☆ 衝突.1次元 ☆ |
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◎ 衝突1次元 簡単すぎるとバカにしてはいけない。運動量、エネルギーなどを考えるのに、いい例となる。大事{!} 弾性衝突elastic collision 非弾性 inelastic ★_ 〔物理定数〕 |
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ベクトル <A> 内積 * 外積 # 10^x=Ten(x) 微分 ;x 時間微分 ' 積分 $ |
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〓 衝突問題 〓 ◎ 次のような「衝突問題」を考える。 ・2粒子が衝突する。3粒子が同時に衝突する事は自然界でも実験室でもほとんどないから、考えない。 ・衝突後は、そのまま2粒子でもいいし、1粒子に合体してもいいし、3粒子に分裂してもいい。質量も変化してもよい。ただし、非相対論なので、質量の和は変化しない。 ・衝突は、非常に短い時間で行われる。それ以外には、粒子同士は力を及ぼしあわない。 ・外力なし。衝突前も、衝突後も、等速直線運動をしている。 ・保存される物理量 @ 質量の和 A 運動量の和 B エネルギーの和 ただし 完全弾性衝突では C 運動エネルギーの和 も保存される {以上の前提をはっきりさせないで、衝突問題を扱うから、わからなくなく!1809} |
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〓 完全弾性衝突.1次元-質量の中心系で 〓 ◎ 質量の中心系(重心系)では、全運動量が 0 ※ 全運動量が 0 になるようにしたのが、質量の中心系 ◆ 直線上の2粒子が完全弾性衝突 質量 m1,m2 変化なし 外力なし 質量の中心系(重心系)で扱う 粒子の速さ 衝突前 v10G,v20G 衝突後 v1G,v2G ■ 質量の中心系(重心系)で、全運動量は 0 であるから、 m1*v10G+m2*v20G=m1*v1G+m2*v2G=0 完全弾性衝突では、運動エネルギーが保存されるとするから、
(1/2)*m1*v10G^2+(1/2)*m2*v20G^2 以上の2式を同時に満たすのは、次の2つの場合だけ。 @ v1G=v10G & v2G=v20G 衝突しないで、ただ通り過ぎただけ。当然、運動量も運動エネルギーも保存される。 A v1G=-v10G & v2G=-v20G ★_速さは変化しない。方向が逆になるだけ。 |
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〓 完全弾性衝突.1次元-質量の中心系で 〓 ◎ 質量の中心系(重心系)では、全運動量が 0 ※ 全運動量が 0 になるようにしたのが、質量の中心系 ◆ 直線上の2粒子 質量 m1,m2 外力なし 全運動エネルギーが保存される場合
※ v2G<0 & \v1G<0 ■ 質量の中心系で、 運動量 m1*v1G+m2*v2G=m1*\v1G+m2*\v2G=0 運動エネルギー*2 m1*v1G^2+m2*v2G^2=m1*\v1G^2+m2*\v2G^2 v2G,\v2G を消去して、 m1*v1G^2+v1G^2*m2*(m1/m2)^2 m1*(m1+m2)*v1G^2=m1*(m1+m2)*\v1G^2 \v1G=v1G or \v1G=-v1G 前者は、ただ通り過ぎるだけで、衝突とは言えないから省いて、 \v1G=-v1G & \v2G=-v2G ★.方向が変わっただけ |
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〓 完全弾性衝突.1次元-2- 〓 ◎ 質量の中心系(重心系)での結果を利用する ◆
質量の中心(重心)の速さ Vc=(m1*v1+m2*v2)/(m1+m2) (一般の慣性系での速さ)=(質量の中心系での速さ)+Vc ■ v1=v1G+Vc v2=v2G+Vc \v1=\v1G+Vc \v2=\v2G+Vc だから、 v1G v2G=(-v1+v2)*m1/(m1+m2) \v1G=-v1G=(-v1+v2)*m2/(m1+m2) \v1 \v2 ≫ \v1=v1*(m1-m2)/(m1+m2)+v2*2*m2/(m1+m2) ▲ 質量の中心系の結果を利用した場合と同じ |
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〓 完全弾性衝突.1次元.一方が静止 〓 ◎ 運動エネルギーが保存される場合 ◆ 直線上の2粒子 質量 m1,m2 外力なし 運動エネルギーが保存される場合 衝突前の速さ v1,0 衝突後の速さ \v1,\v2
