物理 > 力学  2015/7-2012/8  Yuji.W

☆斜面を転がり落ちる☆

◎ 落体の法則 ガリレオ・ガリレイは、斜面を転がり落ちる球の運動を元に、落体の法則を発見したそうだ。斜面の運動で、落体の法則は、本当に成り立つのだろうか。

◎ おむすびコロリンすっとんとん

「慣性モーメント」 2015/7

■ 面密度一定 半径 R 質量 m I0=m*R^2

円環 Ic/I0=1  円柱 Ic/I0=1/2

円筒 内半径 R1 外半径 R2 Ic=(M/2)*(R2^2+R1^2)

■ 球 密度一定 半径 R 質量 m I0=m*R^2 Ic/I0=2/5

〔表記2015/06/16〕ベクトル<> 座標単位ベクトル<xu>,<yu>,<zu> 内積* 外積#
微分; 
時間微分' 積分$ 10^x=Ten(x) e^(i*x)=expi(x) 物理定数 

◇落体の法則◇

◆ ガリレオは、16世紀に、「落体の法則」を発表した。

■ 落体の法則

 ・自由落下は、質量に依らない。重い物も軽い物も、同時に落ちる。

 ・落下する距離は、時間の2乗に比例する。(t=0 で x=0 x'=0 のとき)

■ ガリレオは、斜面に、球を転がし、その正しさを示そうとした。この実験は、中学校の理科や数学で扱われることがある。

◎ 球が、摩擦のない斜面を転がるときはいいのだが、斜面を転がるとなると、自由落下とは言えないし、回転するエネルギーも必要だし、落体の法則は成り立つのだろうか?
中学校の時から気になっていたし、大人になってからも解決できないでいた。ちょっと考えてみた。

◇斜面を滑り落ちる-エネルギーで考える◇

◎ 転がらない 回転エネルギーはない

◆ 斜面の摩擦 0 斜面(平面)の角度 o 斜面上の移動距離 x

■ 斜面からの垂直効力が働くが、運動方向とは垂直だから、エネルギーには関係ない。

 (1/2)*m*x'^2=m*g*x*sin(o)

 x'^2=2*m*g*sin(o)*x

 x=(1/2)*sin(o)*g*t^2  質量に依らない、時間の2乗に比例、落体の法則が成り立つ

◇斜面を転がり落ちる◇

◎ 重力が、物体を落下させるのと回転させるのと、両方使われる

「2質点系の運動」 2015/7

◆ 2質点 質量 m1,m2 m1+m2=M 質量は変化しないとする 位置 <r1>,<r2>

質点1にかかる全外力 <F1> 質点2にかかる全外力 <F2>

質点2から1への内力 <f21> 質点1から2への内力 <f12> <f21>+<f12>=0

それぞれの質点にかかる力の作用点は、その質点の位置と同じ

トルク <N>

全運動量 <p> 全角運動量 <L> 全運動エネルギー K

質量の中心の運動量 <pCM> 角運動量 <LCM> 運動エネルギー KCM

質量の中心系で全運動量 <pG> 全角運動量 <LG> 運動エネルギー KG

■ <p>'=<F(外力)> <L>'=<N(外力)> K'=<F1>*<r1>'+<F2>*<r2>'

質量の中心 <G>=(m1*<r1>+m2*<r2>)/M

 <pCM>=M*<G>'=<p> <pcM>'=M*<G>''=<p>'=<F(外力)>

 <LCM>'=[<G>#(M*<G>')]'=<G>#<F(外力)>

 KCM'=[(1/2)*M*<G>'^2]'=<F(外力)>*<G>'

