▲山へ行こう Yuji.W

▲富士山登頂断念110816▲

☆概要☆

■ 2002年から、北アルプスや八ヶ岳を中心に登ってきた。大キレット、ジャンダルムも歩いたし、剱岳も登ったし、雪山も経験した。富士山は見るだけのものと思って来たが、まあ一生に1回ぐらい登ってもいいかなと思い、挑戦することにした。

[ 日時 ] 2011/08/16(火)-17(水)

[ 天候 ] 晴れ

[ 装備 ] ザッグ 30リットル ミレー 水色 靴 スポルディバ

[ 交通 行き ] 品川704-[こだま]-810新富士830-[バス]-1035五合目

[ 交通 帰り ] 五合目930-[バス]-1125新富士1135-[こだま]-1240品川

☆1日目☆

■ 富士山初挑戦。新幹線で1時間、新富士、製紙工場の白煙がモコモコ。富士山行きバス、片道1970円で、往復3000円。30人ほどの登山客。バスは2時間、ちょっと辛い。

1035富士宮口。標高2400m。

富士山頂上までの南側斜面が全部見える。山小屋も所どころ見える。この高さは、既に、八ヶ岳の赤岳鉱泉(2220m)や行者小屋(2340m)を超えている。高所対策をもっと真剣に考えておくべきだった。まずここで、1時間ほどいた方がよかったかな。

レストセンターで、きつねうどん800円。

1110歩き始め。ゆるやかな黒いザレ道トラバース、人が多い。森林限界を抜ける。

1125六合目。標高2500m。晴れ、風あり、24℃。1135発。

登山道の左右にロープが張られている。黒い、火山の噴出岩の道。傾斜はゆるい。

花のついた低木が斜面に生えている。オンタデと言うらしい。

上も下もよく見える。右手に、宝永山。紫外線が強い感じ。大団体さんの所で、軽い渋滞。登っている人、意外と、外人さんが多い。しかも、英語圏でない人みたい。「日本に行ったら富士登山」がブームなのだろうか。

1220新七合目。標高2780m、御来光山荘。晴れ、風あり。晴れてはいるが、雲もあって、他の山や海は見えない。1230発。

段差のある所もあるが、傾斜はきつくなく、基本的に奥多摩より楽。後は、空気が問題。標高3000m近くなる。座って休んでいる人もいる。

1310七合目。標高3010m、元祖七合館山口山荘。山口家でしきっているらしい。小屋のすぐ上が広い斜面があって、ここで休憩。晴れ、風なし、21℃。1325発。

だんだん傾斜が強くなる。道端にうずくまっている人がいる。



1400八合目。標高3250m、池田館。晴れ、風弱。空気が薄い。ちょっと疲れてきたし、予定通り、今日はここまでにすることにした。

夕食のみで6000円。お水500mlで500円。トイレきれい。トイレは臭くないけど、トイレ建物の周囲は臭い。1630夕食。カレーライスのみ。寝床は上下2段に雑魚寝。ひとり50cm幅ぐらい。富士山の山小屋は、八ヶ岳や北アルプスのとは違う。富士登山の途中で、軽く食事を提供してもらって、仮眠を取る所。本来、どこの山小屋もそうだったのだろうが、今や、八ヶ岳や北アルプスは、豪華な食事、安眠できる寝床を提供してくれている。同じ事を、富士の山小屋に求めてはいけないと思う。

隣接されている富士山診療所は開いていないようだった。


街の明かりが、雲の間に見える

星がきれい。目線を水平より下げても、星が見える!さすが富士山。南側の地平線近くには、さそり座、こんな大きなさそり座の全体像を見るのは、初めてだ。真上には、夏の大三角形、北側に、北斗七星の一部。

周囲の人に話をうかがうと、皆さん、翌朝2時に起きて歩き出すと言う。同じパターンにすることにした。寝る。寝れず、気持ちが悪くなってきた。頭痛、軽い吐き気、バッファリンを飲むが効いてこない。軽い高山病になってしまったようだ。原因、

@高所順応をしていない。五合目か六合目でもっと停滞するべきであった。
A体調管理が不十分。特に体調が悪かったわけではないが、夏バテしていたのかもしれない。
B狭い空間に大勢の人、軽い酸欠状態だったのかも。

このまま一晩我慢する気になれず、下山することにした。

☆下山☆

■ 2045下山開始。シャツ+長袖シャツ+半袖ダウン+雨具。左手東の空の、満月ちょっと過ぎの月が、登山道を照らしてくれる。登ってくる人のヘッドランプがあちこちに見え、下る道を示してくれる。登山道を示すロープを片手で握りながら下る。とにかく下に下りたい。ここで、こんな時に、怪我をするわけにはいかない。気だけは確かに持って、慎重に下る。

2135七合目。標高3030m。人が大勢休んでいる。富士では、夜、起きている人が大勢いる。ワンピッチ下れた。頭痛、吐き気はまだある。2145発。

足下がふらつく。ばててへたりこむ。こんな所で、行き倒れになるのはいやだなあ。意識だけは、はっきりさせようと自分を叱咤激励する。「頑張れ、自分!」これまで山で、いろいろな試練があったが、今日が一番辛いかなあ。

2215新七合目。標高2800m。小屋前のベンチに座り込む。標高差400mほど下って、ちょっと落ち着いてきた。登ってくる人が大勢いる。大休止。星がきれい。スバルがきれいに見えた。2300発。

登山道の傾斜がゆるむ。なんとか生きて帰れそう。

2355六合目。ここまで来ればもう大丈夫。ツェルトをかぶり、ベンチに座った。風はあり、寒い。星がきれい。後は、日が出てくるのを待つばかり。

日が変わり、午前2時、寒くてじっとしていられない、五合目までさらに下ることにした。

215五合目。指導員さんたちがいた。小屋の前のベンチに座る。軽い頭痛はあるが、吐き気はなくなった。10℃、風少々、寒い。月がきれい、星がきれい。星を見たり、寝たりを繰り返す。

4時過ぎ、東の空に、冬の星座オリオン座やシリウス、流れ星も見た。

5時前、東の空が色づき始める。ああ長い悪夢の夜がやっと終わる。

影富士。

6時、食堂が開いた。うどん。食欲があった。

930バス。無事帰れそうだ。

☆反省☆

■ 高所対策が不十分であった。50人にひとりぐらいかなあ、具合悪そうな人を見かけた。自分もそのひとりで、薄い空気に弱いということなのだろう。対策を講じなければ、富士登頂は成功しないだろう。

夜行動することに関しては、ヘッドランプを持って行っていたので、困らなかったが、今回は、月明かりがあり、すれ違う人も多いなど、恵まれていた。真っ暗で、だれひとり人間に会わない状況になってしまったら、うまく行動できるか心配だ。

外のベンチでツェルトをかぶって、夜中過ごしたのだが、寒かった。10℃前後で、低体温症ということにはならないのだろうが、もっと気温が下がったらどうなるのだろう。

 富士山登頂断念110816 

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