☆ コンプトン効果 ☆ |
〇 電子と光子の弾性衝突 光は粒(量子)である ★ |
【数学】2*3=6 6/2=3 3^2=9 1000=10^3=Ten(3) 000 py- 0table ベクトル <A> 縦ベクトル <A) 単位ベクトル <Au> 内積 * 外積 # |
【特殊相対性理論】(3|=2.99792458 光速
c=(3|*Ten(8)_m/sec |
〓 コンプトン効果とは 〓 〇 X線(エネルギー 1_keV程度)を金属箔に当てる。まっすぐ通過するX線もあるが、違う角度に散乱されるX線もある。 2種類の散乱がある。 ① トムソン散乱 光子が、金属の原子核によって散乱される。原子核は、ほとんど、影響を受けない。X線のエネルギーも変化がない。 ② コンプトン効果 光子が、金属内の自由電子(エネルギー 500_keV)によって散乱される。光子のエネルギーの一部が、電子の運動エネルギーになる。光子のエネルギーは少しだけ小さくなり、波長は伸びる。散乱される方向に依って、波長の伸び具合も変化する。1923年、A.H.Compton が理論的根拠を発見。 〇 1905年、アインシュタインが光電効果に関する論文を発表し、光は粒として考えた方がよい事を主張した。当時はその理論に反対する学者もいたが、その後認められ、1921年にノーベル賞を受賞する功績のひとつとなった。(特殊相対性理論は、ノーベル賞授与の功績にはあげられなかった。) コンプトン効果の理論は、光が粒(量子)である事を、さらに補完するものである。 ★ |
〓 コンプトン効果.1次元 〓 ▢ 光の1種のX線[エネルギー 1_keV程度]が、静止している孤立自由電子(自由に動ける電子)[エネルギー 500_keV]に衝突し、真反対に跳ね返される場合を考える。現象は直線上で起こる。 電子の質量(光速の2乗倍) @m 衝突前、 衝突後の光子のエネルギー E 運動量(光速倍) -E ▲ 衝突後の光子のエネルギーは計測できる。衝突後の電子の動きの計測は難しい。 ▷ エネルギー保存より (衝突後の電子のエネルギー)=@m+E0-E 運動量保存より (衝突後の電子の運動量(光速倍))=E0+E 衝突後の電子のローレンツ不変量 (@m+E0-E)^2=@m^2+(E0+E)^2 ★ (@m+E0)^2-2*(@m+E0)*E+E^2=@m^2+E0^2+2*E0*E+E^2 E=@m*E0/(@m+2*E0) ★ 光子が真反対に跳ね返される場合 ★ E0/@m=1/500 のとき、 E/E0=1/(1+2*E0/@m)=1/(1+2/500)=1/1.004~0.996 光子は 0.4% だけ、エネルギーを失う。波長が少しだけ伸びる。 |
〓 コンプトン効果.2次元 〓 ▢ 光子が、静止している孤立自由電子(自由に動ける電子)に衝突し、直角方向に跳ね返される場合を考える。 電子の質量(光速の2乗倍) @m 衝突前、 衝突後 光子のエネルギー E <運動量(光速倍)>=<yu>*E ▷ エネルギー保存より (衝突後の電子のエネルギー)=@m+E0-E 運動量保存より、 <(衝突後の電子の運動量(光速倍))>=<xu>*E0-<yu>*E |<(衝突後の電子の運動量(光速倍))>|^2=E0^2+E^2 衝突後の電子のローレンツ不変量 (@m+E0-E)^2=@m^2+E0^2+E^2 ★ (@m+E0)^2-2*(@m+E0)*E+E^2=@m^2+E0^2+E^2 E=@m*E0/(@m+E0) ★ 光子が直角方向に跳ね返される場合 ★ E0/@m=1/500 のとき、 E/E0=1/(1+E0/@m)=1/(1+1/500)=1/1.002~0.998 光子は 0.2% だけ、エネルギーを失う。波長が少しだけ伸びる。 |
〓 コンプトン効果.2次元 〓 ▢ 光子が、静止している孤立自由電子(自由に動ける電子)に衝突する。光子はx軸上を進んできたとする。光子や電子が飛び去る方向は、1平面に限られているわけではなく、3次元的に任意の方向をとる事ができる。1回の衝突だけを考えれば、運動量保存の法則より、1平面上に限られる。その平面を xy平面 とする。 電子の質量(光速の2乗倍) @m 衝突前、 衝突後 光子のエネルギー E <運動量(光速倍)>=E*[<xu>*cos(a)+<yu>*sin(a)] ▷ エネルギー保存より (衝突後の電子のエネルギー)=@m+E0-E 運動量保存より <(衝突後の電子の運動量(光速倍))> |<(衝突後の電子の運動量(光速倍))>|^2=[E0-E*cos(a)]^2+E^2*sin(a)^2 衝突後の電子のローレンツ不変量、 (@m+E0-E)^2=@m^2+[E0-E*cos(a)]^2+E^2*sin(a)^2 ★ (左辺)=(@m+E0)^2-2*(@m+E0)*E+E^2 (右辺) E=@m*E0/{@m+E0*[1-cos(a)]} ★ 散乱される光子のエネルギー {槍ヶ岳登山の途中、ヒュッテ大槍で解けた!2012.9.21}{すっきり解けた!2021.2} |
〓 コンプトン効果 波長の変化 〓 ▢ コンプトン効果 入射光子の波長 λ0 散乱後の光子の波長 λ Δλ=λ-λ0 プランク定数 ℎ コンプトン波長 λc=c*ℎ/@m=ℎ/(c*m) ▷ 量子力学より、プランク定数 ℎ を使って E0=c*ℎ/λ0 E=c*ℎ/λ Δλ=λ-λ0=c*ℎ*(1/E-1/E0) ここで 1/E-1/E0 Δλ=(c*ℎ/@m)*[1-cos(a)]=λc*[1-cos(a)] ★ ▷ (電子の)コンプトン波長 λc=ℎ/(c*m) ℎ=6.62606957*Ten(-34)_J*sec c=2.99792458*Ten(8)_m/sec m(電子)=9.10938291*Ten(-31)_kg λc~2.423310*Ten(-12)_m ※可視光の波長 5*Ten(-7)_m {コンプトン効果を検出するには、かなり精密な精度を要求される!} |