式から、r',r を消去すればよい。

E を表す式  E=(1/2)*m*[r'^2+(L/m)^2/r^2]-G*M*m/r

 2*m*E=m^2*r'^2+L^2/r^2-2*G*M*m^2/r

@ u=1/l+(e/l)*cos(a) u;a=-(e/l)*sin(a)

 r'=-b*(u;a)=b*(e/l)*sin(a)=[e*L/(m*l)]*sin(a)

 m^2*r'^2=(L/l)^2*e^2*sin(a)^2 @

A 1/r=[1+e*cos(a)]/l

 L^2/r^2=(L/l)^2*[1+e*cos(a)]^2 A

 @+A=(L/l)^2*(1+2*e*cos(a)+e^2)

B 2*G*M*m^2/r
=2*G*M*m^2*[1+e*cos(a)]/l
=2*(L/l)^2*[1+e*cos(a)] B

 2*m*E=@+A-B=(L/l)^2*(e^2-1) うまく a の項が消えてくれた{!}

 e^2=1+2*m*E*l^2/L^2  離心率と E の関係

※ 通径 l=L^2/(G*M*m^2)
2つの電荷の場合 G*M*m ⇒ -[1/(4Pi*ε0)]*Q*q

▲ e=0 円運動 l=R 2*m*(-E)=(L/R)^2

■ e について

離心率 e は、そもそも、ただの積分定数にすぎなかったし、エネルギーとは、e^2 として、関係を作っているので、e が負の数であってもかまわない。だが、軌道方程式は、e*cos(a) として、関係式を作っているから、

 e*cos(a) を -e*cos(a) とわざわざしても、それは、

 -e*cos(a)=e*cos(Pi-a) と同じことになる。

e を負の数にすることは、ただ、軌道の向きを変えただけに過ぎなくなる。したがって、e>0 として話を進めても構わないことがわかる。

☆全エネルギー☆

■ r^2*a'=b=root(G*M*l)=root[G*M*A*(1-e^2)]

r=r_max で r_max^2*a'_min=root[G*M*A*(1-e^2)]

 r_max*a'_min
=root[G*M*A*(1-e^2)]/r_max  r_max=A+F=A*(1+e)
=root[G*M*A*(1-e^2)]/[A*(1+e)]
=root{G*M*(1-e)/[A*(1+e)]}

 K
=(1/2)*m*(r_max*a')^2
=(1/2)*m*{G*M*(1-e)/[A*(1+e)]}
=(1/2)*G*M*m*(1-e)/[A*(1+e)]}

一方 U=-G*M*m/r_max=-G*M*m/[A*(1+e)] だから、

 E
=K+U
=(1/2)*G*M*m*(1-e)/[A*(1+e)]}-G*M*m/[A*(1+e)]
=(1/2)*G*M*m*/[A*(1+e)]}*[(1-e)-2]
=(1/2)*G*M*m*/[A*(1+e)]}*[-(1+e)]
=-G*M*m/(2*A)

 E=-G*M*m/(2*A) _エネルギーが長半径で決まる {できた!2015/6}

☆楕円運動をする質点の速さ☆

◆ 重力源の質量 M 質点の質量 m 長半径 A 重力源と質点との距離 r

■ E=-G*M*m/(2*A) K=(1/2)*m*v^2 U=-G*M*m/r

 -G*M*m/(2*A)=(1/2)*m*v^2-G*M*m/r

 v=root[G*M*(2/r-1/A)] _質点の質量に依らない

● 重力源:地球 Vce1=root(G*Me/Re)=7.91_km/sec

重力源:太陽 Vcs1=root(G*Ms/De)=29.8_km/sec 地球の公転速度

■ 重力源が太陽の場合、

 v
=root[(G*Ms/De)*(2*De/r-De/A)]
=Vcs1*root(2*De/r-De/A)
=29.8*root(2*De/r-De/A)_km/sec 
_

重力源が地球の場合、

 v
=root[(G*Me/Re)*(2*Re/r-Re/A)]
=Vce1*root(2*Re/r-Re/A)
=7.9*root(2*Re/r-Re/A)_km/sec 
_