■ 運動量は保存される m1*v1=m1*\v1+m2*\v2 @ 運動エネルギーは保存される その2倍を考えて、 m1*v^2=m1*\v1^2+m2*\v2^2 A 既知量 m1,m2,v1 未知量 \v1,\v2 @Aより \v2 を消去して、 m1*v1^2=m1*\v1^2+m2*(v1-\v1)^2*(m1/m2)^2 m2*\v1^2+m1*(v-\v1)^2-m2*v1^2=0 (m1+m2)*\v1^2-2*m1*v1*\v1+(m1-m2)*v1^2=0 因数分解できて、 (\v1-v1)*[(m1+m2)*\v1-(m1-m2)*v1]=0 \v1=v1 or \v1/v1=(m1-m2)/(m1+m2) \v1=v1 は、衝突しないで、ただ通り過ぎているだけだから、除いて、 \v1=v1*(m1-m2)/(m1+m2) v1-\v1 \v2 ≫ \v1/v1=(m1-m2)/(m1+m2) & \v2/v1=2*m1/(m1+m2) ★. |
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〓 完全弾性衝突.1次元 〓 ◎ 一方が静止していた場合の結果を利用する ◆ 直線上の2粒子 質量 m1,m2 外力なし 運動エネルギーが保存される場合 衝突前の速さ v1,v2 衝突後の速さ \v1,\v2
■ 衝突前の粒子Aと共に等速直線運動をする系で考える。
前項の結果を使って、 (\v1-v2)/(v1-v2)=(m1-m2)/(m1+m2) & (\v2-v2)/(v1-v2)=2*m1/(m1+m2) \v1 \v2 まとめて、 \v1=v1*(m1-m2)/(m1+m2)+v2*2*m2/(m1+m2) {復習するたびに理解が進む!2016/4} ■【 同質量のとき 】m1=m2=m \v1=v2 \v2=v1 ★.速さが入れ替わる ■【 正面衝突 】v1>0 & v2 を -v2 で置き換えると、 \v1=v1*(m1-m2)/(m1+m2)-v2*2*m2/(m1+m2) |
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〓 完全弾性衝突.1次元.エネルギー 〓 ◆ 直線上の2粒子 質量 m1,m2 外力なし 運動エネルギーが保存される場合 速さ 衝突前 v1,v2 衝突後 \v1,\v2 運動エネルギー 衝突前 K1,K2 衝突後 \K1,\K2 ■【 運動エネルギーの差 】 \v1=v1*(m1-m2)/(m1+m2)+v2*2*m2/(m1+m2) \v1^2 2*(\E1-E1)*(m1+m2)^2/m1 \K1-K1=2*m1*m2*(m2*v2+m1*v1)*(v2-v1)/(m1+m2)^2 ■【 追いかけていって衝突 】v1>v2>0 \K1-K1<0 運動エネルギーの一部が、@からAへ移る ■【 正面衝突 】v2 を -v2 と置き換えると、 \K1-K1=-2*m1*m2*(m1*v1-m2*v2)*(v1+v2)/(m1+m2)^2 この式で v1>0 & v2>0 m1*v1>m2*v2 のとき、 \K1<K1 運動エネルギーの一部が、@からAへ移る この式で v1>0 & v2>0 m1*v1<m2*v2 のとき、 \K1>K1 運動エネルギーの一部が、Aから@へ移る |
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〓 {計算例}完全弾性衝突.1次元 〓 ◆ 直線上の2粒子 質量 m1,m2 外力なし 運動エネルギーが保存される場合 速さ 衝突前 v1,v2 衝突後 \v1,\v2 運動量 衝突前 p1,p2 衝突後 \p1,\p2 運動エネルギー 衝突前 K1,K2 衝突後 \K1,\K2 ★ m1=2 m2=1 v1=2 v2=1 のとき \v1=4/3 \v2=7/3 p1=4 p2=1 \p1=8/3 \p2=7/3 p1+p2=\p1+\p2=5 K1=4 K2=1/2 \K1=16/9 \K2=49/18 K1+K2=\K1+\K2=9/2 \K1-K1=-20/9 \K2-K2=20/9 運動エネルギーの一部が、@からAへ移った {別解} \K1-K1=-4 *(1+4)/9=-20/9 ★ m1=1 m2=2 v1=2 v2=1 のとき \v1=-2/3+4/3=2/3 \v2=4/3+1/3=5/3 p1=2 p2=2 \p1=2/3 \p2=10/3 p1+p2=\p1+\p2=4 K1=2 K2=1 \K1=2/9 \K2=25/9 K1+K2=\K1+\K2=3 \K1-K1=-16/9 \K2-K2=16/9 運動エネルギーの一部が、@からAへ移った ★ m1=2 m2=1 