☆ コンプトン効果 ☆

お勉強しよう 特殊相対性理論 2022.2-2012.9 Yuji.W

〇 電子と光子の弾性衝突 光は粒(量子)である  

【数学】2*3=6 6/2=3 3^2=9 1000=10^3=Ten(3)   000 py- 0table 
微分 ; 偏微分 : 積分 $ ネイピア数 e 虚数単位 i e^(i*x)=expi(x) 

ベクトル <A> 縦ベクトル <A) 単位ベクトル <Au> 内積 * 外積 # 

【特殊相対性理論】(3|=2.99792458 光速 c=(3|*Ten(8)_m/sec 
速さ(対光速比) b 相対論効果率 Γ(b)=1/root(1-b^2) Λ(b)=Γ(b)*b 

〓 コンプトン効果とは 〓 

〇 X線(エネルギー 1_keV程度)を金属箔に当てる。まっすぐ通過するX線もあるが、違う角度に散乱されるX線もある。

2種類の散乱がある。

① トムソン散乱 光子が、金属の原子核によって散乱される。原子核は、ほとんど、影響を受けない。X線のエネルギーも変化がない。

② コンプトン効果 光子が、金属内の自由電子(エネルギー 500_keV)によって散乱される。光子のエネルギーの一部が、電子の運動エネルギーになる。光子のエネルギーは少しだけ小さくなり、波長は伸びる。散乱される方向に依って、波長の伸び具合も変化する。1923年、A.H.Compton が理論的根拠を発見。

〇 1905年、アインシュタインが光電効果に関する論文を発表し、光は粒として考えた方がよい事を主張した。当時はその理論に反対する学者もいたが、その後認められ、1921年にノーベル賞を受賞する功績のひとつとなった。(特殊相対性理論は、ノーベル賞授与の功績にはあげられなかった。)

コンプトン効果の理論は、光が粒(量子)である事を、さらに補完するものである。  

〓 コンプトン効果.1次元 〓 

▢ 光の1種のX線[エネルギー 1_keV程度]が、静止している孤立自由電子(自由に動ける電子)[エネルギー 500_keV]に衝突し、真反対に跳ね返される場合を考える。現象は直線上で起こる。

電子の質量(光速の2乗倍) @m

衝突前、
光子のエネルギーと運動量(光速倍) E0 
全エネルギー @m+E0 全運動量(光速倍) E0

衝突後の光子のエネルギー E 運動量(光速倍) -E

▲ 衝突後の光子のエネルギーは計測できる。衝突後の電子の動きの計測は難しい。

▷ エネルギー保存より (衝突後の電子のエネルギー)=@m+E0-E

運動量保存より (衝突後の電子の運動量(光速倍))=E0+E

衝突後の電子のローレンツ不変量 (@m+E0-E)^2=@m^2+(E0+E)^2  

 (@m+E0)^2-2*(@m+E0)*E+E^2=@m^2+E0^2+2*E0*E+E^2

 E=@m*E0/(@m+2*E0)  光子が真反対に跳ね返される場合

★ E0/@m=1/500 のとき、

 E/E0=1/(1+2*E0/@m)=1/(1+2/500)=1/1.004~0.996

光子は 0.4% だけ、エネルギーを失う。波長が少しだけ伸びる。

〓 コンプトン効果.2次元 〓 

▢ 光子が、静止している孤立自由電子(自由に動ける電子)に衝突し、直角方向に跳ね返される場合を考える。

電子の質量(光速の2乗倍) @m

衝突前、
光子のエネルギー E0 <運動量(光速倍)>=<xu>*E0
全エネルギー @m+E0 <全運動量(光速倍)>=<xu>*E0

衝突後 光子のエネルギー E <運動量(光速倍)>=<yu>*E

▷ エネルギー保存より (衝突後の電子のエネルギー)=@m+E0-E

運動量保存より、

 <(衝突後の電子の運動量(光速倍))>=<xu>*E0-<yu>*E

 |<(衝突後の電子の運動量(光速倍))>|^2=E0^2+E^2

衝突後の電子のローレンツ不変量 (@m+E0-E)^2=@m^2+E0^2+E^2  

 (@m+E0)^2-2*(@m+E0)*E+E^2=@m^2+E0^2+E^2

 E=@m*E0/(@m+E0)  光子が直角方向に跳ね返される場合

★ E0/@m=1/500 のとき、

 E/E0=1/(1+E0/@m)=1/(1+1/500)=1/1.002~0.998

光子は 0.2% だけ、エネルギーを失う。波長が少しだけ伸びる。

〓 コンプトン効果.2次元 〓 

▢ 光子が、静止している孤立自由電子(自由に動ける電子)に衝突する。光子はx軸上を進んできたとする。光子や電子が飛び去る方向は、1平面に限られているわけではなく、3次元的に任意の方向をとる事ができる。1回の衝突だけを考えれば、運動量保存の法則より、1平面上に限られる。その平面を xy平面 とする。

電子の質量(光速の2乗倍) @m

衝突前、
光子のエネルギー E0 光子の運動量(光速倍) <xu>*E0
全エネルギー @m+E0 <全運動量(光速倍)>=<xu>*E0

衝突後 光子のエネルギー E <運動量(光速倍)>=E*[<xu>*cos(a)+<yu>*sin(a)]

▷ エネルギー保存より (衝突後の電子のエネルギー)=@m+E0-E

運動量保存より 

 <(衝突後の電子の運動量(光速倍))>
=<xu>*E0-E*[<xu>*cos(a)+<yu>*sin(a)]
=<xu>*[E0-E*cos(a)]-<yu>*E*sin(a)

 |<(衝突後の電子の運動量(光速倍))>|^2=[E0-E*cos(a)]^2+E^2*sin(a)^2

衝突後の電子のローレンツ不変量、

 (@m+E0-E)^2=@m^2+[E0-E*cos(a)]^2+E^2*sin(a)^2  

 (左辺)=(@m+E0)^2-2*(@m+E0)*E+E^2

 (右辺)
=@m^2+E0^2-2*E0*E*cos(a)+E^2*cos(a)^2+E^2*sin(a)^2
=@m^2+E0^2-2*E0*E*cos(a)+E^2

 E=@m*E0/{@m+E0*[1-cos(a)]}  散乱される光子のエネルギー

{槍ヶ岳登山の途中、ヒュッテ大槍で解けた!2012.9.21}{すっきり解けた!2021.2}

〓 コンプトン効果 波長の変化 〓 

▢ コンプトン効果  入射光子の波長 λ0  散乱後の光子の波長 λ  Δλ=λ-λ0

プランク定数 ℎ コンプトン波長 λc=c*ℎ/@m=ℎ/(c*m)

▷ 量子力学より、プランク定数 ℎ を使って E0=c*ℎ/λ0  E=c*ℎ/λ

 Δλ=λ-λ0=c*ℎ*(1/E-1/E0)

ここで  1/E-1/E0
={@m+E0*[1-cos(a)]}/(@m*E0)-1/E0
={@m+E0*[1-cos(a)]-@m}/(@m*E0)
=[1-cos(a)]/@m 

 Δλ=(c*ℎ/@m)*[1-cos(a)]=λc*[1-cos(a)]  

▷ (電子の)コンプトン波長 λc=ℎ/(c*m)

 ℎ=6.62606957*Ten(-34)_J*sec

 c=2.99792458*Ten(8)_m/sec

 m(電子)=9.10938291*Ten(-31)_kg

 λc~2.423310*Ten(-12)_m  ※可視光の波長 5*Ten(-7)_m

{コンプトン効果を検出するには、かなり精密な精度を要求される!}

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