質量の中心系 質量の中心を原点とし、慣性系に対して回転していない系

 <pG>=0 <L>=<LG>+<LCM> K=KG+KCM

◆ 回転体(円環or円柱or球) 中身は一様 質量 m 半径 R 慣性モーメント I=k*m*R^2

 ※ k の値(円環 1 円柱 1/2 球 2/5) 回転する角 a

斜面(平面)の角度 o 斜面上の移動距離 x

t=0 で x=0 , x'=0

■ 働く力は、重力 m*g 斜面からの垂直抗力 N 斜面からの摩擦力 F

まず、質量の中心(回転体の中心)の運動を考える

 斜面方向 m*x''=m*g*sin(o)-F …@  摩擦力が邪魔をする、抗力は寄与しない

 斜面と垂直方向 m*g*cos(o)=N

質量の中心系の角運動量を考える。質量の中心を原点とする。重力と抗力は質量の中心を通る力だから、そのトルクは 0 。摩擦力がのみ寄与する。 

 トルク=F*R

質量の中心系の角運動量 LG=I*a' だから、

 LG'=F*R I*a''=F*R k*m*R^2*a''=F*R

変数 a を x にして k*m*R^2*(x''/R)=F*R k*m*x''=F …A

@Aより F を消去して m*(1+k)*x''=m*g*sin(o)

 x''=g*sin(o)/(1+k)  k は形による定数 落体の法則は成り立っている

 x'=[g*sin(o)/(1+k)]*t

 x=(1/2)*[g*sin(o)/(1+k)]*t^2

円柱の場合 k=1/2 x''=(2/3)*g*sin(o)  重力の 1/3 は回転するために使われる

球の場合 k=2/5 x''=(5/7)*g*sin(o)  重力の 2/7 は回転するために使われる

■ 摩擦係数、斜面の角度  摩擦係数 μ=F/N 0<μ<1

 F=k*m*x''=m*g*sin(o)*k/(1+k) N=m*g*cos(o)

 μ=F/N=[m*g*sin(o)*k/(1+k)]/[m*g*cos(o)]=tan(o)*k/(1+k)  o は、滑らないで、回転するときの、最大斜度を表す

円柱の場合 k=1/2 k/(1+k)=1/3 tan(o)=3*μ

 μ=1 で o~72° μ=1/2 で o~56° μ=0.2 で o~31° μ=0.1 で o~17°

球の場合 k=2/5 k/(1+k)=2/7 tan(o)=(7/2)*μ

 μ=1 で o~74° μ=1/2 で o~60° μ=0.2 で o~35° μ=0.1 で o~19°

{別解} 斜面上の始点を基準にする

トルクを考える。斜面上の始点を基準にしたから、摩擦力によるトルクは 0 。抗力も寄与しない。重力のみ寄与する。 

 回転体に働くトルク=m*g*sin(o)*R

角運動量は、回転する分 LG と斜面を動いていく分 LCM と両方ある

 質量の中心の周りの角運動量 LG=I*a'

 質量の中心の角運動量 LCM=m*x'*R  ※ 直線運動でも角運動量がある

 全角運動量 L
=LG+LCM
=I*a'+m*x'*R
=k*m*R^2*(x'/R)+m*x'*R
=k*m*R*x'+m*x'*R
=(1+k)*m*R*x'

 (1+k)*m*R*x''=m*g*sin(o)*R

 x''=g*sin(o)/(1+k)  質量や大きさに依らない

▲ ガリレオ・ガリレイの落体の法則は成り立っている事がわかった。{40年来の疑問が解けた!2012/8}ただし、重力の一部は、回転する事に使われるから、移動する距離は減少する。

{理科や物理の教科書で、回転の効果を考慮せず、x''=g*sin(o) としているのが多い!2015/7}

◇斜面を転がり落ちる-エネルギー◇

◆ 質量の中心の運動エネルギー K 質量の中心に対する回転エネルギー Kr 位置エネルギー U

■ K=(1/2)*m*x'^2

 Kr=(1/2)*I*a'^2=(1/2)*[k*m*R^2]*(x'/R)^2=(1/2)*k*m*x'^2

 K+Kr
=(1/2)*(1+k)*m*x'^2
=(1/2)*(1+k)*m*[g*sin(o)/(1+k)]^2*t^2
=(1/2)*m*g^2*[sin(o)^2/(1+k)]*t^2

 U
=-m*g*sin(o)*x
=-m*g*sin(o)*{(1/2)*[g*sin(o)/(1+k)]*t^2}
=-(1/2)*m*g^2*[sin(o)^2/(1+k)]*t^2

 Kr+K+U=0  時間に依らず常に 0

斜面を転がり落ちる 

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