v1=1 v2=-1 のとき \v1=1/3-2/3=-1/3 \v2=4/3+1/3=5/3 p1=2 p2=-1 \p1=-2/3 \p2=5/3 p1+p2=\p1+\p2=1 K1=1 K2=1/2 \K1=1/9 \K2=25/18 K1+K2=\K1+\K2=3/2 \K1-K1=-8/9 \K2-K2=8/9 運動エネルギーの一部が、@からAへ移った ★ m1=2 m2=1 v1=1 v2=-2 のとき \v1=1/3-4/3=-1 \v2=4/3+2/3=2 p1=2 p2=-2 \p1=-2 \p2=2 p1+p2=\p1+\p2=0 K1=1 K2=2 \K1=1 \K2=2 K1+K2=\K1+\K2=3 \K1-K1=0 \K2-K2=0 運動エネルギーの変化はない ★ m1=2 m2=1 v1=1 v2=-3 のとき \v1=1/3-2=-5/3 \v2=4/3+1=7/3 p1=2 p2=-3 \p1=-10/3 \p2=7/3 p1+p2=\p1+\p2=-1 K1=1 K2=9/2 \K1=25/9 \K2=49/18 K1+K2=\K1+\K2=11/2 \K1-K1=16/9 \K2-K2=-16/9 運動エネルギーの一部が、Aから@へ移った |
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〓 完全弾性衝突.1次元-質量の中心系で 〓 ◎ 質量の中心系(重心系)では、全運動量が 0 ※ 全運動量が 0 になるようにしたのが、質量の中心系 ◆ 直線上の2粒子 質量 m1,m2 外力なし 全運動エネルギーが保存される場合
※ v2G<0 & \v1G<0 ■ 質量の中心系で、 運動量 m1*v1G+m2*v2G=m1*\v1G+m2*\v2G=0 運動エネルギー*2 m1*v1G^2+m2*v2G^2=m1*\v1G^2+m2*\v2G^2 v2G,\v2G を消去して、 m1*v1G^2+v1G^2*m2*(m1/m2)^2 m1*(m1+m2)*v1G^2=m1*(m1+m2)*\v1G^2 \v1G=v1G or \v1G=-v1G 前者は、ただ通り過ぎるだけで、衝突とは言えないから省いて、 \v1G=-v1G & \v2G=-v2G ★.方向が変わっただけ |
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〓 完全弾性衝突.1次元-2- 〓 ◎ 質量の中心系(重心系)での結果を利用する ◆
質量の中心(重心)の速さ Vc=(m1*v1+m2*v2)/(m1+m2) (一般の慣性系での速さ)=(質量の中心系での速さ)+Vc ■ v1=v1G+Vc v2=v2G+Vc \v1=\v1G+Vc \v2=\v2G+Vc だから、 v1G v2G=(-v1+v2)*m1/(m1+m2) \v1G=-v1G=(-v1+v2)*m2/(m1+m2) \v1 \v2 ≫ \v1=v1*(m1-m2)/(m1+m2)+v2*2*m2/(m1+m2) ▲ 質量の中心系の結果を利用した場合と同じ |
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〓 {まとめ} 〓
★ v2=0 m1/m2<<1 のとき、 \v1/v1=-(1-m1/m2)^2=-1+2*m1/m2 \v2/v1=2*(m1/m2)/(1+m1/m2)=2*m1/m2 |
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〓 {計算例} 〓 ★ 中性子が、静止しているC12の原子核に正面衝突(完全弾性衝突) m2/m1=12 \v1=v1*(1-12)/(1+12)=-(11/13)*v1 {確かめ} 運動エネルギー 衝突前 K1,0 衝突後 \K1,\K2 \K1/K1=(\v1/v1)^2=(11/13)^2=121/169 \K2/K1=(m2/m1)*(\v2/v1)^2=12*(2/13)^2=48/169 (\K1+\K2)/K1=121/169+48/169=169/169=1 |