■ r=r_max=A*(1+e) のとき そこでの円運動の速さ Vmin=root(G*M/r_max)

 2/r-1/A=2/[A*(1+e)]-1/A=[2-(1+e)]/[A*(1+e)]=(1-e)/[A*(1+e)]

 v_min
=root[(G*M/A)*(1-e)/(1+e)]
=root[(1-e)*(G*M/r_max)]
=Vmin*root(1-e)

 v_min=Vmin*root(1-e) 

 K_min=(1/2)*m*v_min^2=(1/2)*(1-e)*m*V^2 _

楕円運動の場合は、円運動の場合より、速さが遅く、運動エネルギーが足りない。遠心力が足りずに、内側に戻って来ることになる。

■ r=r_min=A*(1-e) のとき そこでの円運動の速さ Vmax=root(G*M/r_min)

 2/r-1/A=2/[A*(1-e)]-1/A=[2-(1-e)]/[A*(1-e)]=(1+e)/[A*(1-e)]

 v_max=root[(G*M/A)*(1+e)/(1-e)]=Vmax*root(1+e)

 v_max=Vmax*root(1+e) 

 K_max=(1/2)*(1+e)*m*V^2 

楕円運動の場合は、円運動の場合より、速さが速く、運動エネルギーが余っている。重力を振り切り、外側に向かって動いていく。

■ r=A で v=root(G*M/A)  円運動の場合と同じ

☆楕円運動-まとめ-☆

「楕円運動」 2015/6

「楕円」 2015/6

● 楕円の大きさと形を表す6つの値 自由度 2

長半径 A 短半径 B 中心から焦点までの距離 F 離心率 e

近点距離 r_min 遠点距離 r_max

● 6つの値の関係

 A^2=B^2+F^2 e=F/A r_min=A-F=A*(1-e) r_max=A+F=A*(1+e)

 A=(r_min+r_max)/2

※ k=r_min/r_max e=(1-k)/(1+k) ※ 楕円の面積=Pi*A*B

◆ 太陽[質量 M 原点にあり動かない] 惑星[質量 m 位置 円座標(r,a)]

 <F>=-<ru>*G*M*m/r^2 位置エネルギー U(r)=-G*M*m/r

面積速度の2倍 b 角運動量 L 通径 l 周期 T 運動エネルギー K エネルギー E

■ b=r^2*a' L=m*r^2*a'=m*b

 l=b^2/(G*M)=(r^2*a')^2/(G*M)=L^2/(G*M*m^2)

 A=l/(1-e^2) B=l/root(1-e^2)

■ r*[1+e*cos(a)]=l

■ x=r*cos(a)+F , y=r*sin(a) と置けば x^2/A^2+y^2/B^2=1

■ b=root(G*M*l)=root[G*M*A*(1-e^2)]

 T=2Pi/root(G*M/A^3) T^2/A^3=4*Pi^2/(G*M)

■ r_min*v_max=r_max*v_min

■ E=K+U=-G*M*m/(2*A)

■ T^2=(Pi*G*M)^2/[2*(-E/m)^3]

