物理 力学 2018/1-2012/8 Yuji.W

☆ 摩擦のある斜面を転がり落ちる

落体の法則 ガリレオ・ガリレイは、斜面を転がり落ちる球の運動を元に、落体の法則を発見したそうだ。斜面の運動で、落体の法則は、本当に成り立つのだろうか。 _

【ベクトル】<A> 単位ベクトル <-u> 内積 * 外積 # 座標単位<x>,<y>,<z>
 円柱座標 <r.u>,<au>,<z> 球座標 <ru>,<au>,<bu>

【累乗】3^2=9 10^x=Ten(x) 【微積】xで微分 f(x);x 時間微分 ' 積分 $

ネイピア数ee^x=exp(x) 対数 log(a,x) log(e,x)=ln(x) log(10,x)=LOG(x)

虚数単位ii^2=-1 e^(i*x)=exp(i*x)=expi(x) 複素数zの共役複素数 \z

〓 落体の法則 〓 .

◆ ガリレオは、16世紀に、「落体の法則」を発表した。

■ 落体の法則

 ・自由落下は、質量に依らない。重い物も軽い物も、同時に落ちる。

 ・落下する距離は、時間の2乗に比例する。(t=0 で x=0 x'=0 のとき)

■ ガリレオは、斜面に、球を転がし、その正しさを示そうとした。この実験は、中学校の理科や数学で扱われることがある。

◎ 球が、摩擦のない斜面を転がるときはいいのだが、斜面を転がるとなると、自由落下とは言えないし、回転するエネルギーも必要だし、落体の法則は成り立つのだろうか?
中学校の時から気になっていたし、大人になってからも解決できないでいた。ちょっと考えてみた。

〓 斜面を転がり落ちる 〓 .

◎ 重力が、物体を落下させるのと回転させるのと、両方使われる

◆ 平らな斜面に回転体(円環or円柱or球)をそっと置く。重力がかかり、転がり落ちる。斜面には摩擦があり、滑る事はないとする。回転体には、重力と、斜面からの垂直抗力と、斜面からの摩擦力の3つの力が働く。

斜面(平面)の角度 o

回転体 密度一様 総質量 M 半径 R 慣性モーメント I=k*M*R^2 〔 k:回転体の形によって決まる定数 〕

回転する角 a 斜面上の移動距離 x=R*a

重力 M*g 斜面からの抗力 F 斜面からの摩擦力 f

質量の中心(回転体の中心)に対する角運動量 LG トルク NG

■ 質量の中心(回転体の中心)の運動の斜面方向成分

 M*x''=M*g*sin(o)-f @

質量の中心に対する回転 LG=I*a'=k*M*R^2*a' NG=f*R

 LG'=NG

 k*M*R^2*a''=f*R x で表せば k*M*x''=f A

@Aより f を消去して M*x''=M*g*sin(o)-k*M*x''

 (1+k)*M*x''=M*g*sin(o)

 x''=g*sin(o)/(1+k) _等加速度運動

落下の法則は成り立っている。

■ 球の場合 k=2/5 x''=(5/7)*g*sin(o)~0.71*g*sin(o)

円柱の場合 k=1/2 x''=(2/3)*g*sin(o)~0.67*g*sin(o)

摩擦がない場合 x''=g*sin(o)

落ちる速さ 摩擦がない場合 > 球 > 円柱

〓 エネルギー 〓 .

◆ 質量の中心の並進運動エネルギー Kt 質量の中心に対する回転エネルギー Kr 位置エネルギー U

■ 1/[1+I/(m*R^2)]=k と置けば x''=k*g*sin(o)

t=0 で x=0 x'=0 として x'=k*g*sin(o)*t x=(1/2)*k*g*sin(o)*t^2

t=0 で Kt=Kr=U=0

■ Kt=(1/2)*m*x'^2=(1/2)*m*k^2*g^2*sin(o)^2*t^2

 Kr=(1/2)*I*(x'/R)^2=(1/2)*m*[I/(m*R^2)]*k^2*g^2*sin(o)^2*t^2

 Kt+Kr=(1/2)*m*k^2*g^2*sin(o)^2*t^2*[1+I/(m*R^2)]

ここで 1/[1+I/(m*R^2)]=k であったから、

 Kt+Kr=(1/2)*m*g^2*sin(o)^2*t^2/[1+I/(m*R^2)]

一方 U
=-m*g*x*sin(o)
=-[m*g*sin(o)]*[(1/2)*k*g*sin(o)*t^2]
=-(1/2)*m*k*g^2*sin(o)^2*t^2
=-(1/2)*m*g^2*sin(o)^2*t^2/[1+I/(m*R^2)]

⇒ Kt+Kr+U=0 _時間に依らない

〓 エネルギー-2- 〓 .

◆ 高さ h の位置から転がり落ちる 質量 m 回転半径 r

慣性モーメント I=k*m*r^2〔 k:形に依る定数 〕

下まで落ちた時の並進速度 v ?

質量の中心の並進運動エネルギー Kt 質量の中心に対する回転エネルギー Kr 位置エネルギー U

■ U=m*g*h

 Kt=(1/2)*m*v^2

 Kr=(1/2)*I*(v/r)^2=(1/2)*(k*m*r^2)*(v/r)^2=(1/2)*k*m*v^2

 Kt+Kr=(1/2)*m*v^2+(1/2)*k*m*v^2=(1/2)*(1+k)*m*v^2

エネルギー保存より m*g*h=(1/2)*(1+k)*m*v^2

 v=root[2*g*h/(1+k)] _

■ 質点 k=0 v0=root(2*g*h)

 v/v0=1/root(1+k)

球 k=2/5 v/v0=root(5/7)~0.85

円盤 k=1/4 v/v0=root(4/5)~0.89

■ I=(m1*r1^2+m2*r2^2)/4 回転軸の半径 r2 のとき、

 U=(m1+m2)*g*h

 Kt=(1/2)*(m1+m2)*v^2

 Kr
=(1/2)*I*(v/r2)^2
=(1/2)*[(m1*r1^2+m2*r2^2)/4]*(v/r2)^2
=(1/8)*[m1*(r1/r2)^2+m2]*v^2

 Kt+Kr
=(1/2)*(m1+m2)*v^2+(1/8)*[m1*(r1/r2)^2+m2]*v^2
=(1/8)*v^2*[4*(m1+m2)+m1*(r1/r2)^2+m2]
=(1/8)*v^2*{[4+(r1/r2)^2]*m1+5*m2}

エネルギー保存より、

 (m1+m2)*g*h=(1/8)*v^2*{[4+(r1/r2)^2]*m1+5*m2}

 v=root[8*g*h*(m1+m2)/{[4+(r1/r2)^2]*m1+5*m2}]

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