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〓 ほぼ完全弾性衝突、質量の中心系で 〓 ◎ 質量の中心系(重心系)では、全運動量が 0 ※ 全運動量が 0 になるようにしたのが、質量の中心系 ◆ 直線上の2粒子 質量 m1,m2 外力なし 全運動エネルギーが保存される場合 全運動エネルギーが (1-f) になる 0≦f<<1 ■ 質量の中心系で、 運動量 m1*v1G+m2*v2G=m1*\v1G+m2*\v2G=0 v2G/v1G=\v2G/\v1G=-m1/m2 運動エネルギー*2 m1*v1G^2+m2*v2G^2=(1-f)*[m1*\v1G^2+m2*\v2G^2] 左辺=m1*v1G^2+m2*(m1/m2)^2*v1G^2=v1G^2*(m1+m2)*m1/m2 右辺=(1-f)*\v1G^2*(m1+m2)*m1/m2 v1G^2=(1-f)*\v1G^2 ここで root(1-f)=1-f/2 だから \v1G=-(1-f/2)*v1G , \v2G=-(1-f/2)*v2G ★ ■ Vc=(m1*v1+m2*v2)/(m1+m2) だから、 一般の系で、 \v1-Vc=-(1-f/2)*(v1-Vc) , \v2-Vc=-(1-f/2)*(v2-Vc) \v1 \v1={[1-(1-f/2)*k]*v1+(2-f/2)*k*v2}/(1+k) ■ 衝突前に、粒子2が静止していた場合 v2=0 \v1/v1=[1-(1-f/2)*k]/(1+k) \v2/v1=(2-f/2)/(1+k) ★ ■ m1=m2 k=m2/m1=1 v2=0 の場合、 \v1/v1=f/4 \v2/v1=1-f/4 ★ f=0 のときより、v1*f/4 だけ速さが減少する。その分、粒子1が速さを持つ |
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〓 衝突後合体 〓 ◎ 衝突後1つの物体になる場合。運動エネルギーは保存されない。 ◆ m1@--v1-> m2A-v2-> (m1+m2)-\v-> ※ v2<v1 m1+m2=(m1+m2) ■ 運動量は保存されるから m1*v1+m2*v2=(m1+m2)*\v \v=(m1*v1+m2*v2)/(m1+m2)〔★〕 ■ 運動エネルギーの2倍 2*K=m1*v1^2+m2*v2^2 2*\K=(m1+m2)*v1^2=(m1*v1+m2*v2)^2/(m1+m2) 2*K-2*\K 分子 失われた運動エネルギー K-\K=(1/2)*(v1-v2)^2*m1*m2/(m1+m2)〔★〕 ▲ 換算質量 m.=(m1+m2)/(m1+m2) 相対速度 v12=v1-v2 を、使うと、 K-\K=(1/2)*m.*v12^2〔★〕 |
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〓 エネルギー、運動量保存 〓 ◎ 2粒子1次元完全弾性衝突 2つの慣性系 ガリレイ変換 ◆ 2粒子1次元完全弾性衝突 外力なし(または、外力があっても、運動エネルギーと運動量に影響を及ぼさない) 2つの慣性系 慣性系x系で、エネルギーと運動量が保存される。別の慣性系X系では、保存されるのか? X系で エネルギー 衝突前 EX 衝突後 \EX 運動量 衝突前 pX 衝突後 \pX X系のx系に対する速さ v. ガリレイ変換 X系での任意の速さ=x系の速さ+v.
x系で エネルギー保存*2 m1*v1^2+m2*v2^2=m1*\v1^2+m2*\v2^2 @ 運動量保存 m1*v1+m2*v2=m1*\v1+m2*\v2 A ■ X系でも運動量は保存されるのか? X系衝突前 pX 衝突後 \pX ここでAを使えば pX=\pX〔★〕 ■ X系でもエネルギーは保存されるのか? X系衝突前 2*EX 衝突後 2*\EX ここで@Aを使えば EX=\EX〔★〕{運動量保存の式も使う!2015/3} ▲ ある慣性系で、エネルギー保存、運動量保存が成り立っていれば、別の慣性系でも、エネルギー保存、運動量保存が成り立っていると言える。〔★〕{ただ鵜呑みにするだけでなく、具体例を考えると、見えてくるモノがある!2015/3} |
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〓 バリスティック振り子 〓
◎ 粒子の速さを求める方法の1つ {かしこいなあ!2015/6} ◆ 粒子(質量 m 速さ v)が、振り子(長さ L 質量 0)の先に着いている物体(質量 (m1+m2))に、衝突し潜り込む 振り子は、振幅 X で揺れた 0<X<<L v ? 衝突直後の粒子と振り子の速さ \v ■ 運動量保存 m*v=(m+(m1+m2))*\v 衝突する時のエネルギーは保存されない 衝突後のエネルギー保存 (1/2)*(m+(m1+m2))*\v^2=(1/2)*(m+(m1+m2))*g*X^2/L \v を消去して、 (1/2)*(m+(m1+m2))*[m/(m+(m1+m2))]^2*v^2 v=X*root(g/L)*(m+(m1+m2))/m ★.振り子の振幅を測定できれば、粒子の速さが求められる |
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☆ お勉強しよう 2018-2011 Yuji W. ☆ |