■ e^2=1+2*m*E*l^2/L^2

☆ホーマン軌道☆

◆ 地球から金星へ 地球から火星へ 楕円軌道

平均軌道半径 金星 Av=0.72_AU 火星 Am=1.52_AU

公転速度 地球 Ve=30_km/sec

 金星 Vv=Ve/root(0.72)~30/0.85~35_km/sec

 火星 Vm=Ve/root(1.52)~30/1.23~24_km/sec

■ 地球から金星へ r_min=0.72_AU r_max=1_AU A=(0.72+1)/2=0.86_AU

 1+e=1/0.86=1.16 1-e=0.72/0.86=0.84

 周期=root(0.86^3)=0.80_year 

 v_max=Vv*root(1+e)=35*root(1.16)~37.7_km/sec  金星に到着時 金星に追いつく

 v_min=Ve*root(1-e)=30*root(0.84)~27.5_km/sec  地球からの出発時

■ 地球から火星へ r_min=1 r_max=1.52_AU A=(1+1.52)/2=1.26

 1+e=1.52/1.26=1.21 1-e=1/1.26=0.79

 周期=root(1.26^3)=1.4_year 

 v_max=Ve*root(1+e)=30*root(1.21)~33_km/sec  地球からの出発時

 v_min=Vm*root(1-e)=24*root(0.79)~21_km/sec  火星に到着時 火星に追いついてもらう


★ 地球から太陽へ r_min=0.01_AU r_max=1_AU A=(0.01+1)/2=0.505_AU

 1+e=1/0.505=1.98 1-e=0.01/0.505=0.02

 周期=root(0.505^3)=root(0.1289)=0.36_year 

 r_min での円運動の速さ=Ve/root(0.01)=30/0.1=300_km/sec

 v_max=Vv*root(1+e)=300*root(1.98)~300*1.407~420_km/sec 

 v_min=Ve*root(1-e)=30*root(0.02)~30*0.14~4.2_km/sec  地球からの出発時

★ 地球から木星へ r_min=1_AU r_max=5.2_AU 木星 A=3.1_AU

 木星の公転周期=root(5.2^3)=root(140.608)~11.9_year

 人口衛星の周期=root(3.1^3)=root(29.791)~5.5_year

 1+e=5.2/3.1~1.68 root(1.68)~1.3

 v_max=29.8*1.3~39_km/sec  出発時の速さ

★ 地球の上空から月へ

「かぐや」 r_max=384400_km r_min=7380_km r_max/r_min~52

 A=(384400+7380)/2=391780/2=195890_km T=9.96_day

月の平均軌道速度(r_max で) 1.022_km/sec

 1-e=r_min/A=7380/195890~0.0377 root(1-e)~0.193

 v_min=V*root(1-e)=1.022*0.193~0.197_km/sec~200_m/sec  到着時の速さ

 r=r_min での円運動の公転速度
=1.022*root(r_max/r_min)
=1.022*root(52)
~1.022*7.21
~7.37_km/sec

 1+e=r_max/A=384400/195890~1.9623 root(1.9623)~1.4

 v_max=7.37*1.4~10.3_km/sec  出発時の速さ

★ M=5.29*Ten(22)_kg

 G*M=[5.29*Ten(22)]*[6.67*Ten(-11)]~3.53*Ten(12)

 r_max=1100_km r_min=700_km A=900_km

 G*M/r_max=3.53*Ten(12)/1100000~3.2*Ten(6) root[3.2*Ten(6)]~1800

 G*M/r_min=3.53*Ten(12)/700000~5.04*Ten(6) root[5.04*Ten(6)]~2500

 1+e=1100/900=11/9 root(1+e)=root(11)/3~3.33/3=1.11

 1-e=700/900=7/9 root(1-e)=root7/3~2.643/3=0.881

円運動の速さ Vmin=root(G*M/r_max)=1800_m/sec

 Vmax=root(G*M/r_min)=2500_m/sec

楕円運動の速さ v_min=1800*0.881~1590_m/sec

 v_max~2500*1.11~2750_m/sec

◇力学的相似-太陽系の惑星◇

■ 太陽系の主な惑星の、太陽からの距離、公転周期、軌道速度を調べてみた。地球の値を、基準にして表してある。

力学的相似より 半径^3/周期^2=一定 速度^2*半径=一定 速度^3*周期=一定

「太陽系の惑星の運動」

 ■

地球

金星

火星

木星

半径

1

0.723

1.52

5.2

周期

1

0.625

1.908

12.065

速度

1

1.174

0.808

0.439

半径^3

1

0.378

3.511

141

周期^2

1

0.391

3.64

146

速度^2

1

1.38

0.653

0.193

速度^3

1

1.62

0.528

0.0847

半径^3/周期^2

1

0.967

0.964

0.965

速度^2*半径

1

0.998

0.993

1.00

速度^3*周期

1

1.01

1.01

1.07

▲ 半径^3/周期^2 速度^2*半径 速度^3*周期 が、ほぼ一定の値をとっていることがわかる。力学的相似のよい例になっている。{おもしろいなあ!2015/7}

  惑星の運動  

inserted by FC2 system